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ヤマザキマザック美術館ブロガーデーでヤマザキマザック美術館コレクション展におじゃましてきました。
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これまで、ロココ美術展、エマイユ展と企画展に行きそびれていましたので、初めての入館がブロガーデーというのもいかがかなと思ったのですが、ギャラリートークも聞けて、撮影許可もあり二倍楽しめました。

展示会場は5Fがフランス絵画300年の流れが一望できるコレクション
4F
はガレをはじめとする作家たちのガラス作品そして、調度として展示されている家具のコレクションです。

5F
でエレベーターを降りると、ヤマザキマザック美術館のオーナーである山崎照幸氏が初めて購入されたという ボナール「薔薇色のロープを着た女」(1918)がお出迎えです。
まるでフランス貴族の邸へ一歩踏み入れた感じの美術館です。
絵画が飾られているサロンのような感じです。
私自身ヨーロッパの美術館も貴族のお邸も知りませんので、ここですでに舞い上がってしまいました。

床はマホガニー板で踏みしめる雰囲気からも公共美術館と違うオーナーのこだわりが伺い知れます。
展示方法も工夫が随所にあります。
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キャプションを極力外し、音声ガイドにして、絵画に没入できる設えになっていました。
見にきた知り合いもこの方法はスゴく良いって、確かにそうでした。
それ以上に、額装にガラスとか アクリル板が外してあるので、絵画の筆さばき、色彩が迫ってきます。
鑑賞するものには作品への親しみと緊張感が味わえ、国内では体験できない「絵画を見る歓び」があります。
最近、国立新美術館で壁面がホワイトキューブ一色から展示室ごと壁面クロス色を変えられているように、ここヤマザキマザック美術館でもオールドマスター、印象派、エコール・ド・パリと壁面クロスが年代順に変わってゆき、絵画の雰囲気に合わさってゆきます。
壁面クロスは、ウイーン バックハウゼン社( http://www.manas.co.jp/modules/brand_list/index.php?cat_id=18 )によるもので、天井高5mの展示室に格調を添えています。

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絵画はフランスロココから始まります。

ヴァトー「夏の木陰」(1715)は牧歌的「雅宴画」の世界は古典主義の威厳や端麗さをもつものでなく、アカデミズムの神聖な情景でもない、フランスの田園詩そのものです。

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ブーシュ「アウロスとケファロス」(1745)2.5mx2.5mあり、ロココスタイルを代表するフランス貴族の女性の美を伸びやかに表現されたものでした。

アングル、ジェリコー、ドラクロワと並び、見応えがあります。
これぞフランス絵画の対決 なのです。

印象派からエコール・ド・パリの絵画に合わせクロスの色合いが代わり、軽やかなものになり、色合いが生きてきます。
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マルケ「パリ・ルーブル河岸」(1906)は何処かで見たことがあると思ったら、愛知県美術館常設展示の「ノートルダムの後陣」(1902)で味わっている穏やかなパリの風景に出逢っていることを思い出して、楽しくなりました。
名古屋は地元であり、愛知県美術館の常設コレクションで印象派以降は目に焼き付いており、それは、大袈裟ですが、
同一作家の別の作品が、違う美術館で地下鉄一駅のところで見られることはありがたいです。

そう思うと、アンティミスト(親密派・室内派)のボナール、ヴュイヤール の絵画もありました。
部屋に射し込む陽射しと影 ヴュイヤールは好きには堪りませんね。
愛知県美術館所蔵「窓辺の女」(1898)そして、ヤマザキマザック美術館所蔵「書斎にて」(1927)と見較べて、室内への光の差し込み方の違いもいいですね。

キュビズムのレジェの作品も2点あり、「サンバ」(1953) 「記念碑的構成」は未公開(1951)

レジェ後期の作品でした。最近所蔵となった愛知県美術館「葉のあるコンポジション」(1931)との画面上に表れている幾何学的形体のラインの違いも楽しいです。

デルヴォーもあり愛知県美術館所蔵「こだま(あるいは「街路の神秘」)(1943)で見慣れた神秘的な街に対して、「ふたりの女」(1956)はベルギーの航空会社オーナーのペリエ邸サロンのための壁画のひとつで、ドアノブの痕もあり装飾性の際立った女性が描かれています。

このように公共美術館と私立美術館のコレクションの作家たちを見比べることができるのも楽しいものです。

さて、ここまで展示方法も含め、今回のブロガーデーのナビはヤマザキマザック美術館学芸員坂上しのぶさんにギャラリートークしていただき、版権許可の許されるものは写真撮影がOKでした。

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4F

はアール・ヌーボォーの家具、ガラス作品 それとポリフォン社製オルゴールと興味の尽きないものばかりです。


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何と言っても「ナンシーの日本人」と云われたガレの家具 ガラス作品が多く所蔵されており、特に最晩年のガレの作品はフランス国内にもない逸品揃いです。
この最晩年のガレコレクションについての秘話は蒐集家にとっては、悔し涙の話でしょうね。お聞きになりたい方は、坂上学芸員のギャラリートークのある日にご本人からお聞きください。

ガレの「蜻蛉のテーブル」(1897モデル)「飾り棚」(1890年代)「箪笥」(1900)は、「自然界の生物のフォルムの優雅さとともに生命そのものの」を表現とし、日本趣味の家具の彫刻的造形はガラス作品とも違うガレの素晴らしいものです。
本当に一日中家具を見ていても飽きがこない素晴らしい作品です。
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展示会場をゆっくり巡ったので、時間がなくなり始めましたが、
坂上学芸員に「ガレの逸品中の一品はどれですか。」とお聞きしたところ三品の紹介がありました。


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「ペン皿 緑色の善良な小市民」(1903)の緑色のカエルと赤い虫
「蜻蛉文脚付杯」(1904)の実体と幽霊の二匹のトンボ
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「海藻文花器」(1904)のボードレール「悪の華」に触発されたガレ最後の作
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層の被せガラスの海藻と巻貝の深い海の底 そして、人間の心

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これらの作品も撮影できたのですが、オープンにはできません。
四方からじっくりとガラスの濃淡が見られます。写真では表せない深みがつつんでいます。
これらの作品は死の直前のもので、ガラス作品が作品の「美」だけに着目するのでなく、ガレの人生の声が込められた作品を坂上学芸員は情熱的に語っていただきました。
「人間よりも豊かな表情をみせる植物たちの姿をまわりを飛び交う小さな小動物たち 昆虫たちへの深いまなざし」
ガレは巡りゆく生命の輪廻転生と、人間の生老病死の荘厳さで、 見ている者たちを静かに包む時間がながれているようです。

このことは、2010/5/5の坂上しのぶ学芸員の「所蔵作品紹介」でも熱く語ってみえますので、ご紹介しておきます。
その1 海藻文花器http://www.mazak-art.com/cgi-bin/museum/infoeditor/info.cgi?action=data_view&key=005007001004008011008115117116&mode=news
その2 蜻蛉文脚付杯http://www.mazak-art.com/cgi-bin/museum/infoeditor/info.cgi?action=data_view&key=005007001004010008008113115114&mode=news

一代で世界的工作機械メーカーを成したヤマザキマザック創始者山崎照幸氏もガレがガラスに託した「人生の縮図」を見て、
「人生の同じ繰り返しが どれだけ輝きに 満ちた幸せであることか。」
ガレの最晩年の作品には こころを溶かす魔力が込められていますね。
ほんとに素晴らしい時間でした。

ヤマザキマザック美術館は入館する前からロダンが迎え、最後はガレで終わる濃厚な旅でした。



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