ヘンデル 1.「水上の音楽」組曲第1番ヘ長調 HWV.348 2.「水上の音楽」組曲第2番ニ長調 HWV.349 3.「水上の音楽」組曲第3番ト長調 HWV.350 4.「王宮の花火の音楽」HWV.351 コンセール・スピリチュエル 指揮:エルヴェ・ニケ REC:2002(GLOSSA MGCD 921606[[070909-655KS]) 素晴らしい演奏である。時代考証を演奏形式、楽器の構造、楽譜などの様々な見地から検証して、足掛け5年をかけて実演にこぎつけた指揮者エルヴェ・ニケとコンセール・スピリチュエルのメンバー総勢116人による入魂の演奏である。音楽そのものに対する並々ならない思い入れとこだわりが随所に聴かれ本当に素晴らしい。 エルヴェ・ニケは以前、NAXOSレーベルにフランス・バロック音楽(確かシャルパンティエの楽曲だったと思う)の録音が数点あって人気はないが実力のある人なのかなとなんとなく名前は知っていたがこの演奏を聴いて飛び上がる思いをした。素晴らしい音楽家である。 ナチュラル・ホルンとトランペットの構造を検証しそこから発せられる「音」を丹念に研究し、実演にかけたときに生まれる(特に音程に関する)「ずれ」を見事に克服し、壮大で流麗な演奏をここに再現せしめている。時間を忘れて演奏を聴いてしまった。 自筆譜が全く失われ、実際に演奏された順番も良くわからない研究途上にある「水上の音楽」に関するひとつの大きな可能性として素晴らしい演奏とともに提示された稀に聴く名演と言える。 「王宮の花火の音楽」も打楽器が大活躍して今まで聴いた事のないスタイルで演奏されている。聴いていると、むしろこの演奏のほうが自然に聴こえてくるからすごい。 聴く人によっては「過激」とも捉えられる演奏かもしれないが私は全くそう思わなかった。聴いていくにつれて、極めて自然なのかもしれないとそう思う、納得させられる凄い演奏である。 先日聴いた某批評家が指揮をした極めて不自然で作曲者に非礼極まりない演奏を「聞いた」後にこの演奏を「聴く」とニケとコンセール・スピリチュエルのヘンデルの音楽がいかに高尚で考え抜かれているということがうかがえ改めて感服をする次第である。
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