1.交響曲第6番ロ短調 作品74「悲愴」 2.スラヴ行進曲 作品31 シカゴ交響楽団 指揮:クラウディオ・アバド REC:1986(SONY SB6K 87883) チャイコフスキー最後の交響曲「悲愴」。チャイコフスキーの死の真相と関連付けされるなど「謎」のある楽曲ともいえる。 この名曲も多くの名演があるがアバド、シカゴ響のコンビによる演奏は大変スマートで(そう、それはもうそっけないくらいに!)切れ味がいい。 第1楽章における炸裂するブラスの咆哮(それはロシアのうねりを伴うようなものではなく極めてストレートで明朗なもの)や弦楽器のアンサンブルの精緻さなど、シカゴ交響楽団の技術を堪能できよう。アバドのタクトは切れ味良く金管の強奏をあえてテヌートで吹かせるところなど細かな部分にこだわりが聴いて取れる。 第2楽章は丁寧にきっちりと演奏される。それ以上でもなくそれ以下でもない。ややテンポ感リズム感が鈍重にも感じる。それでいてやや響きが薄い。面白い演奏ではない。 第3楽章はこの交響曲中最も成功したパターンである。アバドの切れ味の良い指揮さばきとシカゴ交響楽団の正確無比な完璧なアンサンブルとダイナミックなサウンドがこの楽曲を極限にまで引き立てることに成功している。 第4楽章はあまりにもあっさりと演奏されていて、この楽曲の持つ切迫感とか文字通りの「悲愴」感などに乏しい。上手いのだが心に訴えてくるものがないように感じる。最後のほうに聴かれるあの銅鑼の音。もっと効果的に鳴らしてもいいのではないだろうか?あまりのそっけない。「悲愴」というよりも「悲しく想う」の「悲想」といった感じ(こんな熟語はないだろうが)。 |

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