クラシック音楽とうさぎの日常

久々に。秋が深まるのでしばらくブラームスで。

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ラフマニノフ
1.ピアノ協奏曲 第2番 ハ短調 作品18
2.ピアノ・ソナタ 第2番 変ロ短調 作品36

アレクセイ・スルタノフ(Pf)
ロンドン交響楽団[1]
指揮:マキシム・ショスタコーヴィチ[1]
REC:1989[1],1992[2](TELDEC WPCS-21059 [081012-250BOTNS])

 アレクセイ・スルタノフは1969年にウズベキスタンのタシケントに生まれたピアニストである。音楽一家に育ったスルタノフは幼少の頃から音楽に才能を見せ6歳でコンサートを開くほどの神童であったらしい。

 この演奏を聴けば一目(耳?)瞭然であるが非常に激しく情熱的なピアニストであることがわかる。それを裏付けるように1986年のチャイコフスキー国際コンクールでは、何に怒ったのかはわからないが、怒りに任せ壁をパンチして指の骨を折り本選出場を辞退する羽目になったらしい。

 それでもこのほとばしる熱情のピアニストは1989年のヴァン・クライヴァーン国際ピアノ・コンクールで見事優勝、一躍時の人となった。

 彼の名をさらにあげたのは1995年のショパン国際コンクールである。これは非常に有名な話で、会場にいた誰もがスルタノフの優勝を確信していたのにもかかわらず、(人種的な問題や政治的な問題などからと暗に囁かれているが)1位なしの2位に終わった。会場はブーイングの嵐となりスルタノフも授賞式をボイコットするに及んだ。このような「事件」で彼の名声は一気に高揚した。
 
 悲劇は天才を突然襲う。2001年春に脳出血で倒れる。以来、復帰に向けて懸命なリハビリを行っていたものの、2005年に再度脳出血を再発してついに自宅で帰らぬ人となった。享年33歳。「壮絶な人生」とは彼のためにあるような言葉かもしれない。

 今日聴いた演奏は1989年のヴァン・クライヴァーン国際コンクールで優勝した直後に録音したものであり、スルタノフの情熱を鍵盤にたたきつけるピアノは聴く人の心に深く刻まれる。彼のたどった悲劇的な人生を思うとこの心に迫るピアノは切実で感動的である。

 ラフマニノフの協奏曲は憂愁漂う誰もが知る名作である。有名な作曲家ショスタコーヴィチの息子マキシムの指揮する演奏は実に感動的である。

 しかし、スルタノフを知るのに一番いいのは2曲目のピアノ・ソナタであろう。切り裂くような熱情の塊のピアノが妙に寂寥感漂うように感じるのだ。殊に第2楽章の切なさと情熱の交差は心に迫るものがある。

 アレクセイ・スルタノフ、夭折の天才ピアニスト。強烈な情熱とあまりに切ない寂寥を内包した孤高のピアニスト。私はあなたを忘れない。

 
 参考
 夭折のピアニストユーリ・エゴロフのベートーヴェンとモーツァルトのピアノ協奏曲
 http://blogs.yahoo.co.jp/qq473ms9/58872198.html

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ブルックナー
交響曲第5番変ロ長調

ミュンヘン・フィルハーモニー管弦楽団
指揮:セルジュ・チェリビダッケ
REC:1986(Altus ALT 138/9)

 チェリビダッケは1970年代から90年代にかけて数回(5回?)来日している。今日聴く録音は1986年にミュンヘン・フィルとはじめて来日した際の公演のライヴ録音である。某FM放送局によって放送録音される予定であったものが開演5分前になってチェリビダッケの意向により放送録音は急遽キャンセルされることになった。

 この録音はこのときの関係者の判断によって極秘裏のうちに録音された。チェリビダッケが録音を許可しなかったために長らく倉庫に眠っていた録音であったが、当人の死後に遺族の許可を得た上で20年という時を経てようやく日の目を見る事の出来た録音である。

前回聴いた1993年のEMIへの録音と基本的なコンセプトは同じである。ところがこれは腰を抜かすほどの名演である。ライヴ録音ということもあり強烈な集中力があってこれは他を圧倒する。渾身の演奏である。

