クラシック音楽とうさぎの日常

久々に。秋が深まるのでしばらくブラームスで。

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ブルックナー
交響曲第6番イ長調

ザールブリュッケン放送交響楽団
指揮:スタニスラフ・スクロヴァチェフスキ
REC:1997(ARTE NOVA BVCE-9710)

 今日はスクロヴァチェフスキによるブルックナーの第6交響曲を聴く。ブルックナーの第5交響曲を聴いたとき時の印象同様、非常にクリアな演奏でまさにレントゲン写真のような明晰な音楽になっている。
 
 第一楽章冒頭の第1主題が金管楽器で高らかに歌い上げられる部分でホルンで奏でられる対旋律が明瞭に聴こえてくるところなどはさすがスクロヴァチェフスキだと感心させられる。
 
 第5番同様、足早なテンポですべてに無駄がなく、凛とした演奏になっている。やや複雑な終楽章もスコアが手に取るようにわかるようなきっちりとした演奏になっていて音楽に説得力がある。
 
 テンポがやや速すぎていささか忙しすぎるかなという点もなくはないがザールブリュッケン放響の硬派なサウンドと一糸乱れのないアンサンブルに驚嘆である。
 
 背筋がぴんと伸びるような快演である。

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ブルックナー
交響曲第6番イ長調

ニュージーランド交響楽団
指揮:ゲオルク・ティントナー 
REC:1995(NAXOS 8.553453)

 ゲオルク・ティントナーの指揮によるブルックナーの交響曲全集における最初の録音(発売順は第5番に続いて2番目)交響曲第6番である。オーケストラはニュージーランド交響楽団。
 
 比較的ゆったりとしたテンポで始まるが旋律が深く息の長い包容力のある暖かなサウンドで聴かせてくれるあたりはさすがティントナーであると思わせる。第5番ではやや淡白に感じる面もあったが第6番ではテンポこそ颯爽とした凛としたものを感じさせるものの淡白な感じはあまり受けない。
 
 ニュージーランド交響楽団という決してメジャーでないオーケストラが第5番のときのロイヤル・スコティッシュ管の様に尋常ならざる集中力で迫ってくる様子がびんびんに感じられる演奏で思わず飲み込まれてしまう。
 
 凛としたリズム、颯爽としたテンポ、包容力のある温かなサウンド、そのすべてが非常にこの第6交響曲に合っているように思う。ブルックナー特有の場面場面における雰囲気(旋律やリズム)の突然の変化における対応も自然で見事というほかない。
 
 ティントナーの虚飾のないストレートな表現が心に響く名演と言っていいだろう。ニュージーランド交響楽団の健闘ぶりも特筆に価する。
 
 アイヒホルンほどの神々しさは感じない。同時にデニス=ラッセル・デイヴィスほど都会的で洗練されたものでもない。ティントナーのこの演奏は両者の真ん中をいく理想的な演奏といえる。

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ジョン・ダンスタブル
 1.Kyrie
 2.Gloria
 3.Salve regina
 4.Sub tuam protectionem I, MB 51a
 5.Ave regina celorum MB 37
 6.Sanctus
 7.Sub tuam protectionem II, MB 51b
 8.Magnificat
 9.Beata Dei genitrix, MB 41
10.Et propter hoc
11.Regina celi, MB 38

Bernd Lambauer(T)
Johannes Chum(T)
Colin Mason(Br)
ルネ・クレマンシック(Org)
クレマンシック・コンソート
指揮:ルネ・クレマンシック
REC:1995(ARTE NOVA 74321 34055 2[081109-250BOMM])

 世間も秋が深くなってきた。静かな秋の夜更けに心が洗われる美しい音楽の調べをゆっくりと聴きたいものである。今日は中世の作曲家ジョン・ダンスタブル。
 
 ジョン・ダンスタブルときいてもほとんど知らない作曲家であったので「ウィキペディア」で検索して調べる事に。以下引用して簡単にまとめた。

 ジョン・ダンスタブル(1390年頃〜1453年)は中世からルネサンス期に活躍したイングランドの作曲家である。その生涯については殆どわかっていない。中世西洋音楽からルネサンス音楽の移行期に重要な役割をした。

 イングランドのベッドフォードシャー州ダンスタブルで生まれたといわれている。音楽家の他に、外交官、天文学者であったといわれる。ノルマンディー知事であるベッドフォード公爵ジョンに仕えた。百年戦争の休戦時にフランスに滞在し、イングランド独自の3度・6度を用いた和声法フォーブルドンをヨーロッパ大陸に伝えるとともに、逆に大陸の音楽をイングランドに伝えた。ダンスタブルによって大陸に伝わった美しい和声法は、大陸の音楽に取り入れられることでポリフォニーに発展し、ルネサンス音楽開始のきっかけとなった。

 4,7,10曲目はオルガンによる独奏曲であるがその他は導入部分にオルガンの演奏がはいっているが、合唱のみのによるものである。グレゴリオ聖歌から続く中世西洋音楽とルネサンス音楽の移行期に重要な役割をしたということはこの楽曲群を聴くとよくわかる気がする。

 これらの楽曲の具体的な内容はよくわからないけれどどれも非常に美しい楽曲である。この分野におけるスペシャリストであるルネ・クレマンシック率いるクレマンシック・コンソートによる演奏は水準の高い素晴らしいものである。

