『いつか春が』執筆日記

波乱に満ちた人生。夢に向かって挑戦する男のドキュメントストーリー。

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【ご連絡】どこの本屋で買えるのかご質問がたびたびありますので、『書庫』を作りました。そこに全国の把握している取扱書店を掲載しました。また今までの日記も整理しました。校正途中の生原稿などの貴重な画像も公開していますのでご覧下さい。なおamazonでは品切れで度々ご迷惑をおかけしていますが近日中に入荷の予定です。ネットで「副島健一郎」「いつか春が」で検索されると書評や新聞記事ほか公共図書館の貸出情報が確認できます。また事件について検索の場合は『佐賀市農協背任事件』でされると当時のニュース情報がご覧になれます。
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なぜ父が逮捕・起訴されたのかお伝えしないまま話を進めてき
ましたので、ここでストーリーをいったん最初に戻します。
著書の中では家宅捜索当日の朝からを時系列に沿って描いてい
ます。家宅捜索の場面やその後にマスコミが押しかけてきてパ
ニック状況になっていく場面なども細かく描いています。

本来「告発」は真実にもとづく正義の訴えでありますが、もし
トップを失脚させる謀略の手段として、何者かが巧妙な虚偽の
告発を行ったらどうなると思いますか?融資の見返りにカネを
もらっていると。その虚偽の告発状を鵜呑みにして、裏付け捜
査を行わないまま強制捜査に着手してしまったら…。
まさかそんなことがありえるわけがないと思われるでしょうが、
それが実際に起きてしまったのです。そこからこの事件はスタ
ートしたのです。

強制捜査当日、佐賀地検だけでなく福岡や長崎地検からも応援
を仰ぎ、総勢80名体制で市内八ヶ所が同時刻に強制捜査が開始
されました。警察を飛び越えて検察自らが捜査に着手するとい
う異例の捜査でした。無罪確定後、検察内部の調査で、功(手
柄)を焦った当時の幹部が裏付け捜査を怠るなどのままで、捜
査に踏み切ったとの調査報告がなされましたが、その内容は今
も一切公表されず、鹿児島選挙違反事件や富山の冤罪事件(こ
れらは警察着手の冤罪事件)の陰に隠されるようにしてこの冤
罪事件は封印されたままとなりました。

佐賀県内を揺るがす大事件となりましたが、いくら調べても容
疑に結びつく証拠は出ず、有力な情報も出てこないために次々
と関係者が事情聴取に呼び出されていきました。それでも有力
な証言が得られず焦る検察。それならば容疑を裏付ける「証言」
を作るために、事実に反した調書が次々に作られていくのです。
予め用意された調書に署名を迫り「署名せんと家に帰さんぞ」
と言われれば普通の人は恐ろしくなり署名するしかなかったの
です。このことはあとの調査で分かりました。
今さら後戻りなど出来ないし、物的証拠などなくても、最後は
本人の「自白調書」さえ揃えば何とかなる…

これが、この冤罪事件の始まりだったのです。

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『いつか春が 〜父が逮捕された「佐賀市農協背任事件」〜』
     (不知火書房より全国の主要書店にて発売中)

     第一章 忍び寄る危機 家宅捜索(著書より)

一般的に農協というと農作物を集荷して販売する共販のイメ
ージが強いが、佐賀市農協では貯金・貸付などの信用事業か
ら各種保険、スーパーマーケットやガソリンスタンドの経営、
葬祭、不動産など様々な部門の事業を展開していた。おもな
経営の柱となっていたのは信用部門、つまり銀行のような金
融事業だった。
組合長である副島は、全国共済連の理事をはじめ佐賀県共済
連会長、その共済連が運営する観光ホテルの社長、地元テレ
ビ局の理事等を歴任、平成十二年当時も県内の各種組織の要
職や関連企業の代表など十近くの職務を兼任して多忙な日々
を送っていた。
          〜 中 略 〜

ガラガラーッ。突然、ワゴン車のドアが開くと、車の中から
背広姿の男達が次々に飛び出してきた。総勢五名。門柱の前
に勢ぞろいした彼らは無言で表札を見上げた。
その頃、家の中では勘三が食事を終え、出勤の身支度をして
いた。間もなく迎えの車が来るはずで、普段と変わらない一
日が始まろうとしていた。
家の前ではワゴン車から折りたたんだ段ボール箱や大型の紙
封筒などが下ろされると、「よし、行くぞ」と誰かが言った。
男達は門を入ると玄関に向かって一斉に歩き始めた。カツッ、
カツッ、カツッ。五人の靴音が石畳に響く。
ピンポーン、ピンポーン。玄関のチャイムの音が響く。

