「明日があるって、幸せだな。」
うん、私も、そう思う。
「明日」って、次の日も生きているってことだけじゃあなくて、
「また明日」って言ってさよならして、明日もその続きがあるってこと、なんじゃあないかな。
私は、いくつの「また明日」を失くしただろう。
あたりまえに「またね」って言えたことが、
本当は「また」なんて、「明日」なんて、とても不確かなものだったって、何度知ったら失くさずにいられるだろう。
『ミミズクと夜の王』。主人公「ミミズク」と、「夜の王」の「明日」のお話。
んーと・・・
まず、
主人公の少女(少女ですよ?)の笑い方が、「イヒヒ」。
イヒヒって・・・。
衝撃的過ぎる。
1ページ目にしてドン引きしました。ごめんなさい。
(ついでに、叫び声は「ぎゃあ」)
「魔物」だって、よくあるふぁんしーなものでなくて、
手が4本。口が裂けてて、目が無い。
・・・本気で魔物な姿の描写が。インパクトがありすぎる。
ちょっと遠い目をした後、再度読み始めました。(いえ、悪い意味じゃなく、思ったよりもインパクトが、ね。)
決して穏やかな物語じゃあないけれど。
どちらかと言うと痛くて、悲しくて、残酷に思える要素がたくさんあるのに。
そんなものが静かに寄り添ってきて、不思議と静かな気持ちになる。
優しい。
夜、お母さんが話す眠る前の物語のような、微睡のような綺麗な物語。
ふと思う。
これは誰の話だろう。
主人公以外の登場人物の描写(上記の魔物こと「クロちゃん」は置いておいて。)があいまい。
これは、本当に、主人公にとっての現実?
うとうととした微睡から突然はっと醒めた瞬間のような、不思議な感じ。
夢?どこからどこまでが?
夜の王と会ったところから?
ミミズクの意識が一瞬消えた、どこかから?(主人公が突然寝たり、意識が飛んだりするのですよ。)
それとも・・・ミミズクが村を飛び出したところから?
だとしたら・・・本当は主人公はどうなったんだろう?
どこからだろう。
どこからかによっては、これはとても残酷な話になるんじゃないかな・・・
ぞっとした。
この作者さんの作品は、
短編一つしか読んだことがないけれど、夢と現実の間の書き方がうまいな。と、思いました。
大切に、大切に、何度でも読んで、色々なことを考えたくなる物語。
読むたびに、物語の中にも自分の心にも新しい発見ができる本。
作者さんの考えも、主人公も、優しくて心地よい。
ほかのひとはなんて言うか知らないけれど、わたしはこれでいいの。
これがいいんだ。
そんな、やわらかくて、でも、芯が強い。そういうのが好き。
私は誰?
誰になりたい?
本当に還りたいと思う場所はどこだろう?
なくしたくない場所・「また明日」がずっと続いて欲しい場所が終わりあるものだと知って、
それでも、祈るように「またね」と繰り返す、その先か、その中か、そのもっと前か。
どこかに、いつか、ずっと手の中に持っていられる、安住の場所が見つかるときが来るのだろうか。
(関連文献 『ミミズクと夜の王』 紅玉いづき)