 秋の深まるなかで、遠い時代のダンスタブルという作曲家の美しく深みのある音楽と触れ合う。至高の時間である。


参考
クレマンシック・コンソートによる皇帝マクシミリアン1世時代のウィーン王宮における宗教的作品集
http://blogs.yahoo.co.jp/qq473ms9/17270615.html

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ブルックナー
交響曲第6番イ長調(ノヴァーク版)

リンツ・ブルックナー管弦楽団
指揮:デニス・ラッセル=デイヴィス 
REC:2008(ARTE NOVA 8869731989 2)

 リンツ・ブルックナー管弦楽団の首席指揮者は1975年から83年まで首席指揮者を務めたテオドール・グシュルバウアーの代からその名声を高める事となった。その後ローマン・ツァイリンガー(1983〜85年)、マンフレート・マイヤーホッファー(1985〜91年)と続き、1992年から2000年までマルティン・ジークハルトが首席指揮者を務めた。
 
 先日聴いたアイヒホルンは1984年からこのリンツ・ブルックナー管弦楽団の名誉指揮者となりこのブルックナーの録音を開始したようだ。あくまで名誉指揮者としてこのオーケストラとかかわりをもっていたようである。
 
 今日聴くのはマルティン・ジークハルトの後を受けて2002年より首席指揮者に就任したアメリカ出身の指揮者デニス・ラッセル=デイヴィスのブルックナーである。
 
 デニス・ラッセル=デイヴィスは現在まで第5交響曲を除くブルックナーの交響曲をすべて録音しており、全集完成まであと一歩のところまできている。
 
 良くも悪くもオーケストラの響きは洗練されていて見通しがよく明瞭である。それゆえ、15年程前に録音されたアイヒホルンとの演奏におけるオーケストラの「神々しいほどの輝き」は感じられない。現代音楽に精通したデニス・ラッセル=デイヴィスらしく、オーケストラのサウンドは、より機能的に効率的に展開されていく。
 
 スタイリッシュで都会的、お洒落なブルックナーを聴くことが出来る。流れとしてはボルトン・モーツァルテウム管のブルックナーである。あとは聴き手の好みであろう。同じオーケストラなのにここまであっさりとしてしまうともはや別のオーケストラである。室内オーケストラを聴くような感覚である。
 
 アイヒホルンの指揮する演奏のときに「第4楽章の緩徐部分に聴かれる特徴的なやや複雑な和音の処理が曖昧に感じられる部分があり残念。もっと入念な処理を施してもらいたかったところである」という感想を持ったが、デニス・ラッセル=デイヴィスの指揮する演奏に関してこの部分については素晴らしい。複雑な音楽をきりりと整理して自然なサウンドで提供する事に成功している。
 
 いやはや、まさに時代と指揮者によって全く変わるのだなとふたつの音楽(アイヒホルンの指揮する演奏とデニス・ラッセル=デイヴィスの指揮する演奏)を続けて聴くとつくづく思う。
 
 演奏時間を見るとアイヒホルンの指揮する演奏よりもデニス・ラッセル=デイヴィスの指揮する演奏のほうが幾分長いのだが長さを感じさせないすっきりとした爽やかな感覚がこの演奏の感想である。

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ブルックナー
交響曲第6番イ長調(ノヴァーク版)

リンツ・ブルックナー管弦楽団
指揮:クルト・アイヒホルン
REC:1994(CAMERATA CMSE-438[080823-4998DUK])

 ブルックナーの交響曲において比較的地味な存在である第6交響曲であるが牧歌的で平明でわかりやすい(その意味においてしばしばブルックナー的でないと言われる)楽曲である。第1楽章の第一主題がどこか中東風な、エスニックな匂いがすると感じるのは私だけであろうか?それだけ特徴的な楽曲である。
 
 アイヒホルン、リンツ・ブルックナー管の演奏は実に堂々としていて神々しいほどの輝きをもっている。本当に素晴らしい。
 
 何しろリズムがしっかりとした強靭なものであるから重厚なサウンドがそれほど重く感じない。濃密でありながらも美しい音楽が展開されている。
 
 第2楽章の美しさも特筆に価する。中ごろ(8分くらいから)でやや集中力をきたす部分がないわけでもなくこの部分は残念である。
 
 第3楽章のスケルツォ楽章はそれほどエッジが立った演奏にはなっていないので柔らかで優しい雰囲気である。その意味においてはリズムがややあまくなっている雰囲気がある。
 
 第4楽章は堂々としていながらも実にしなやかで第6交響曲の持つ優しい牧歌的な雰囲気が全面に感じられ好感が持てる。一方でこの第6交響曲の第4楽章の緩徐部分に聴かれる特徴的なやや複雑な和音の処理が曖昧に感じられる部分があり残念。もっと入念な処理を施してもらいたかったところである。
 
 全体的には柔和で優しく美しい第6交響曲の特徴がよく感じられる素晴らしい演奏であるといえる。

 画像は分売によるジャケットのもの。


参考
アイヒホルン/リンツ・ブルックナー管によるブルックナーの第5交響曲
http://blogs.yahoo.co.jp/qq473ms9/58956068.html

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