昨日は岩波ホールで佐々木昭一郎監督の劇場映画、「ミンヨン 倍音の法則」が初日を迎えた。
佐々木監督はNHKの伝説的なディレクターで、NHKのドラマ「紅い花」(75年)、「四季・ユートピアノ」(80年)などの作品で知られ、海外でも数々の賞を受賞。
最後に手がけた作品からすでに20年以上が経過していて、今回、初の劇場映画にチャレンジとなった。製作に5年がかけられていると聞く。
3ヶ国語を話すヒロイン、ミンヨンの”意識の旅”を描いた作品で、音楽が重要なモチーフとなる。
特にモーツァルトの音楽が主軸になっていて、映画が終わると、彼の音楽が心の奥で軽やかなリズムを刻み始める(10代の頃、私も弾いていたピアノ・ソナタも流れたので、久しぶりにこの曲を弾きたくなった)。
ストーリーで見せるというより、イメージだけで押し切る作品で、そこに音楽、愛、
戦争、人生など、多様なテーマが重ねられる。
不思議なテイストの作品で、最初はドラマの枠を超えた構成に驚くが、とにかく、先が読めないので、途中からはその流れに乗せられ、その世界観に浸っていることが心地よく思えた。
これを機会に、ぜひ、劇場映画2作目も手がけてほしい。
初日は監督や出演者たちの挨拶もあり、場内には活気があった。
監督はとてもエネルギッシュな印象で、白いシャツとパンツがさまになっていて、帽子のかぶり方が粋だった。
場内の観客に岩波ホールに関してのコメントもいただいたので、これは、今後の私のミニシアター本の原稿に反映されると思います。
コメントを下さった方々は、熱心な岩波ホールのファンが多く、改めて、このホールの底力を思い知らされた。
夜、家にミニシアターの連載の件で、知り合いの宣伝マンから電話をいただく。
有楽町の角川シネマで行われているフランソワ・トリュフォーの映画祭に、トリュフォー映画には欠かせない男優、ジャン=ピエール・レオが来場したという。
70代のレオの初来日。すごい話だ。こちらも行ってみたかった気がする。
この映画祭はトリュフォー監督の没後30年イベントで、「大人は分かってくれない」をはじめ、監督の代表作が公開されていくようだ。
レオは特に好きな男優ではなかったが、姉妹との恋を描いた映画「恋のエチュード」は印象に残っている。
また、アキ・カウリスマキ監督の「コントラクト・キラー」の彼は哀愁があってよかった。
というわけで、きのうは伝説的なおふたりが舞台にたった1日となったようです。
佐々木監督の「ミンヨン 倍音の法則」とトリュフォーの映画祭。ご興味ある方は、ぜひ、劇場に!