町 人々

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朝八時 ラジオ体操 朝礼
この風景もあと20日で見られなくなる。

のんき屋の衆

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立ち飲みじゃ せきあいとれへん
「ほら皿持って、くし落とすなよ。まだ煮えとらんてそっちは」
「どて5本 串かつ何本 それで味噌全部か」
「こら そこ予約席だで 動いちゃかん」
「味噌おでん 練りがらしないの」
「そんなあれへん 七味かけときゃ」
「おっちゃん ねとるんだったら帰ってよ」
「そっちつめて、ほらビール瓶もたな」
「串かつ 20本 順番だで まーとーって ね!」
「こら。ビール瓶したおくな」
「まだ煮えとらん いったのに あとでもってたるはー」
「おでん? たまご こんにゃく 自分で皿もっててとれ!」
「また 串落としとる。」
「でんぴょう そんなんあらへん」
こわれたそろばんで、
「はい こんなけんだな」
「はい どうも」
お待ちくださいとはいわない。
客を選ぶ店 おっちゃん おばん 6人衆 「のんき屋」

上弦の月 ぽっかりと 高層の角 へばりつく。

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大門 と書いて おおもん と読みます。

夜のとばりに ぴよぴよと おちゃんたち
雨の日も肩をぬらして立つ おばんたち
「ここのコンビにつぶれたの 99円いこ! 
 あちのほうがなんでもあるで まけるわな」とおねんたち

遊郭だった町はさびれても、どうっこい
人々は生きている。
蜘蛛のようになっても
蛾のようになっても
ハゲタカのようになっても

高層ビルが隣にあろうとも
泣きながら
笑いながら

パンと卵のついた
360円のモーニングサービスのコーヒー
今日もすすっている。

カラスが笑う町で

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昨日 おじさんがひとりなくなった。

おじさんは、本屋で店番をしている人ではなかった。

本屋は、市電が走る道路に面して、
その町にずーっとあった。
その家から飛び出すと、大きな鉄道機関区工場があり、
駄菓子屋さんがあり、牛乳屋があり、公設市場があった。
いつも汽笛が町中に響いた。
路面電車は大きく左に曲がるとき
ブレーキ音とスパークを残していった。

おじさんはいつも二眼レフの小難しいカメラを持ち歩いていた。
私の頭に浮かぶ幼き頃の思い出のいくつかは、
モノクロ写真とダブル。
スクーターにまたがっているか。
路面電車の車掌のまね。
トヨペットのポンネットにのってしがみついているか。
どこかへ行きたそうなねだり顔で、微笑んでいる。

本屋のおじさんは、その大きな機関区の食堂で
月一回届けた本の代金の取立てにゆく。
広い食堂 
アルマイト食器のぶつかる音
深青い鉄道員の制服
立ち込める湯気 青い何筋かの日射し

おじさんは、シベリアからの帰還兵であった。
戦争のことは語らずに、
もくもくと働き、町の本屋になった。

母はそのおじさんの妹で、結婚してからもその本屋で働き、
その本屋で私は育った。
熱がでると市電で 東に向かい、きれいな看護婦さんのいる暗い町医者に行き、
喘息になると市電で 西の漁師町 蟹が家の門柱を駆け上がる鍼医者に行った。

今も残るポンネットと二人の子が写るモノクロ写真。

真新しいトヨペットにのせられて、
町から遠く離れた紡績工場に本の配達に行く。
そのおじさんの子とおじさんの三人で、舗装のしてないがたがた道をゆられる。
配達が終わると、お弁当だ。

包まれた新聞紙に煮汁がたれている。
アルマイトのベント箱のフタを開けなくてもわかる。
黄色い炒り卵と豚のひき肉のそぼろごはん弁当だ。

煮汁のうまみの染み込んだご飯に食らいつく
お茶はやかんから飲み。
おじさんは面白いことも云わず、ピース缶からタバコを取り出し、
紫の煙りをくゆらせていた。
飛び回るこどもをつかまえて、新車の横に立たせて撮った写真。

私のおじさんの思い出は、引越しで終わる。
モノクロの写真もそこで終わる。

そのおじさんが、93歳で大往生 突然に亡くなる。

妹たちが先だったあとに残され、喪主でもないのに
一言主のように演説し、勝手に車を運転して帰ってゆく。
80歳で、車を取り上げられる。
とぼとぼと背を丸めたうしろ姿には帰還兵の姿はない。

本屋も、路面電車もなくなった町から
おじさんもいなくなった。


 

星神社のおばあちゃん

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星神社のおばあちゃん

星神社 上の堤 銀杏をとったあと、境内をぶらぶらしていると、
一人のおばちゃんが、夕方のお参りにぼちぼち歩いて、星神社の摂社を廻り終える。

そのとき、
一本のムクノキに手をかけると、何度も頭をつけ、ひざまずく、気分でも悪いのかと
いやそうではない。木に向かい、手を合わせ拝んでみえる。

帰りかけるおばあちゃんに声をかける。
「何をしてみえていたのですか。」
「あー、写真を撮ってるのかね。
 あの古木は、願いごとをかなえてくれるのだよ。」
 
 この小田井の生まれでないと言うおばあちゃんは、指差しながら、
「ほれ、苔がはがれているじゃろ。みな、あすこにさわって、悪いところに
 ふれるのじゃよ。」
 この町の、語り継がれる言い伝えのようだ。

 云われを聞くことなく、おばあちゃんは、「何をとっとるのじゃ」と、
 この日まで続いている「月の写真」のことを話し、早朝木曽川まで行ったこと
 を、話し、願王寺からぶらぶらときて、「星神社」に出会ったことを伝える。
 
 「三日月に手を合わしたいわ。最近、三日月が見えんくてな。いつも新聞みて
  いつかいつかとまっとるんだわ。むすめがよ。こないだ、いい三日月を見たと
  いとったわ」
  今度は、冬至の日です。昼間みたいですよ。といいうと、

  おばあちゃんは、何度も「そらみえんわ ざんねんやな」
  
  生まれは広井で、私と同じ中村区の亀島に実家がまだあること、
  新聞の表は「テレビ欄」で、孫の会社のこと のこと
  毎日朝な夕な、手を木に合わせにくることをおしゃべりし、

  「いい三日月みれるといいね。」と八十になるというおばあちゃんは
   そう云い残して、
   堤へのぼる階段をゆっくりと登った行った。

   三日月って、なぜ、人は恋焦がれるのだろう。

   絢香の「うた」から始まった「月」への執着は、
   「三日月」へのいままでの自分のなにげないまなざしを
    この地上に住む人々の共通のなにかが隠されているような気がした。
    
   星神社の 織姫おばあちゃん ありがとうございました。
   これからも、ムクノキに守られ、お元気で、 

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