クラシック音楽とうさぎの日常

久々に。秋が深まるのでしばらくブラームスで。

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 とにかく暑い。
 海にでも行きたいですね。
 海には時間がなくていけないのでせめて海の音楽を。



R.V.ウィリアムズ:交響曲第1番「海の交響曲」

アマンダ・ロークロフト(S)
トーマス・ハンプソン(Br)
BBC交響合唱団
合唱指揮:スティーブン・ジャクソン
BBC交響楽団
指揮:アンドリュー・デイヴィス
REC:1994(TELDEC 4509-94550-2)

 アメリカを代表する詩人ウォルト・ホイットマンによる「草の葉」という詩集から4つの詩をテキストとしている。金管楽器によるファンファーレに続いて“Behold the sea itself”と合唱によって高らかにうたわれる第1楽章「全ての海と船の歌」冒頭からして大海原が眼前に広がるそんな印象を強烈に受けるスケールの大きな大交響曲である。ソプラノと、バリトンのソロを加え大きなうねりを持ちながら盛り上がりクライマックスを築く。エンディングにおける静かに朗々と奏でられる合唱の美しさは海の持つ神秘性を思わせる。

 静寂に包まれながら終わった第一楽章に引き続き静かに始まる第2楽章「独り夜の浜辺に」はバリトンのソロと合唱の掛け合いが印象的である。

 スケルツォ楽章の「波」と題された音楽も非常に面白い。次から次へと押し寄せる波を表現したような細かいパッセージ、風をイメージしたようなフレーズが次から次へと現れては消えていく。第1楽章冒頭のフレーズがここでは題材として使われていて交響曲としてのまとまりを印象付ける。

 終楽章「冒険者たち」は演奏時間が30分弱の大規模な音楽である。曲は非常にゆっくりとした美しい合唱ではじまる。それは雄大な海を思わせる。合唱に加えソプラノとバリトンが高らかに歌い上げる中間部の盛り上がり方はまるでグランドオペラのクライマックスのようでありとても劇的で感動的である。エンディングはささやくような弦の音色と、ゆるやかなハープのグリッサンドが、まるでゆっくりと引いていく月夜の波の音をフラッシュバックさせるかのようで印象的である。ほのかな清涼感と充実感を内包した静寂のうちにこの大交響曲は終える。

 A.デイヴィスとBBC響のコンビは内容の濃いこの交響曲を実に端整に精緻に仕上げる事に成功している。響きは透明度が高く音のバランスは見事にまとめられていて説得力のある名演である。なかでも合唱は見事の一言に尽きる。さらにこの合唱とオーケストラとの音の融合、バランス、音色が見事にマッチしていて感心する。
 アマンダ・ロークロフト(S)、 トーマス・ハンプソン(Br)の充実した歌手にも感動する。細部に渡ってここまで内容のある説得力のある演奏とまた、二人の歌手、オーケストラ、合唱の響きの清涼感、透明度のある音が「海」をテーマとした大交響曲をさらに繊細で奥深く雄大な音楽と昇華させる事に成功している事は疑いの余地がない。

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