クラシック音楽とうさぎの日常

久々に。秋が深まるのでしばらくブラームスで。

今日のCD(トピックス)

[ リスト | 詳細 ]

記事検索
検索

イメージ 1

ベートーヴェン
交響曲 第9番 ニ短調 作品125「合唱」

Josephine Barlow(S)
Linda Finnie(CA)
David Randall(T)
John Tomlinson(Bs)

バーミンガム市交響合唱団
合唱指揮:?
バーミンガム市交響楽団
指揮:ヴァルター・ヴェラー
REC:1988(Chandos CHAN 8716)

 イギリスのオケとは思えない息の深いサウンドである。重厚な音色でロマン性にあふれたふくよかでしっかりとしたサウンドである。

 これまで第1〜第8までベートーヴェンの演奏を同コンビで聴いてきたが、当然ながらベートーヴェンの交響曲はそれぞれ性格が大きく異なる楽曲であるので印象は違う。

 しかし一貫して独墺系の重厚なサウンドで弦楽器の太さが非常に特徴的である。それが第5や第8ではいまひとつピンとこない雰囲気になってしまった感もある。だが第4、6、7番ではリズム感とこれら弦楽器を中心とした太いサウンドが上手く「はまり」素晴らしい演奏を展開してきたという側面もある。

 最後に聴いたこの第9番は素晴らしい。第1楽章の深遠な感覚が少し重みを持ったリズムで展開され進められる密度の濃い演奏にまず集中力が高まる。弦楽器の絡み合いも、すなわちアンサンブルにも驚異的な集中力とまとまりを聴かせてくれる。

 続く第2楽章に関しても密度の高いサウンドが引き締まったリズムの中で前へ前へと展開されていく。丁寧にかつ大胆に突き進むこの音楽に感心するばかりだ。

 第3楽章のカンタービレの美しさの作り方はヴェラーの独壇場といってもいいだろう。やはりこのワルター・ヴェラーという指揮者は弦楽器の鳴らせ方をよく知っていると思う。「田園」交響曲で聴いたように楽曲の美しさを徹底して丁寧に織りなすこの力量には脱帽である。決して奇をてらう事のない真正面から誠実に音楽に向かっている様子が感じられる。

 終楽章もとにかく言外息の音色が素晴らしい。冒頭における各楽章のテーマを奏でるところなどここまでふくよか、かつ繊細に演奏されたものはそうは聴けまい。

 それと反比例するように管楽器のサウンド作りにはやや適当な感じもする。合唱が入るとリズムに重みが増し散漫な感じがしてしまう。それでも骨太で肉厚なサウンドで豪快に締める。フィナーレは圧倒的。

 ワルター・ヴェラー。なかなかの指揮者である。2007年からベルギー国立管弦楽団の音楽監督として活躍している。このコンビでの録音も徐々にでているようだ。
 
 まだ知名度が低く地味な存在であるかもしれないがこれからひょっとするとこれから凄まじく評価が高まるかもしれない。

イメージ 1

ベートーヴェン
1.交響曲 第6番 ヘ長調 作品68「田園」
2.交響曲 第8番 ヘ長調 作品93

バーミンガム市交響楽団
指揮:ヴァルター・ヴェラー
REC:1988(Chandos CHAN 8715)

 「田園交響曲」は出だしから穏やかで暖かいサウンドで音楽と演奏が非常に肌感覚にあったものである。やわらかくしっとりと歌い上げる感じはまさに「田園」に適合していると思う。各パートも実に生き生きとしており心躍る演奏となっている。

 第2楽章も温和で穏やかの極地である。第3楽章はリズムがやや重いがそれだけ独墺系の音色が感じられる。第4楽章は嵐の音楽であるが第3楽章とはうって変わってかなりエッジの効いた鋭い音楽になっている。

 終楽章は第1、第2楽章同様温和で柔和、平和な雰囲気でまさに「田園」交響曲である。

 第8交響曲は第1楽章から音楽の重さのみが感じられてしまう。個人的にこの第8交響曲はもっと軽やかな演奏を期待していただけに胃がもたれてしまう。続く3つの楽章も同様、かなり堂々と、がっちりとした演奏でありこの演奏のスタイルが(聴く人間によって様々だろうが)最後までこの第8交響曲に似つかわしくないように感じられてしまい残念だった。

 しかし、終楽章にフィナーレは演奏のスタイルに関する好みを無視すれば相当の熱演でありここまでの演奏を聴かされてしまうと、納得というより説得させられてしまう。

 風格のある堂々とした第8交響曲が好みの方であれば十分納得できる演奏であると言えよう。

 画像はヴェラー/バーミンガム市響のヴベートーヴェン全集の別バージョンのもの。

イメージ 1

ベートーヴェン
1.交響曲 第4番 変ロ長調 作品60
2.交響曲 第7番 イ長調 作品92

バーミンガム市交響楽団
指揮:ヴァルター・ヴェラー
REC:1988(Chandos CHAN 8714)

 交響曲第4番の演奏は冒頭から熱がこもっていて素晴らしい。第1楽章は冒頭から気の入り方が違う。「英雄」や「運命」で聴いたような気のない弛んだリズムとは一変して気合の入った突き進むリズムで非常に好感が持てる。演奏にも集中力が漲っている。

