ブルックナー 交響曲第7番ホ長調 (ノヴァーク版) ザルツブルク・モーツァルテウム管弦楽団 指揮:アイヴォー・ボルトン REC:2006(OEHMS OC568) 2004年にザルツブルク・モーツァルテウム管弦楽団の首席指揮者に就任したボルトンによって定期公演で始めたブルックナー・チクルスからのライヴ音源によるもの。 響きを完全に削ぎ落とした演奏で骨格と輪郭がしっかりとしている。荘厳、雄弁とは完全に袂を切った演奏である。ブルックナーを聴いていると言うよりもブラームスやベートーヴェンを聴いているようなサウンドである。 たとえて言うならば、最初から結論を言ってしまっていて、結論に至るまでの過程を全く語ることのない、最短距離のブルックナーがここにある。それは良く言うならば無駄や虚飾を一切削ぎ落とした純粋無垢な音楽が展開されていくということである。 だが、それにしても指揮者も演奏者も、音楽を語ることなく基本に忠実に純粋なる音楽を丁寧におしゃべりしていくということが長々と展開されていくだけであるので、やはりブルックナーを聴く人間にとっては、音楽のその奥にある人間的なドラマを全く語ることの無い事にストレスを感じてしまう。 第5番のときにも感じたが「非常にこじんまりとしたある意味、現代トレンドを象徴するような「エコ」なブルックナー」である。現代風で人間味が無い。 もっと極端に言うならば、いい悪いは別として、この演奏は理科室にあるガイコツの標本のような演奏である。結論は理解できるがドラマが無いのである。
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