ウディ・アレン通信(&ロスト・シネマ通信)

16年、初夏刊行予定 ウディ・アレン最新評伝本・訳書「ウディ」

文章を書くこと

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 書きことが仕事で、これまで書くことを楽しんできました。
 
 95%の仕事は、書き終えると爽快感があるんです。やっと、終わった!と。
 
 ところが、たまに「ガッカリ」することがあります。大好きな映画だと、こうなるんですよね。
 
 その映画について書く楽しみを、手放すことが残念でたまらないんです。
 
 めったにないんですが、今日、久しぶりに体験。
 
 ある単行本の仕事で、アラン・ルドルフ監督の昔の映画について書きました。
 
 ルドルフ監督、昔、大好きでした。「チューズ・ミー」や「トラブル・イン・マインド」は特に。
 
 でも、もう、彼の映画は公開されなくなり、最後に書いたのは「アフターグロウ」でしょうか。10年くらい前ですね。
 
 今日、久しぶりに書いたんですが、はじめてみると、やっぱり、彼の都市の世界が大好きに思えて。
 
 書き終えて、がっかりしたんです。次にルドルフ映画について書くのは、いつなんだろう、と考えて……。
 
 彼の映画はジワジワと心の奥にしみこみます。
 
 好きな映画について書いてガッカリしたのは、今年、2度目。雑誌用に「悪人」評を書いた時も、なんだか、がっかりしたんです。
 
 もっと、もっと、書きたいと思って。
 
 なんとも、複雑な……ガッカリ、なんです。
 
 
 
 

手書きの良さを再発見

 このブログを更新できなかったのは、仕事が忙しかったせいでもありますが、もうひとつ理由があります。
 
 先月から、映画の感想を手書きのノートに書くことにしました。私のためのメモです。
 
 それが雑誌の原稿に生きることもあります。
 
 で、20日に発売になった「ミュージック・マガジン」のコラムでは、そのノート効果を自分で実感しました。
 
 他の方が読んでも、これまでと違いがお分かりにならないかもしれませんが、自分ではかなり効果があるような気がします。
 
 やはり、紙メディアは、手書きの発想の方が、合うのでしょうか。
 
 そのせいで、電子メディアに書くことがめっきり減りました。
 
 でも、ブログはやめる気はありませんので、また、戻ってきます。
 
 ホークスが今日は勝って、ほっとしました。いよいよ、優勝に向けて、正念場の9月が目前です。
 
 優勝を信じています!
 
 音楽雑誌「ミュージック・マガジン」や「レコード・コレクターズ」を出しているミュージック・マガジン社。
 
 遂に編集部を訪ねました。
 
 思えば、とっても、長い間、記事を書かせていただいています(音楽ではなく、映画の記事ですが)。
 
 初めて記事を書いたのは80年代の後半。もともと、好きな雑誌だったので、知人経由で映画評の仕事をいただいた時は、とてもうれしかったです。
 
 そして、気づいてみれば、20年以上が過ぎているではありませんか。
 
 こんなに長いおつきあいになるとは思っていませんでした。
 
 でも、それでいて、編集部に行ったことが一度もない、というも、不思議です。
 
 遂に編集部を訪問して、電話だけでおつきあいしてきた編集部の方々が、次々に登場され……。
 
 やっと、お顔を見ることができました。
 
 場所は神田の古本屋街の近くです。
 
 アンティックな雰囲気のビルで、編集部は思っていたよりも広かったです。
 
 (いい意味で)ちょっと古ぼけていて、老舗の音楽雑誌の雰囲気がありました。
 
 活字文化をしっかり守り通している編集部というイメージでしょうか。しかも、いかにも、売れ線を狙っているわけではなく、専門的なこだわりを貫いています。
 
 創刊からすでに40年が過ぎています。読者層は中高年が多いとか。
 
 ここに文章を書く時は、今もちょっと緊張します。ただの紹介記事ではなく、批評を書くので、その作品と真剣に向き合う必要があるからです。
 
 写真よりも、文字で勝負。でも、それがなんとも心地よい。
 
 古い、新しい、ではなく、活字メディアとして、永遠のスタンダードをめざしている。そんな雑誌かもしれません。
 
 この編集部の雑誌作りに、今も参加させていただいていることが、本当にうれしいです。
 
 気づいたら、編集者の方と、2時間半も話していまして……。
 
 初訪問とは思えないほど、なごんでしまったのでした。
 
(ちなみに、現在発売中の「レコード・コレクターズ」では、ザ・ビートルズの特集を組んでいますが、そこでは、レノンの伝記映画「ノーウェア・ボーイ ひとりぼっちのあいつ」評を2ページ書かせていただきました)。
 
 
 
 

 このブログをはじめて1年になりますが、ブログを始めることで、何が変わったのかな?、と、ふと考えることがあります。

 ふりかえってみれば、80年代からフリーの立場で、文章を書くお仕事をしてきました。よくぞ、続いたなー、と自分でも思いますが、それは、もう、文章を書くことが好きだったから。

 とはいえ、仕事で書く原稿は、ブログとは違うので、やはり、依頼者や媒体によって、いろいろ違います。

 お金をもらう仕事には、そして、責任感もあります。

 原稿がなかなかうまく書けずに、苦しかったことはありますが、文章を書くのをやめたいと思ったことは、一度もありません。

 ふだん書いているのは雑誌やパンフレットなどの原稿ですが、こうした文章とブログとの1番の違いは、やはり、読者の方々とのやり取りが、ブログでは成立する、という点でしょうか。

