クラシック音楽とうさぎの日常

久々に。秋が深まるのでしばらくブラームスで。

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コルンゴルト
1.ヴァイオリン協奏曲 ニ長調 作品35
ゴルトマルク
2.ヴァイオリン協奏曲 第1番 イ短調 作品28

ヴェラ・ツウ(Vn)
ラズモスキー・シンフォニア
指揮:ユー・ロン
REC:1995(NAXOS 8.553579[080823-294DUK])

 エーリヒ・ヴォルフガング・コルンゴルトは1897年、現在のチェコのブルノに生まれた。若い頃から神童と謳われウィーンを中心に活躍する。1938年にナチス・ドイツの侵攻を受けアメリカに亡命し映画音楽の作曲をしながら亡命生活を送った。
この「ヴァイオリン協奏曲」は1945年に作曲され、マーラーの未亡人アルマ・マーラー=ヴェルフェルに献呈された作品。
 
 世紀末ウィーンの官能的で退廃的な雰囲気を漂わせたロマンティックな楽曲となっている。それはまさにクリムトの絵画を髣髴とさせるものであり輪郭があるようでないようななんともいえない特徴的な楽曲である。全曲を通して自作の映画音楽から旋律は引用されているようだが、それはマーラーやR.シュトラウスに通じるような、抒情的で濃厚な音楽である。
 
 有名なヴァイオリニスト、ヤッシャ・ハイフェッツの積極的な演奏、録音活動に支えられながらこの楽曲は現在でもコルンゴルトの最も有名な作品という確固たる地位を固めることができたといえる。
 
 第1楽章と第2楽章はウィーンの世紀末の香りを漂わせた濃厚で官能的な楽曲であるのに対して第3楽章はまさにアメリカはハリウッドの映画音楽そのものの快活さと賑やかさを兼ね備えた楽曲となっている。

カール・ゴルトマルクはコルンコルドよりも一世代上でハンガリーの作曲家。ブラームスなどと同じ世代という事になる。このヴァイオリン協奏曲第1番はゴルドマルクの作品中最も有名なものであり、第1楽章などはどことなくブラームスの作品を思わせる。また特に「エア」と題された第2楽章の旋律の美しさは極上である。
 
 終楽章はハンガリー舞曲のようなロマ舞曲風の快活な旋律が印象的である。

 コルンコルドやゴルトマルクはほぼ同時代を生きたマーラーやブラームスのような大作曲家の陰に隠れ、いまひとつマイナーな作曲家であるがここで聴くヴァイオリン協奏曲は彼らの実力が遺憾なく発揮され、ユニークであり印象的である。もっとふたりの作曲家の作品は世に知られるべきであると思う。折に触れてチェックしたい作曲家である。

 演奏はヴェラ・ツウという上海出身の中国人ヴァイオリニスト。善戦しているものの、楽曲が超絶技巧を要求される作品のため、なんとか形にしているというレヴェルの範疇を脱しえないというのが本音。これらの楽曲における超絶技巧の向こう側にある作品の本質を描き出すには程遠い。このヴァイオリニストの年齢はよくわからないが録音から察するに彼(彼女?)は若すぎるのかもしれない。楽譜に書かれた音符をなぞる事にはある一定の成功を収めている(これだけでもすごいことなのはよくわかるけれど!)がもう一歩深みが欲しい。
 
 とはいえ廉価版でこれらの素晴らしいマイナーな楽曲をある一定のクオリティーで聴けるのだからいい時代になったと思う。

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