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ムター・リサイタル 2000
1.プロコフィエフ:ヴァイオリン・ソナタ 第2番 ニ長調 作品94bis
2.G.クラム:4つの夜想曲(夜の音楽)
3.ヴェーベルン:4つの小品 作品7
4.レスピーギ:ヴァイオリン・ソナタ ロ短調
アンネ=ゾフィー・ムター(Vn)
ランバート・オーキス(Pf)
REC:2005 (DG 469 503-2)
収録されているのは20世紀に入ってから作曲されたのヴァイオリンとピアノのための作品。作曲年代順にヴェーベルンの4つの小品(1910)レスピーギのヴァイオリン・ソナタ(1917)プロコフィエフのヴァイオリン・ソナタ 第2番(1943〜44)クラムの4つの夜想曲(1964)という順番になる。この録音は2000年5月のライヴ録音である。
ムターのヴァイオリンは繊細でありながら力強くスケールの大きい音楽を構築している。そしてこの録音を聴いて最後まで心に残った印象を言葉に言い表すとしたならば「極度に洗練された」という形容詞がぴったりくる。これはプロコフィエフのソナタで顕著である。
第1楽章のむせび泣くような出だしの音、細かいパッセージにおける繊細さは極度に洗練された音楽の結晶といっていいだろう。ライヴならではの心地よい緊張感が聴いて取れる。強音になる場面では音の大きさというよりも厚みを強く感じる。(強音と弱音のレンジも幅があり、これがスケールの大きさを感じさせるの一因かもしれない。)したがってとても懐の大きい、つまりはスケールの大きさを感じさせるのであろうか。技術面に関しては解説をするまでもないほぼ完璧なもの。とても表情豊かで場面場面における音楽の振幅を肌で感じる事ができる、名演である。
クラムの4つの夜想曲、ヴェーベルンの4つの小品は前衛音楽を最前線で突っ走ったような「どこから見ても」完全な現代音楽、いわゆる「無調」の音楽であり曲そのものについて感想は特にないけれども演奏に関しては再度、極度に洗練された緊張感とそのテクニックには本当に感心させられる。レスピーギのソナタにおいてテクニックとパッションが見事に合成され緊張感を失わない、聴く者の心をえぐる名演となっている。
蛇足ではあるが先ごろムターは名指揮者のアンドレ・プレヴィンと結婚している。ふたりのコンビでの録音もあるらしいので聴いてみたい。
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