旦那と私の最終章

最愛の旦那が逝ってしまった。再び会える日を待ちながら

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渡辺淳一
あとの祭り(週刊新潮)
「何故田母神論文が生まれたか」

このところ、田母神航空幕長の話題が新聞やテレビで大きく取り上げられている。

この男が発表した論文、確かに狂って的外れだが、それを取り上げるマスコミの意見も、同様に少し的を外れているように思うのだが。

〈知らないだけ〉
日本は朝鮮半島や中国大陸に相手国の了承も得ないで、一方的に軍を進めたことはない。わが国は蒋介石により、日中戦争に引きずり込まれた。日本が侵略国家だというなら、当時の列強で侵略国家でなかったのはどこかと問いたい。アジアの多くの国が大東亜戦争を肯定的に評価しているのに、日本が侵略国家だというのは濡れ衣である。

以上が旧田母神論文の要旨だが、これが誤りであることは明白である。

事実、1995年に発表された村山談話で、昭和期の戦争について、日本が国策を誤ったこと、植民地支配と侵略により、アジア諸国の人々に損害と苦痛を与えたことを明確に認めている。

だが、田母神氏は、これは誤りだという。日本はアジア諸国、朝鮮も中国も侵したことはなく、侵略は濡れ衣だという。

何故空漠長の要職にいた男が、こんな馬鹿げたことを言うのか。

理由は簡単である。日本の過去の事実をほとんど知らされず、体験もしていないからである。


〈非道の数々〉
日本が戦争に敗れたとき、私は小学六年生であった。

当時、私は札幌に住んでいたが、その前、小学生低学年のときには、北海道でもっとも大きな炭坑があった砂川に住んでいた。

此処で、私は信じられない、恐ろしい情景を目撃した。
まず、砂川の市街を外れた丘の下、山峡を流れる川のほとりに炭坑労働者の飯場があった。たまたま親戚がその丘の上で新聞販売店をやっていたので、時々遊びに行ったが、「下の川べりに行ってはいけない」と厳しく言われていた。

そこには、朝鮮人の飯場があって、腹を減らした労働者が「アイゴーアイゴー」と言って泣き、時々殴られている、と聞いていた。

また、あるとき、表通りが騒がしいので出てみると、裸同然の朝鮮人労働者が、棒に両手と両足を縄で吊るされたまま運ばれていた。大人たちの噂では、日本人の棒頭に逆らって制裁を受けたのだと言っていた。

そしてある冬の日、私の家の屋根の雪下ろしに来た朝鮮人に、母があたたかいお握りを渡すと、涙を流して喜んでいた。

彼らはなぜ日本にきて、このような過酷な労働にたずさわっていたのか。理由はただ一つ、日本軍に一方的に捕らえられ、強制的に連行されたからである。

子供の世界でも、朝鮮人はすぐに泣くといって馬鹿にしていたし、中国人は「チャンコロ」と呼んでいた。

この傾向は戦後も続き、在日韓国人は公務員や一流企業に勤めることができなかった。

たしかに、欧米諸国もアジアを植民地化したが、日本は朝鮮人すべてに日本語を強要し、名前を日本式に変えさせて、文化まで破壊した。

敗戦まで、日本人はどれだけの朝鮮人と中国人を強制連行して、炭坑などで過酷な労働をさせたのか。その数、百万ともニ百万ともいわれているが、今、日本で生活している韓国系の人のほとんどは、この人たちの子孫である。

こんな過去がある限り、北朝鮮を巡る六カ国協議で、日本が訴える拉致問題に対し、中国や韓国が積極的に支援してくれないのは、当然トいえば、当然である。


〈教科書で教えろ〉
口上の事実に加えて、戦時中のあの異様な軍人の威張り方、そして朝鮮や中国への蔑視教育を思い出したら、日本が侵略戦争をおこない植民地やそこに住む人々に過酷な仕打ちをしたことは、疑いようのない明白な事実である。

この傾向は戦後も続いたが、幸か不幸か、田母神氏はそれを知らない。なぜなら戦争が終わったとき、彼はまだ生まれていないからである。
ならば、これらの事実をしっかり学ぶべきである。

しかし、彼が小学校から中学校に進んだ頃、日本の歴史の教科書では、それらの事を全くといっていいほど教えていなかった。教科書は明治維新までで、そのあと日韓併合や日支事変の実態についてはほとんど記されていない。

これでは、侵略戦争はなかった、と思い込むのも無理はない。

そして、彼の言動を批判しているマスコミも、かつての日本については、あまりよくわかっていない。

実際、今回の事件について新聞の社説などでは「言論の自由をはき違えている」「歴史観を述べるのは空幕長の仕事ではない」「文民統制に問題がある」といった、現実離れした記述ばかりで、侵略は事実か否かについては触れていない。

要するに、今、マスコミの第一線にいる記者たちも過去、日本が犯した罪については何もわかっていない、

こんなピンボケ状態を正すにはどうするか。

最も重要なことは、歴史教科書にきっかり、かつて日本は侵略国家で、アジアの国の人々を苦しめたという事実を、明確に記すことである。

自分たちの国の犯した罪を子供にしっかり教える。それを知らされるのは辛いことだが、そうすることでしか、アジア諸国との真の理解は生まれないだろう。



〈コメ〉
渡辺淳一氏が「週刊新潮」最新号で田母神論文騒動について持論を展開しています。

戦後に生まれた人間には日本が犯した罪についてはわかっていないそうです。

閉じる コメント(2)

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田母神は馬鹿そのもの

「アジアの多くの国が大東亜戦争を肯定的に評価している…」
アジアの全部の国の教科書で「日本の侵略戦争」と教えている。

アジアのどこ国の教科書で「侵略戦争でない」と書いてあるのか!
出してみろ!田母神よ!ネット右翼も同類である!
事実を見ないで、妄想だけが肥大している。ハイ。
(各国の歴史教科書で確認・検証するのが一番説得力がある)

2008/12/3(水) 午前 2:20 [ イエスちゃん ] 返信する

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民間人になったのだから、今後必要とあれば出すでしょう。
事実を見ないでというが、事実を見たんですね。
じゃあそれを出してください。

2008/12/3(水) 午後 1:27 グレートケボチ 返信する

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