 録音状況も素晴らしく、オープンしたてのサントリーホールの伸びやかな響きがまたたまらない。終始ふくよかなサウンドで響きが金属的にならず温かくも厳格に響きが構築されていく。

 個人的には93年の瞑想の極地にあるようなEMIの録音よりサントリーホールにおける独特な熱気に包まれた86年の当盤の録音の方が幾分まさっていると思う。

 発売当初は4000円近くしたこのCDが1000円くらいで売られていた。目をつぶってでも買うべきだと思ったが、実際に録音を聴いてみて自分の判断に微塵の間違いがないことははっきりした。

 あくまで個人的な感想であるがこのCDはブルックナーの第5交響曲におけるベストな演奏であり録音であると断言したい。

 参考
 チェリビダッケ/ミュンヘン・フィルとのブルックナーの第5交響曲(1993年のEMIへの録音)
 http://blogs.yahoo.co.jp/qq473ms9/59224283.html

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ブルックナー
交響曲第5番変ロ長調(原典版)

ベルリン・フィルハーモニー管弦楽団
指揮:ギュンター・ヴァント
REC:1996(RCA  BVCC-1510)

 今から10年以上前の1996年に録音、発売された、当時同曲の決定的名盤と謳われたギュンター・ヴァントとベルリン・フィルによる名演を聴く。

 先日にも書いたがヴァントによるブルックナーの第5番はケルン放響(1974)、北ドイツ放響(1989)、ミュンヘン・フィル(1995)、ベルリン・フィル(1996:当盤)、北ドイツ放響(1998:DVD)の録音などがある。

 このうち北ドイツ放響との録音は未聴であるがやはりこのベルリン・フィルとの演奏は圧巻と言うか度肝を抜かれる壮絶な演奏である。

 ケルン放響との演奏に聴かれた神経質なほどの緻密さやミュンヘン・フィルとの演奏に聴かれた官能的ともいえる美しさとは一線を画する、無骨で豪快な側面がこの演奏からは感じられる。

 この演奏における様々なレヴューをみると、録音の悪さなどを指摘される方も多いようであるが、ライヴ録音であるがゆえのストレートに響く音色にあるのかもしれない。最近では同録音がSACDで発売されており音質も格段に向上しているようである。

 豪快に放射される音と音が交わらずに強烈にぶつかり合うような、熱気を帯びた演奏がこのヴァントとベルリン・フィルの演奏の本質のように感じる。

 ヴァントの音楽の方向性、つまり感傷的にならず折り目正しくきっちりとした音楽を展開する音楽の本質は、ケルンやミュンヘンもベルリンもあまり変わらず筋が通っている。

 確かにこのベルリン・フィルとの演奏は緊迫感や緊張感、熱気と豪快さの上では名演であることに違いがないが(よく言われる録音が良くないから?)各パートのエッジが強くて音楽が縦割りされている感じが強く横へのつながりに欠ける気がしてならない。その意味においては粗雑に感じられてしまう場面もある。

 1997年1月号のレコード芸術に掲載されているこのCDの評価は非常に高く絶賛されているが、ヴァントの指揮するブルックナーの第5交響曲において1995年録音のミュンヘン・フィルとの演奏が聴ける現在において必ずしもこのベルリン・フィルとの演奏がベストであるとは断言で気ないと思う。
 
 このような点を考慮して総合的に考えると(NDRのものを聴いていないからなんともいえないが)ブルックナーの持つ深淵性がより前面に出ているかつて聴いたミュンヘン・フィルとの演奏がヴァントのブルックナーの第5交響曲におけるベストになると個人的には思う。
 
 このベルリン・フィルとの録音はヴァントの作った折り目正しい枠組みの中で各パートの音が生々しくぶつかり合って言いようのない熱気に包まれた演奏である。それに対しミュンヘン・フィルの録音は各パートの音色が実に繊細で美しく角のないまろやかなものになっていて音楽全体を覆う美しいベールがあるのが特徴的である。すべての音色が素晴らしく交じり合い言いようのない美しさを醸し出している。これはチェリビダッケの作り出した極上のサウンドに規律正しいヴァントの音楽が融合した格別なサウンドである。

