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(コメ)
11月30日の産経新聞、「中国は穏やかになってきた」という岡本行夫氏のコラムは読んでいて首をひねる内容だったが、日本在住で中国出身の評論家石平氏が疑問を投げかけている。以下。
中国は「穏やか」ではない
11月30日付本紙に、外交評論家、岡本行夫氏の「中国は穏やかになってきた」というタイトルのコラムが掲載されたが、それを読んで、いささか拍子抜けの感じがした。
氏が、「中国」を語るための材料として使っているのは、中国訪問中に受けた個人的な印象の断片ばかりだからである。
例えば、中国で講演したときに聴衆から起こった笑いに「好意的な響きがある」とか、「中国側の反応は理性的で穏やかだった」とか、などである。岡本氏ほどの一流の外交評論家が、個人的な印象に基づいて、「中国は穏やかになった」と語るのが妥当なのか、私には疑問なのだ。
というのも、この半年間の新聞報道を点検してみただけでも、中国は決して「穏やか」になっていないことを証明できる事実がいくらでもある。
今年6月に、ストックホルム国際平和研究所は、2007年の中国の軍事費が583億ドルに達し、前年よりひとつ順位が上がり世界第3位となったことを明らかにした。
10月19日、中国海軍の最新鋭軍艦4隻が日本の津軽海峡を堂々と通過したのは周知の事実である。
11月16日には中国国防省外事弁公室主任の銭利華少将が外国メディアに対して「中国が空母を持ったとしても誰もが意外とは感じないだろう」と語っている。それは、上述のコラムが掲載されたわずか2週間前の出来事だ。それでも、「中国は穏やかになった」と言えるのだろうか。
中国という13億人の巨大国を観察するに当たっては、局部的な視点や個人的な印象に偏り過ぎてはかえって大局を見失ってしまう恐れがある。
それは、一論者の端くれとしての私自身も肝に銘じておくべきことであろう。
(産経新聞「アピール」)より
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