私小説的風景

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あることないこと小説的世界を描きたい。
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インとヨウ 4

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列車は郊外の新興住宅街にすべりこむ。その大学は山の上にある。
祭日ではあるが、他校から学祭のため、学生が慣れないそぶりでバスに乗り込んきた。

学祭には行かない。と、君は即答し、なら、私は行けるな。
平野に流れ込む河川が蛇行しながら、バスの行く道をふさぐ。

何棟もの学部ごとの棟舎が、バザーや出店を包み込む。
そこにも つぎにも 君を覗き込む。
居ないと居ないと唱えながら、いつのまにか校内のもっとも高台にある
木立の中 棟をたがえて西日だけが強く差し込む 茶室の前に出ていた。

青々とした木立のなかで、色ついているのは、鈴なりに実が熟れ落ちそうな柿
ばかりで、じっと私を見つめる。
私は君に微笑むように一実もぎとり、
苔むした影の水面へ 投げ込む。 
鈍い音がして苔を柿色に染める。

インとヨウ 3

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今日は季節のない眠たい地球の一日だ。
雲と海は境い目がなく、けだるく波を立てている。

夏のけたたましさから冬のざわめきへと移ろうする堪えている天空

「今いっせいに水滴を落とすぞ」と おどされているあいまいな気分にされる。

街にもどるエクスプレスには、カートを引きずる旅行客と同時に、
外国のテレビクルーが、ブルーリボン賞を得た電車車両の車窓風景をとるために、
静かに乗り込んで来た。

インとヨウ 2

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湾を横断する高速船に乗る。
県都から海上空港へのアクセスとしてハーバーから出港

秋だというに、湾内は穏やかな気候で波もたたず、雲が日差しを閉ざし対岸はひとときも
姿も見せない、
四十分で空港の港に接岸
妻に老人ホームに入っている父の見舞の時間をメールで打ち合わせる。

酔ったまま下船する。

君に送る 海を照らす秋の日差しの影は写せなかった。

横切った湾は面白みのない秋のまどろみにいた。

あの夏の過ぎていった時の波はおちつかせた。

今背にしたハーバーから対岸にたどりついてみると、
第七交響曲の第3楽章のコーダ部のようにゆっくりと目を閉じる。

インとヨウ

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西に向かう列車に飛び乗り、火力発電所のあるヨットハーバーにたどり着く駅で降りる。
 
ipodからは坂本隆一のリベルタンゴが流れる。
「歩いてきたよ ここまで」君と出かけた一番遠いところ
私鉄特急でわずか一時間のところ

熱処理された排水が泡立ちながらヨットの繋留されたハーバーに注がれる。
コーヒーにミルクを撹拌しながら、あふれてくる。
ipodの音をかき消す。

陽を浴びてヨットはワタシに倒れかかって来る。

「うで枕が一番きもちがいいの」とささやきながら、指先は二の腕から血流の音をさぐるように胸をすぎ、わきをツヅレ折りにさがってゆく。

キミを呼んでから、三か月が流れる。
濡れた指先を口元からすーっと襞へ お互いの指をなめて高鳴りを確かめる。
男はすぎた今をまた取り立てるように 身をよじる。

過去に選択してなかったもうひとつの時間をさぐるように濡れたまたぐらの奥へ
まるでタイムトンネルで30年前に行き着けるかのように、
キミの喘ぎ声で、身をくねらせるほどに響き渡り、頭のなかへ

愛と時の「うちでのこずち」さながら、指だけタイムゲートを越えてゆく。

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