「はあーい、今行きます」
台所にいた静子は迎えの車が来たと思って玄関に出ると、ガ
ラス戸越しに黒い人影がいくつも見えたので「おや?」と思
った。同時に手前の人影が動いて玄関の引き戸が開き、背広
姿の男達が現れた。
静子は男達の険しい目付きに胸騒ぎを覚えた。それでも動揺
を抑えて「どちら様でしょうか?」と尋ねようとしたとたん、
男達がつかつかと玄関の中に入って来た。
玄関は無言の男達で埋めつくされ、やがて手前の中年の男が
口を開いた。
「佐賀地方検察庁の者です。ご主人はいらっしゃいますか?」
「佐賀地方……?」
静子は一瞬耳を疑った。
男は冷静な顔をして話を続けた。
「佐賀地検の者です。ご主人を呼んできてもらえませんか」
朝から突然男達が家に来て、夫を呼んで来いという。そのただ
ならぬ気配に静子は慌てて居間に引き返して、鏡に向かってネ
クタイを結んでいた勘三に耳打ちした。
「あなた……今ね、佐賀地検の人達が来て、あなたを呼んでき
てと……何かあったとね?」
勘三の手が止まった。
「佐賀地検? ……こがん朝早うから何やろうか?……分かっ
た、すぐ行く」
勘三がネクタイを締め終え、スーツの上着を羽織りながら玄関
に顔を出すと、男達の鋭い視線が一斉に向けられた。
「いったい何の御用でしょうか?」
勘三は一瞬たじろぎながら、見知らぬ男達に丁寧に尋ねた。
すると真ん中の男が手に持っていた一枚の用紙を広げて、勘三
に良く見えるように目の前にかざした。
(何だ?)
勘三がその用紙に目をやると、『捜索差押令状』。
「えっ……」と、勘三は絶句した。
『捜索差押令状』……言葉の意味は理解できたが、あまりの驚
きに後になんと書いてあるのか読む事ができなかった。
「捜索差押令状です。只今からお宅を家宅捜索します」
男はそう言うと、靴を脱いで家の中に上がり込み、残りの男達
も続いた。
勘三と静子は玄関に立ち尽くした。

男達は手分けをして家中に散らばり、目に付いたタンスや机の
引出しを次々に開け始めた。
勘三と静子はなすすべもなく、ため息をつきながら洋間のソフ
ァに腰を下ろした。
捜索をしながら洋間に残った男は二人に事務的な口調で命じた。
「会話はしないように。それから電話がかかってきても出ない
ように」
男達は無言で捜索を続けた。家中のあちこちから紙のめくれる
音や引出しを開ける音が聞こえてくる。そばにいる男は二人を
横目でチラチラと監視しながら、サイドボードの引出しの中を
まさぐっていた。
朝、突然、見ず知らずの男達が現れ、何が何だか分らないうち
に上がりこまれて家の中を引っ掻き回されている。二人には目
の前の光景が信じられなかった。こんな失礼な事をされてと腹
立たしさを覚えたが、令状を示されると何も言えなかった。テ
レビのドラマで何気なく見ていた家宅捜索の場面が今、実際に
目の前で行われている。現実がまだ信じられなかった。

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※この本のあらすじは「プロフィール」に記しております。
【この事件の特集番組を動画で見る場合はこちら↓】
■テレビ朝日「ザ・スクープ」 http://www.tv-asahi.co.jp/scoop/
 動画配信バックナンバー⇒ 2006年3月5日放送「検証!佐賀市農協事件」(前編・後編)40分

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まだ手に入らず・近くの書店に無く残念・・・明日は新宿紀伊国屋へ行くことにした。
ブログ連載シリーズを食い入るように・・・読んでおります。
ブログの執筆日記1から20まで読みましたが、著書の内容と同じくする連載シリーズを読むほどに早めに手にしたいと焦ります・・・・
副島さんのブログを訪ねたとき、多くの方が著書{いつか春が}直接読みたいと思うでしょう・・・それだけ著書にインパクトがあり痛み感じる世界の連続です。
しばらく大勢の方が著書を知る為にも、限られたブログのスペイスではありますが
連載シリーズは継続することおすすめします。
短く抜粋された著作の一部を読むと、内容を知る入り口になり簡潔で分かりいいと思います・・・・・