 それに雑誌などの原稿は、その月が過ぎれば、なんだか、人目につかなくなりますが、ブログの場合、時には半年前の記事を読んでいただけることもあります。

 ブログに関しては始めてよかった、と思っています。

 ただ、ブログは趣味ですが、記事を書くことは仕事なので、やはり、自分の中で、趣味と仕事の文章への線引きみたいなものもあります。

 これはブログ向きのマテリアルだな、と思えば、そちらに書きますし、活字にした方がいいな、と思ったことは、それらに書きます。

 いい形で共存できれば、と、いつも、思います。

 思えば、80年代にこの仕事を始めた頃は手書きで、編集者と直接会って、原稿を渡していました。

 そのうち、FAXが出てきて……初めてFAXを電話局で見た時は大感動でした。

 そして、ワープロが出てきて、フロッピー入稿となり、ついにはPCへ。

 自分の仕事を振り返ってみると、ほんと、テクノロジーの変化を感じます。

 ただ……不思議なことに、文章に対する気持ちの、根っこの部分は、結局は変わっていない気がしています。

 その対象(映画、俳優、監督など)をおもしろがりたいな、という気持ちがベースにあります。時には辛口の文章も書きますが、それも、実はおもしろがっている気持の裏返し。本当の批判には、愛情や誠実さがいるような気がしています。

 自分の仕事として、1番、やりがいがあるのは、やはり、単行本の仕事ですね。

 雑誌に書いたものを、まとめた本も出しましたが、やはり、醍醐味は書き下ろし本です。

 けっしてラクな仕事ではありませんが、あの大きな手ごたえは、何物もかえがたいものがあります。

 翻訳本も、いくつか出しました。こちらは自分の文章ほど、深く考えず、流れ作業でやれるので、のってくると、英文を見ながら、スケートで滑っている感じがします。

 実は字幕の仕事もやったことがありますが、こちらはけっこう細かい作業なので、私自身は本の翻訳の方が好きでした。

 そして、これまでで1番幸せだった本の仕事は、間違いなく、著書「ロスト・シネマ」の執筆でした。

 この本にかけた2年間は、本当にぜいたくで、純粋な時間だった、と、今も思います。

 ただ、雑誌の仕事を休んで専念したので、どこか離島で暮らしているような感覚もありましたが……。

 でも、文章を書くことが、あれほどまでに、幸せで、そして、苦しかった(?)仕事もなかったです。

 ふつうは本ができると、すごくほっとするんですが、「ロスト・シネマ」に関しては、完成した本を見て、がっかりしました。

 もう、執筆の時間が終わってしまったからです。

 そして、この本のあと、ブログをはじめて、今に至っているわけですが、ブログに関しては、予想外のおもしろさ、でした。

 ブログをやっていると、自分がライターとして、初心に戻れるというか、いろんなことを無邪気におもしろがれるというか、そんなフットワークの軽さが楽しめますね。

 というわけで、雑誌、本、ブログには、同じ「書く」という行為でも、まるで違う感触があります。

 FAXもなく、ワープロさえもなかった時代から、ブログの時代へ。

 その時代の変化を受け止めつつ、いまも、書くことの意義と意味を模索しているのかもしれません。

 書くことにゴールなし。

 だからこそ、苦しくもあり、楽しみもあるのでしょう。

 これからも、文章とのおつきあい、よろしくお願いします。

 

 

 ブログで取り上げる映画は、自分で書きたいと思った映画だけを選ぶことができる。

 見て楽しめた映画、感動した映画、刺激を受けた映画、考えさせられた映画、好きな俳優か監督がかかわった映画、などなど。

 ただ、仕事で書く原稿となると、自分ではしっかりシッポをつかめないお題がまわってくることもある。

 もちろん、断ることもできるが、私は仕事に関しては<マイケル・ケイン流>。

 えっ、マイケル・ケイン流?

 英国の男優マイケル・ケインは、あるインタビューで、「来た仕事は断らない」と言っていたのだ。その発言を読んだのは、ものすごく前なので、今の彼の仕事のポリシーはどうなのか知らないが、かつてこのコメントに遭遇して、なんだか、感動した覚えがある。

 まあ、その結果、「なに、コレ?」みたいな映画に出たこともあるケインだが、仕事を断らない、というのは、自営業の態度として、アリかな、と思う(そんな彼も今ではオスカーを2度受賞しているではありませんか)。

 気乗りしない仕事もいれると、自分の個性が見えなくなることもあるが、一方、自分のカラーとは違う仕事にあえて、手をそめることで、それまで知らなかった世界が広がることもある。

 私的には、チャレンジすることが、けっして嫌いな性格ではないので、乗れない仕事がきても、なんとか、シッポがつかめたらいいなー、と思う。

 実は、いま、かかえている仕事の1本は、ちょっと、シッポが見えない仕事。

 資料を読み始めたら、「これ書くの、無理かもしれないなー」と、一瞬、霧の中に放り込まれた気分になった。

 ただ、時間がたつうちに、「大きなシッポは無理でも、小さなシッポなら、なんとかなるかもしれない」と思い始め……。

 というわけで、今の私は、冬のロンドンみたいに濃い霧の中を歩きつつ、霧の向こうに、チロチロと見え始めたシッポをたよりに、なんとか、前に踏み出そうとしているところです。

 マイケル・ケイン流、言うは易し、行うは……。



 

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