クラシック音楽とうさぎの日常

久々に。秋が深まるのでしばらくブラームスで。

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1.スメタナ:歌劇『売られた花嫁』序曲
2.ドヴォルザーク:交響曲第9番ホ短調 op.95『新世界より』
3.ムソルグスキー/ラヴェル編曲:組曲『展覧会の絵』

チェコ・フィルハーモニー管弦楽団
指揮:カレル・アンチェル
REC:1958年10月10日、アスコーナ[ライヴ]

 HMVから「グレイト・コンダクターズ」というタイトルの10枚組のCDが発売されると聞いておよそ3ヶ月。発売延期の果てにようやく今月とどいた。
 その音源がどこまで信頼の置けるものかはよくわからないがほぼ信頼できる音源であるだろう。どれも今世紀を代表する指揮者による演奏。このあたりのCDに多く多くは古いモノラルの音源。

 今日はその中から、カレル・アンチェルとチェコ・フィルによる1958年のライヴ録音。1950年から1968年までチェコ・フィルの首席指揮者を務めたアンチェル。その悲劇的な人生は壮絶だ。両親と妻子をアウシュビッツで虐殺されるという悲劇を乗り越え1950年に壊滅状態の名門チェコ・フィルを立て直しクーベリック以来のチェコ・フィル第2の黄金時代を築く。

 しかし1969年、単身での演奏旅行中に祖国で「プラハの春事件」が勃発するに及びカナダに亡命し、同地で小澤征爾の後をついでトロント交響楽団の指揮者を務めた。
 
 この録音は1958年のライヴ録音。モノラル録音のようであるがそれにしては極めて良好な録音状態だ。各パートが混濁なく聴きとる事が出来る。
 
 アンチェルは先日聴いたトスカニーニの影響を強く受けていたようで(ライヴということもあってか)鉄のような鋼鉄なサウンドで一気にまくし立てる。スメタナの「売られた花嫁」序曲は尋常ならざるスピード感と熱気に包まれている。

 続くドヴォルザークの「新世界交響曲」も土俗的で田舎臭くごつごつしたサウンドの雰囲気の中に凄まじい熱気とエネルギーに満ちた、突きつけられるような鋭いリズムとアクセントに心をえぐられる。この新世界は凄まじさが滲み出るような鬼気迫る名演だ。

 「展覧会の絵」もライヴ録音ならではの生々しいサウンドに引き込まれていく。1968年にスプラフォンに録音されたCDもあるが(coco-6773)これよりも人間味に溢れた生々しい演奏はやはり凄まじい。とにかくぐいぐいとそして決然と音楽を進めていく即物的な雰囲気にトスカニーニの存在を感じる。同時に時折見せる優しいフレージングが時代に翻弄され悲劇的な人生を高潔に全うした真摯な指揮者アンチェルという人の人間性を感じる事が出来る。
 
 何回「凄まじい」といっただろうか?とにかく集中力の高い「凄まじい」演奏だ。人間味に溢れていて素晴らしい演奏だ。

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