2008/7/22(火) 午後 7:04 [ afriex ]

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ありがとうございます。お取扱書店は最初の配本書店しか分かりませんがとろあえず都内は、ここにあると思います。喜んでいただけて嬉しいです。事実を知っていただくという意味では、出来る限り連載公開を続けようと思います。どうぞ最後までお付き合いください。
神田 三省堂/岩波BSC/新宿 紀伊国屋南店/新宿 紀伊国屋/新宿ジュンク堂/千代田 東京堂書店/吉祥寺 リブロ/池袋 ジュンク堂/池袋 リブロ/銀座 阪急ブックファースト/神田 書泉グランデ/神戸 海文堂/大手町 紀伊国屋/八重洲BC/丸ノ内 丸善本店/渋谷 /放文社/渋谷 阪急ブックファースト/渋谷 文教堂/池袋 旭屋/秋葉原 書泉ブックタワー/

2008/7/22(火) 午後 7:21 Fight

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法律に疎いのですが
無実なのに訴追されて裁判に追い込まれる?・・・・・検察は陳腐な経歴に都合よく厚み・箔をつけたいのが本音か・事件の真意を精査・吟味する前に・・失敗だった・冤罪の汚点?を残したくない一念で罪を強引に被せてくる。
ガセ・でっちあげの情報で捜査に手を着け、途中で事件性が存在しない事を知りながら、インチキの供述調書を強要し・徹底して法の訴追人の如く振舞う、全てが我が身の保身から始まっているようだ。 組織のメンツしかり・・自分の安全を優先させているようだ。・・・
被告にされた人は幸い無実を勝ち取っても、裁判に要した費用は自腹なのだろうかと考えてしまう?
糾弾されるべき検察は愚かな仕事・職務が経過し終わろうとも、責任を負うわけでもなく月ごとの生活・給料が保障されている。 そうなのだろうか?・・・許し難い事だ・・・・

2008/7/22(火) 午後 8:20 [ afriex ]

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国が市民を愚弄する無用の役人を養っているようなものだ。 国も検察庁も同類だと解釈できるが、なんせ相手は大きすぎて実体・形状がみえない。
市民・・無実・冤罪・それでも裁判についやす費用はただではないでしょう・・明日の補償が無い毎日に追い込まれると法律は何だと考えてしまう。・・・・・
(被疑者の烙印を押されると、生きる為の全てにおいて・困難・犠牲がついてくるようだ。)
検察・・馬鹿で不正義・無能力な職務の失態それでも保障されている生活・・・・・・・・
裁判後の国家賠償云々と言う前にこのような最初から付いている矛盾・どう解釈していいのだろうか? すみません解らないなりに勝手に書いたようで?・・・・

2008/7/22(火) 午後 8:21 [ afriex ]

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一度動き出してしまうと後戻りできないのが権力とメンツ。たとえ身に覚えがなくても起訴されれば裁判ですから、反論しなければ罪を認めたことになります。虚偽事件(作られた事件)であろうと闘わなければならなくなるのです。社会的制裁を受けながら莫大な裁判費用と時間をかけて闘うしかないのです。無罪になったら、裁判費用も雀の涙ほどの弁護士日当だけが支払われ、「ありゃ間違っていた」で謝罪もなく知らん振り。それでおしまいです。

2008/7/22(火) 午後 9:08 Fight

ある日、自分に同じように当局が自宅に踏み込んできたら、パニック状態に陥る事は必至です。
その後の事は考えられません。無実を晴らすために屈辱を乗り越えられるかと言うと・・・自信がないです。
Fightさんの父上とFightさん、そして家族の皆さんが歩む日々、想像しただけでも胸が痛みます。
悔しさが湧いてきます。
今日もありがとうございます。
暑いです・・無理なさらないように。

2008/8/16(土) 午後 5:19 相馬 龍

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龍さん、ありがとうございます。連載の公開は終了しますが、さてこれからはどんなスタイルにしようか…龍さんみたいに変化球がたくさんあればいいけれど、直球しかないので(笑)

2008/8/18(月) 午後 2:05 Fight

身に覚えが全く無いのに家宅捜査されたら
「何で???」と疑問でいっぱいやったでしょうね....
きっとものすごーく腹が立ったはったことやと思います(>_<)

2009/3/13(金) 午前 11:31 らんらん


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