クラシック音楽とうさぎの日常

久々に。秋が深まるのでしばらくブラームスで。

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『初期イタリア・バロックへの旅』
 1.モンテヴェルディ:シンフォニア
 2.メルーラ:3声のチャッコーナ
 3.即興演奏
 4.カステッロ:ソナタ第4番
 5.ローレ/スパーディ:再びわかれて・即興演奏
 6.カステッロ:ソナタ第10番
 7.リッチョニ:4声のソナタ
 8.即興演奏
 9.マリーニ:『ラ・モニカ』によるソナタ
10.ウッチェリーニ:『ラ・ベルガマスカ』によるアリア
11.ロッシ:3声のシンフォニア
12.フォンターナ:ソナタ
13.ピッチニーニ:アーチ・リュートとチェンバロのためのトッカータ
14.ウッチェリーニ:ソナタ第18番
15.ロッシ:エコー・シンフォニア
16.パレストリーナ/ロニョーニ:野も丘も
17.ロッシ:ガイヤルド『ザンバリーナ』
18.ロッシ:5声のシンフォニア・グラーヴェ
19.メルーラ:カンツォーナ『ラ・カッタリーナ』
20.ウッチェリーニ:『針箱』によるアリア
21.チーマ:ソナタ
22.メルーラ:ルッジェーロ
23.ロッシ:ガイヤルド『ノルシーナ』

イル・ジャルディーノ・アルモニコ
REC:2000 (Warner 2564 63264-2)

 「初期イタリア・バロックへの旅」という題名のついたディスク。このボックスの1枚目である。内容もなかなか凝っていてモンテヴェルディをはじめとする17世紀初頭バロック音楽の発祥地、北イタリアで活躍した作曲家の諸作品が演奏されている。どれも素晴らしい演奏内容で昔にタイムスリップしたような感覚になる。溌剌としていて瑞々しく素朴でもあり、時に大胆で刺激的な演奏は一聴の価値ありだ。

参考
初期イタリア・バロックへの旅(前半)
 http://blogs.yahoo.co.jp/qq473ms9/41074281.html

12:サラモーネ・ロッシ(1570〜1630):3声のシンフォニア

 ロッシはイタリアのマントヴァを中心に活躍したユダヤ系の作曲家。当時からその名声は知れ渡っており多くの革新的な作曲技法を示した。
 この「3声のシンフォニア」は2分にも満たない短い楽曲ではあるが神聖性をたたえており和声的にも他の作曲家にはなかった新しさを感じる。

13:ジョヴァンニ・バティスタ・フォンターナ(?〜1630ごろ):ソナタ第15番

 フォンターナは前記のマリーニの師といわれ、やはりヴァイオリンの名手であったとされる。ここで聴かれる「ソナタ第15番」は彼の死後1641年に出版された彼の唯一の曲集「ヴァイオリンまたはコルネット、およびファゴット、キタローネその他の楽器のためのソナタ集」に含まれる作品。ここではコルネットで演奏されており大変華やかで祝祭的な雰囲気の楽曲になっている。

14:アレッサンドロ・ピッチニーニ(1566〜1638):アーチ・リュートとチェンバロの為のトッカータ
 
 アレッサンドロ・ピッチニーニはボローニャを中心に活躍したリュート奏者で作曲家。1632年と死後の39年に出版された2巻のリュートのための作品集が有名。ここで聴かれる「トッカータ」もおそらくこの作品集からの1曲なのであろう。しっとりとじっくりとリュートの音色を堪能させてくれる1曲。

15:マルコ・ウッチェリーニ:ソナタ第18番
 
 2曲目のウッチェリーニの作品。その生涯は謎に包まれたウッチェリーニであるがヴァイオリニストとして活躍していた事は知られている。この楽曲はさながら2つのヴァイオリンのための協奏曲だ。堂々とした作品。

