ブラームス 1.ピアノ・ソナタ 第1番 ハ長調 作品1 2.ピアノ・ソナタ 第2番 嬰へ短調 作品2 3.スケルツォ 作品4 ペーター・レーゼル(Pf) REC:1972,73(DS TKCC-70661[080511-250BOMM]) 秋の夜長にはブラームスの室内楽をしっとりと聴くのがいい。心が落ち着く。ということでほとんど聴いた事のないブラームスのピアノ楽曲を聴いていく事にする。 今日聴くのはブラームスの若いときのピアノ作品。 ピアノ・ソナタ第1番はブラームスが世に出るきっかけとなった作品であるらしい。友人であるヴァイオリン奏者のヨーゼフ・ヨアヒムの仲介によってシューマンに面会をしてこのソナタを演奏したようだ。その結果シューマンから認められ世にその名を知られるきっかけとなった作品であるとのこと。 作品1とあるがこれは出版者の関係でそうなったとのこと。1853年に完成されている。このCDに収められている第2番のソナタやスケルツォのほうが先に作曲されていた。 音楽は実に華やかでダイナッミクなもの。解説によればベートーヴェンの後期のピアノ・ソナタに多くの影響を受けているとのこと。 個人的には第2楽章の深遠な雰囲気がたまらなく好きだ。スケルツォ楽章はどこまでも力強く、最初と最後の楽章はとにかく華やかである。 第2番のピアノ・ソナタは第1番よりも前の1852年に完成されている。ブラームス19歳の作品である。第1番が「華やかでダイナッミク」な男性的な雰囲気を持っているのに対し、この第2番のソナタは情熱的でありながらもどこか内省的、感傷的な雰囲気があって女性的な雰囲気をたたえた作品になっている。
4つの楽章からなるがそのどれもが強烈に感情を表に出した激情とした雰囲気であり若きブラームスの真情の吐露ともいえる。 「ハイドン、モーツァルト、ベートーヴェンからの影響が濃くみられる」という指摘もあるが第1番のソナタに比べこの第2番のソナタのほうが若きブラームスの心のありようがストレートに表現されていると感じる。第3楽章や第4楽章に聴かれる不協和音の使い方が非常に印象的であった。 作品4とされた「スケルツォ」は2つのソナタより先の1851年に作曲されている。感情がほとばしり、颯爽と進められる作品にブラームスの若さが感じられる。 旧東ドイツを代表するピアニスト、ペーター・レーゼルは地味であるかもしれないが、実直かつ誠実にこれらの雰囲気を大切にしながら演奏している。細かなミスタッチが散見されるものの楽曲の根幹をしっかりと見据えた演奏には敬意を表したい。 |

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