CD-1 ホルスト 1.組曲「惑星」作品32 コリン・マシューズ 2.「冥王星」 CD-2 <宇宙をテーマにした4つの委嘱曲> カイヤ・サーリアホ 1.「アステロイド4179:トータティス」 マティアス・ピンチャー 2.「オシリスに向かって」 マーク=アントニー・タネジ 3.「ケレス」 ブレット・ディーン 4.「コマロフの失墜」 ベルリン放送合唱団 合唱指揮:ロビン・グリットン ベルリン・フィルハーモニー管弦楽団 指揮:サー・サイモン・ラトル REC:2006(EMI 0946 3 59382 2 7[070917-851KDK])) 以前話題になった「冥王星」付の「惑星」。評判の高いラトル/BPOの録音で聴く。「冥王星」は2006年8月24日に国際天文学連合の総会で惑星から除外されたため、実際のところホルストの作曲した「惑星」が計らずも正しい結果になったのはなんとも皮肉である。 この「冥王星」はコリン・マシューズという現代の作曲家が指揮者であるケント・ナガノに委嘱されてホルストの「惑星」につけ加えた作品である。 まずはホルストの作曲した「惑星」から聴く。さすがはベルリン・フィル。とても上手い。一点の曇りもなく明快なサウンドと突き抜けるようなはっきりとした音楽に感心させられる。ラトルは「火星」や「木星」などでは手堅く抑制を持ったテンポでしっかりと音楽を語らせる。「金星」「土星」「海王星」における神秘的で繊細な音楽になっていて思わず聴き入ってしまう。とくに「海王星」の合唱の美しさといったら何に例えていいのやら。 ざっと聴くと、とにかく技術的、音楽的に批判の余地はない。ただあえて言うとすれば優等生の模範的な演奏であるということ。うますぎるということ。これに文句を言う人がいるかどうか。それは人それぞれであるだろう。カラヤンのような耽美的な独特の美的センスとは異なり、スタイリッシュに都会的、現代的な感触の強い完璧な演奏である。このへんがイギリス人の作曲家の音楽をイギリス人の指揮者が演奏したときに私個人がいつも強く感じる「冷たい気品」であるのかもしれない。このクールさがこの音楽に非常に適合する。 マシューズの「冥王星」は話題が先行してその音楽についてはあまり多く語られる事がなかったように思う。雰囲気は海王星の神秘性を継承しつつも完全な前衛音楽となっていて正直面白くない。後半はがやがやうるさい音楽になっていて私が感じる「冥王星」の雰囲気とは全く異なる。結局のところ冥王星は惑星ではないし、海王星の後にこの冥王星があることによって(当たり前であるが)雰囲気は壊れてしまう。むしろ今後はこれから聴くCD2の「宇宙をテーマにした4つの委嘱曲」にくわえてしまったほうがいいような気がする。 「宇宙をテーマにした4つの委嘱曲」は先に聴いた「冥王星」付の「惑星」の演奏に先立って演奏されたものであるようだ。『ラトルは演奏開始前に、委嘱作品4曲について「4楽章からなる交響曲として聴いて欲しい」とアナウンスをしたという』(HMVのレヴューから抜粋)とのことである。 簡単に4曲の紹介をHMVのレヴューより以下に転載します。 1曲目の『アステロイド4179:トータティス』は、フィンランドの女流作曲家、カイヤ・サーリアホによる作品。地球と軌道が似ているため、衝突の可能性が話題となるダンベル型の小惑星「トータティス」をイメージして描いた作品。 2曲目の『オシリスに向かって』は、ドイツの作曲家、マティアス・ピンチャーによる作品で、太陽系外の惑星でありながら大気の存在が確認されている『オシリス』について描いています。 3曲目の『ケレス(セレス)』は、イギリスの作曲家でラトルの盟友でもあるマーク=アントニー・タネジの作品。太陽系の小惑星のうち最も大きなものの一つとして知られており、ごく僅かながら大気と霜が存在すると考えられています。 4曲目の『コマロフの失墜』は、もとベルリン・フィルのヴィオリストで現在は作曲家として活動するオーストラリア人、ブレット・ディーンの作品。過剰な米ソ宇宙開発競争のさなか、ロシア革命50周年に無理やり間に合わせるため、欠陥だらけの宇宙船ソユーズ1号に乗せられた結果、大気圏再突入後に着陸に失敗して亡くなった宇宙飛行士ヴラディーミル・コマロフについて描いたものです。 私はこの手の意味のよくわからない無調の現代曲はあまり好きでないし、感じるところもないので特にコメントはない。音楽はさておき、やはりベルリン・フィルは凄く上手い。この混沌とした4曲を聴いて、この点だけは身にしみて感じる事が出来た。 |

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