チャイコフスキー 1.交響曲第5番ホ短調 作品64 2.交響的バラード「ヴォイェヴォダ(地方長官)」作品78 シカゴ交響楽団 指揮:クラウディオ・アバド REC:1988(SONY SBK6K 87883) チャイコフスキーの交響曲第5番といえば名演が多く、ムラヴィンスキーのDGに残したレニングラード・フィルとの録音やカラヤンの演奏、最近ではゲルギエフのVPOとの録音などを好んで聴いてきたがこのアバド、シカゴ響のコンビによる演奏も素晴らしい演奏である。 アプローチはオーソドックスそのもの。ヴィルト−ゾ・オーケストラの機能性を十二分に発揮した演奏といえる。金管楽器のストレートで輝かしい明快な音色が全編に渡り鳴り響きとにかくわかりやすく明快明晰な演奏になっている。 抑制の効いた音を確かめ探りをいれるがごとくに丁寧な息づかいが感じられる第1楽章は慎重な音楽が聴かれる。過度に感傷的になり過ぎない第2楽章もスマートで聴きやすいし気品あふれた第3楽章も好感が持てる。 前のめり気味にテンポを推し進め、際立つリズ感とスタイリッシュなサウンドに彩られた第4楽章はバランスが取れて実に聴きやすい。輝かしいフィナーレに突入する手前においてもブレーキをかけずに突っ走る(カラヤンなども同じ)ところなどは個人的に好みの演奏で爽快感がある。 パワーとスマートさが上手く同居した大変聴きやすい演奏である。 「ヴォイェヴォダ(地方長官)」はあまり演奏される機会の少ないチャイコフスキーの楽曲のひとつといえよう。ポーランドの詩人アダム・ミツケエヴィチという人の書いた詩にインスピレーションを得て書かれた作品であるようだ。 チェレスタの音色が大変印象的な音楽である。演奏も癖がなく大変聴きやすい。様々な意味においてバランスがいい演奏である。 |

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