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さて昨日に引き続きイギリスの巨匠R.V.ウィリアムズの交響曲をアンドリュー・デイヴィス、BBC交響楽団のコンビによる演奏を聴きましょう。
R.V.ウィリアムズ
1.交響曲第2番「ロンドン交響曲」
2.交響曲第8番ニ短調
BBC交響楽団
指揮:アンドリュー・デイヴィス
REC:1993 (TELDEC 4509-90858-2)
R.V.ウィリアムズの2曲目の交響曲は文字通り「ロンドン」をテーマにした音楽である。第1楽章、美しさの中に漠とした不安めいた雰囲気ではじまる冒頭部は、朝もやの中を静かにゆっくりと夜が明けていく様が見事に描写されている。ビック・ベンの鐘の音がハープで奏でられるのを合図に、強烈な金管の咆哮と共に一気に朝の雑踏へとなだれ込んでいく。
このアレグロ部分においてはいくつかの民謡風な楽想が題材とされた快速なメロディが朝の活気にあふれた都市ロンドンを駆け抜ける(汽車の音も聴こえる!)。
中間部の誠に美しく、ほの暗い緩徐メロディは大都市で生きる人々の心の内面でも表現しているのだろうか?どことなくさみしく聴こえる。
そんな感傷を吹き飛ばすように先のアグロ部分が再登場し音楽は再び高潮し熱気に包まれながら終える。
続く第2楽章は哀愁を帯びた美しい音楽であるがなんともいえない一種の「不安」が常につきまとうような、そんな大都市ロンドンの夜を思わせるようだ。夜の帳を引き伸ばしたような雰囲気の中、静寂と悲哀がきらめいている。
第3楽章、スケルツォ。ノクターンとあるので第3楽章がロンドンの夜を描写しているのだろうか?(個人的な感想であるけれど「夜」に関しては第2楽章のほうがしっくりくるのだけれど・・・)。やはりこの楽章においても様々な民謡風のおどけたようなメロディがそこかしこにちりばめられていて公園や広場で遊ぶ子供をイメージしてしまう。
フィナーレ。常に不安定な雰囲気。楽想が落ち着きそうになるとすぐにそれが崩れる。その繰り返し。大都市「ロンドン」の生活観か?賑やかではあるが静寂ではあるが常にその背後にまとわり着くような不安。音楽がそれを物語るようである。エピローグにかすかに聴こえるビック・ベンの鐘の音がまた明日の不安と喧騒に満ちた都会の一日の始まりを予感させる。
第2交響曲においてもA.デイヴィスはきっちりとした輪郭のはっきりとした切れ味のいい音楽作りに徹している。強奏部においてもその音色は実にクールでシャープ。各セクションがいい意味で明確に分離されていて要所で有機的な結合を遂げている。素人耳にもわかりいい音楽が展開されている。
さてカップリングされている第8交響曲はまた明日。
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