16:サラモーネ・ロッシ:エコー・シンフォニア
 
 ロッシの作品はオリエンタルな感じを受けるがここでも明らかに他の作曲家とは雰囲気が異なる。この独特の作風は彼がユダヤ教徒であるということと関係があるかどうかはわからないけれど、どこか中東付近の雰囲気がある。このミュートをつけた2つのコルネットが題名の通りエコーのようにかけ合い響く作品の、哀愁の漂う旋律にもそんな感じを受けた。このディスク2曲目のロッシの作品。

17:ジョヴァンニ・ピエルルイジ・ダ・パレストリーナ(1525〜1594)
フランチェスコ・ロニョーニ(16世紀後半〜17世紀前半):野も丘も

 ルネサンス期を代表するパレストリーナのマドリガーレをフランチェスコ・ロニョーニという人が弦楽器のために編曲したものと思われる。ロニーニョについての詳細はよくわからなかったが、16世紀後半にミラノを中心に活躍した弦楽奏者で作曲家であったらしい。また、メルーラ同様一時期ポーランドのジグムント3世に仕えていた可能性がある。教則本や練習曲集を出版している。切なくも美しい楽曲。

18:サラモーネ・ロッシ:ガイヤルド『ザンバリーナ』
 
 このディスク3曲目のロッシの作品。ガイヤルドとは1400年ごろにフランスで普及した舞曲の一種。急速な3拍子の跳ね踊りが特徴的。ロッシのこの作品は3つのリコーダーとオルガンの伴奏によるもので、短いが大変技巧的な笛の音が特徴的で音楽に聴き入ってしまう。

 このガイヤルドという舞曲はしばしば緩やかな踏み踊りであるパヴァーヌと組み合わされることがあったようだ。

19:サラモーネ・ロッシ:5声のシンフォニア・グラーヴェ
 
 続いてもロッシの作品。ロッシの作品はこのCDでは4曲目。先のガイヤルドと対照的にゆったりとしたテンポの作品で憂いと気品を持ち合わせた比較的規模の大きな作品。

20:タルクィーニオ・メルーラ:カンツォーナ『ラ・カッタリーナ』
 
 メルーラの作品はこのCDでは2曲目。リコーダートヴァイオリンの掛け合いが大変面白い。リズムがめぐるめく変化していく大変忙しい楽曲だ。奏者の技巧に感心してしまう。

21:マルコ・ウッチェリーニ:『針箱』によるアリア
 
 ウッチェリーニによる作品はこれが3曲目。彼がヴァイオリニストであったためかここではヴァイオリンがとても主体的な役割をする。曲の終わり方が大変特徴的。徐々にディミニュエンドしていき消え入る様に終わる。この時代の作品としては珍しいのではないだろうか?

22:ジョヴァンニ・パオロ・チーマ(1570?〜1622?):ソナタ
 
 ミラノで活躍した作曲家でオルガニスト。その生涯についてはあまり知られていないようだ。この作品ではフーガの技法も認められていて厳かな雰囲気を与える。リコーダーとオルガン、チェロの3者が厳密に絡み合っていて内容に深みがある。

23:タルクィーニオ・メルーラ:ルッジェーロ

 メルーラ3曲目の作品。おそらく1637年に出版された作品集からの一曲であると推測される。規模も大きく大変技巧的な作品だ。旋律等はやや地味なきもする。

24:サラモーネ・ロッシ:ガイヤルド『ノルシーナ』

 このCDにおけるロッシ5曲目の作品。急速なテンポのガイヤルド。先に聴いたガイヤルドの『ザンバリーナ』よりも規模が大きい。短い楽曲であるがこの「初期イタリア・バロックへの旅」を締めくくるにふさわしい圧倒的なエネルギーをもった作品だ。



どれもこれも素晴らしい演奏でとにかくお勧めだ。作曲者がどうこう考える前に純粋にこの当時の音楽を楽しめればそれでいいと思った。

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