 第2楽章は非常に丁寧な音楽つくりで極限まで磨いた繊細な旋律が素晴らしい。ここまで純粋な同曲を聴いたことがあっただろうか?白眉の秀演である。

 適度な質量を内包しながらもさっぱりとしたリズムで展開される第3楽章と終楽章にも非常に好感が持てる。各パートが生き生きと浮き立つように演奏されていて聴いていて興奮する。素晴らしい演奏である。

 交響曲第7番はサウンドにエッジがあって弛みやまったりとした感覚がなく素晴らしい演奏といえる。第1楽章はやや重めのリズム、遅めのテンポで展開されていくがリズムの取り方にしっかりとしたエッジが感じられ好感が持てる。

 第2楽章は冒頭に関して少し音が途切れ途切れな感じはするけれども総じて深遠な雰囲気でじっくりと「とうとうと」奏でられていく。ことに木管楽器の息の深さに聴き惚れてしまう。

 第3楽章は軽快なリズムでサウンドにほどよい重みを持っている。終楽章も第3楽章同様、理想的なサウンドの重厚さとリズムの軽快さにおけるバランスが取れていて印象がいい。

 音楽を掘り下げた結果としての何ともいえない味わいという感覚は残念ながらないが、ウィーンの指揮者がフレキシブルなイギリスのオケを振るとこうなるのか、といった感じである。ある意味、若きカラヤンがフィルハーモニア管を振ったベートーヴェンと似通う部分があると思う。

 いずれにしてもここでのヴェラーの振る第4、第7交響曲は佳演である。

イメージ 1

ベートーヴェン
1.交響曲 第2番 ニ長調 作品36
2.交響曲 第5番 ハ短調 作品67「運命」

バーミンガム市交響楽団
指揮:ヴァルター・ヴェラー
REC:1988(Chandos CHAN 8713)

 交響曲第2番は有名な「ハイリゲンシュタットの遺書」を書いた年に作曲されている。ベートーヴェンの交響曲の中でも非常にマイナーな楽曲であるが、この第2交響曲はベートーヴェンにとって大きな転機となる作品であるといえよう。失意の底からの転機となる楽曲、その意味においては大きな作品といえる。

 ヴェラーはこの第2交響曲において落ち着き払った音楽を展開していく。第3、第4楽章におけるスリリングさには物足りなさを感じる。しかしその丁寧な音楽つくりは第1楽章の冒頭や第2楽章の旋律の歌わせ方に顕著に表れていて、誠実さが伺われ好感が持てる。オーケストラも柔軟に対応していてフレキシブルな感じがさすがだなと思わせる。

 「運命」交響曲に関しても非常に丁寧な音楽運びである。第1楽章から突っ込んでいく感じは皆無でしっかりと地に足をつけ地道にすすむ感じである。

 「これだ!」というような主張に欠けていて、あまたある同曲の演奏の中にあってこのヴェラーの「運命」交響曲の存在意義についてその意味は薄いものにならざるを得ないことは事実である。

 それでも第2楽章をたっぷりと歌う雰囲気は非常に丁寧な感じがプラスに作用している。しかし第3楽章や終楽章はパワー不足。平凡といったらそれまでかもしれない。緩みきったリズムの感覚に最後までついていけなかった。

イメージ 1

ベートーヴェン
1.交響曲 第1番 ハ長調 作品21
2.交響曲 第3番 変ホ長調 作品55「英雄」

バーミンガム市交響楽団
指揮:ヴァルター・ヴェラー
REC:1988(Chandos CHAN 8712)

 交響曲第1番は第1楽章冒頭の序奏は非常に濃厚なサウンドである。主部のアレグロは快活で切れ味がいい。第2楽章もマイルドなサウンドで雰囲気がいい。全体的にサウンドはしっかりとした重厚なもので、颯爽とした雰囲気と粘着力のあるしっかりとしたサウンドが見事に融合して聴き応えがある。

 「英雄」交響曲はゆったりとした雰囲気をたたえており、第1楽章冒頭からややリズムに弛みとたるみが感じられまったりとした感じで残念。第2楽章の葬送行進曲は素晴らしい。音楽がどこまでも深く掘り下げられていてさすがは名ヴァイオリニスト出身の指揮者である。有名なフーガの部分における弦楽器の織りなすかけ合い交じり合いが見事である。有機的に音楽が絡み合う様子に鳥肌が立つ。最初から最後まで集中力に漲っていて手に汗を握ってしまう。
 
 第3楽章はリズムに陰りが見られるが正攻法な音楽の流れに説得力をもつ。終楽章も丁寧に練り上げられて紡ぎだされる音の一つ一つに生命力があり瑞々しく非常に好感を持つ。

 奇をてらう事のない正攻法なベートーヴェンのシンフォニーである。リズムに野暮ったさを感じるがそれ以上に丁寧な音楽を感じる事が出来る。とにかく弦楽器の鳴らせ方は素晴らしいものがある。

 画像はヴェラーのHPから拝借。ヴェラーの指揮姿。

.
ちぇり
ちぇり
非公開 / 非公開
人気度
Yahoo!ブログヘルプ - ブログ人気度について

ブログバナー

1 2 3 4 5
6 7 8 9 10 11 12
13 14 15 16 17 18 19
20 21 22 23 24 25 26
27 28 29 30 31
検索 検索

よしもとブログランキング

もっと見る

プライバシー -  利用規約 -  メディアステートメント -  ガイドライン -  順守事項 -  ご意見・ご要望 -  ヘルプ・お問い合わせ

Copyright (C) 2019 Yahoo Japan Corporation. All Rights Reserved.

みんなの更新記事