|
銀杏の硬い殻をペンチで握って、ヒビを入れる。
そして炭火でゆっくりと転がしながら丁寧に煎る。
殻をむくと半透明のような緑色をした実が出てくる。
わずかに塩を付けて頂く。
酒の肴には最高である。
閑散とした昼下がり。例によってウトウトとバスを転がしていると一人のおばさんが乗ってきた。
手にはパンパンに膨らんだ巨大なスーパーのビニール袋を二つも持っている。
バス停を2つ3つと過ぎたあたりから何やらあり得ない臭いがほんのりと車内に漂ってきた。
うんこの香りである。
僕は閑散とした車内をミラーで確認した。
左の前には老夫婦、中程に赤ちゃんを抱いた親子(三人)、読書をしている学生風の男一人、
最後部の座席にさっき乗ってきたおばさん一人。
乗車直後から何かブツブツ言ってるじいさん一人。
みんな、怪しい・・・
と思いながらも換気扇のスイッチを『強』に切り替えるのが急務だった。
バスは走る。
まっ先に僕は赤ちゃんのオムツと確信した。
『しかたない。赤ちゃんなんだもの。』
程なくして親子が降りていった。しかし臭いは増すばかりだ。
誰だ?
強烈なスカしっぺをしやがってー!
すました顔して本を読んでいる、お前か!
ぶつぶつ言ってる老人か!
老夫婦か!
後部座席のおばはんか!
せっっっかくのドライビングタイムが台無しである。
しかし・・・
やがてこの不愉快なドライブも最終局面を迎える。
そう、間もなく終点なのである。
終点で降り行く乗客に『ありがとうございました。』
と会釈しながらもその目は犯人を見極める『太陽にほえろ!』の山さんの如く、である。
最後部に座っていたおばさんの手荷物を見て私は驚愕した。
あのパンパンに膨らんだ巨大なスーパーのビニール袋(二つ)の中身は
路上で熟れまくり、異臭を放ち転がっていた銀杏・・・
それらを拾い集めたモノだったのだ。
赤ちゃんを抱いた親子、読書をしている学生風のあんちゃん、
乗車直後から何かブツブツ言ってたじいさん。
みんなごめんよ〜!
だってみんな怪しっかったんだもん。うぅ・・
しかし、まさかあれ程の銀杏を持ち込むとは
『良い度胸だぜ。敵ながらあっぱれじゃ。もう二度と乗らんでくれ。』
と心で叫びつつ僕は回送となったバスを車庫へと走らせた。
車庫にバスを停め休憩所へと向かう。
休憩所で同僚たちと今のエピソードで盛り上がる。が・・・
おかしい・・・まだうんこが消えない。
よほど臭いが強烈だったのだろう。
体に染み付いちゃったのかな?
同僚たちも口々に臭いと言い出す。
やがて同僚の一人が指差し笑い出した。
足を組んで座っていた僕の靴の裏に
熟れてまくって潰れた銀杏が、張り付いていたのだ・・・
エピソード2(銀杏の逆襲)の始まりである。
エピソード1ではおばさんだったが、
エピソード2では僕が主人公になってしまったのだ。うぅ・・・
銀杏の硬い殻をペンチで握って、ヒビを入れる。
そして炭火でゆっくりと転がしながら丁寧に煎る。
殻をむくと半透明のような緑色をした実が出てくる。
わずかに塩を付けて頂く。
酒の肴には最高である。
終
|
お初です^−^銀杏で思い出したんですが、簡単な炒り方ご存知ですか? 封筒に入れて20秒ほどレンヂでチンッすると「ポンポン」弾けて食べごろですwちょっと爆発しちゃってますから形悪いですけど♪でも匂いは確かにすごいですよね^^;バスはちょっと勘弁してほしいかもですw
2005/5/1(日) 午後 3:37
そんな炒り方があったとは知りませんでした。次回、銀杏の季節が来たら 試してみます。コメントありがとう。
2005/5/1(日) 午後 3:51
よく、ストーブに乗っけといてたべたなぁ〜。。。、(オイ) 訪問ありがとねん(^^)v
2005/5/1(日) 午後 9:38 [ ハレ ]
銀杏てさ・・・・今度そうやって食べてみる。・・・・・だから、ウトウトするんじゃなーーーーい!
2005/6/7(火) 午後 2:34 [ みがきやさん♪ ]
ウトウトして・・・ごめんなさーーーーい!
2005/6/7(火) 午後 11:16