ブラームス 1.交響曲 第4番 ホ短調 作品98 2.大学祝典序曲 作品80 ロイヤル・リヴァプール・フィルハーモニー管弦楽団 指揮:マレク・ヤノフスキ REC:1985 ブラームスのこの第4交響曲はすべてにおいて「深み」が存在していて、この「深み」をいかにも人間らしく心の底からえぐるように演奏しなければこの音楽の真髄はないと私は思っている。 その意味においてこの演奏は中途半端でいけない。第1楽章はオケの響きが明らかに薄く深みに欠ける。ヤノフスキは所々でテンポの変化をもって音楽の深みや意味を訴えているのがわかるのだが響きがついてこない分このような細工に関しても白けてしまう。 清流のように透明で清らかに演奏される第2楽章もブラームスの本流からは完全に外れた音楽との印象を強く与えるし、響きが放射状に放てられる第3楽章もディズニー映画やハリウッドの映画音楽を髣髴とさせ音楽が完全に流れてしまうように思う。 終楽章も第1楽章同様、キンキンとした響きで深みに欠けやや焦点のぼやけた感のあるはっきりとしない演奏にフラストレーションがたまった。 部分的には集中力があっていいところもあるのだけれど、ふと緊張感が途切れてしまう部分もあり全体のまとまり、統一感に欠ける。
しかしこういったマイナスの印象は録音にも原因があるのではないだろうか?もっと各セクションの音が分離していれば、もう少し聴ける立派な演奏になっていたに違いない。 指揮というか音楽のつくりはかなり深いところに切り込んでいっているように思えるのだがつめが甘く、さらに録音状況が散漫としているためかはっきりしない印象を与えるのかもしれない。 大学祝典序曲は丁寧で入念な演奏である。サウンドはきびきびとして爽やか。立派な演奏だ。 |

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