参考
ヴァント、ミュンヘン・フィルによるブルックナーの第5交響曲
http://blogs.yahoo.co.jp/qq473ms9/54401508.html

ヴァント、ケルン放響によるブルックナーの第5交響曲
http://blogs.yahoo.co.jp/qq473ms9/59102265.html

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ショパン
前奏曲全集
1.24の前奏曲 作品28
2.前奏曲(第25番)嬰ハ短調 作品45
3.前奏曲(第26番)変イ長調(遺作)
即興曲全集
4.即興曲 第1番 変イ長調 作品29
5.即興曲 第2番 嬰ヘ長調 作品36
6.即興曲 第3番 変ト長調 作品51
7.即興曲 第4番 嬰ハ短調 作品66「幻想即興曲」

ヴラディーミル・アシュケナージ(Pf)
REC:1977,1978年[1],1979[2],1982〜1984年[3〜7]
    (LONDON 417 476-2[081016-250BOMN])

 すっかりと秋の空気に包まれつつある今日この頃。初秋の静かな夜はショパンのピアノ曲をしっとりと聴くのも趣があると言える。

 今日聴くのは今や指揮者として有名なヴラディーミル・アシュケナージのピアノによるもの。アシュケ
ナージは1972年〜1985年にかけてショパンのピアノ曲全集を録音しているが今日聴くCDはそのうちの一枚。

 なんといっても作品28の「24の前奏曲」は安らぎと哀愁に満ちていて、聴いていると秋の夜の、なんともいえない寂寥感と安息の交錯した静かな時間をさらに心に深く刻むような音楽になっていてことさらに印象深い。
 
 粒のはっきりとした鍵盤を聴かせてくれる若きアシュケナージのよるピアノは決して機械的にならずに一つ一つの音が瑞々しい珠のようでダイレクトに心に響く。素晴らしい演奏である。非常に有名な「幻想即興曲」も心に迫りくる名演である。

 秋の気配を感じる夜に、ショパンを聴くのも、いい。

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ブルックナー
交響曲第5番変ロ長調

NHK交響楽団
指揮:ロヴロ・フォン・マタチッチ
REC:1967(Altus ALT131)

 旧ユーゴスラヴィア出身の指揮者マタチッチによるブルックナーの第5交響曲を聴く。

 マタチッチはヨーロッパではあまり有名ではなかったようであるが日本では非常に人気のあった指揮者のようだ。この録音は1967年11月21日に東京文化会館で行われたライヴ録音である。

 マタチッチによるブルックナーの第5交響曲の録音は3種類ある。1967年のNHK響との録音(当盤)。1970年のチェコ・フィル、1979年のフランス国立管との演奏である。

 1970年のチェコ・フィルとの録音が非常に有名であるがこのN響とのライヴ録音も熱気にあふれ素晴らしい演奏になっている。

 マタチッチの指揮する同曲においてはクナッパーツブッシュ同様、シャルクによる改訂版の使用がありその意味においてやや問題があると言わざるを得ない。個人的には1970年のチェコ・フィル、1979年のフランス国立管との演奏を聴いたことがないけれども、このN響の録音を含め3種の録音については同様のことが言えることのようだ。

 それはさておき、この演奏を聴いていて何より感じる事がNHK交響楽団の凄まじい集中力と執念のような熱演にある。マタチッチに心酔したN響のメンバーによる稀有なる熱演が展開されていく。この時代の日本のオーケストラとは思えぬほどの密度の濃い徹底した熱い演奏である。120%の力を出したような強烈な演奏である。金管楽器のパワーなどは今日の欧州やアメリカなどのオーケストラに匹敵する。いつしか聴いた残念な大阪のオーケストラとは訳が違う。気持ちの入れようが違うのだ。

 マタチッチの豪放で豪快な指揮にNHK響がこれでもかと食らえついていく、指揮者とオーケストラのまさに蜜月がここに聴き感じて取れる。

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