|
平成23年5月22日午後2時〜3時25分
テレビ朝日『ザ・スクープスペシャル』 にて本日放送。
番組ホームページ⇒ http://www.tv-asahi.co.jp/scoop/
「いつか春が」完結編
〜父の最期の涙〜
父が脳梗塞で倒れ危篤状態に・・・。
父には逮捕されて以来、音信が途絶えたままになっている友が数多くいた。
その中の一人である友が見舞いに訪れ、父は興奮するほど感激し、その後、脳梗塞を・・・・。
事件以来、8年ぶりの友との再会が、父にとってはどれだけ嬉しかったのかを思うと
父の孤独の闇の深さを知り、いたたまれなかった。
父は既に言葉を発することは出来なくなっていた。
脳梗塞によって数十分おきに全身痙攣を繰り返していた。痙攣止めの薬も効かなかった。
次第に痙攣が襲ってくる間隔は早くなり、数分おきに父の体を痙攣が襲った。
「ううう・・・」
父が大きく目を見開き、体全体から搾り出すようなうめき声をあげる。
骨と皮だけになった父の体が次第に大きな揺れとなって全身痙攣を始める。
ベッドがガタガタと音を立てて揺れる。10秒・・・20秒・・・1分と痙攣が続く。
苦しいのだろう、顔をゆがめる父。
父は自分で話すことは出来なくても、こちらからの呼びかけは分かるように思えた。
「お父さん、苦しいとやろ?・・・痛いやろう?ごめんね、何もできなくてごめんね」
父は必死の形相で私の顔を見ている。
お父さん、何を伝えようとしているの・・・私には分かった。
無念さ、悔しさ、怒り。
ビクビクと体を痙攣させながら、大きく見開いたままの父の目にみるみると涙があふれた。
私はたまらなくなり父に叫んだ。
「お父さん・・・聞こえるね。お父さんは十分に闘ったし、もう闘いは終わったとよ。
検察に勝ったんだよ。無実を証明したとよ。だから・・・もう休んでいいよ。
ゆっくり休んでいいよ・・・お願いだから休んで、お父さん・・・」
それ以上言葉が続かなかった。
私が見たのは父の最期の涙だった。
せめて最期は父が寂しがらなくてすむようにと、病院に特別にお願いして私や母、兄や弟と
その家族も含めて十数人全員が病院に泊り込んだ。病室には全員が入りきれないので、
交代で父のそばに付き添い、他の者は廊下や待合室で交代で眠った。
その間も父の痙攣は続いた。
泊り込んで5日目の夜、全員が父のベッドを囲み、見守る中、父の心臓が止まった。
「・・・・」
これで父もやっと休める・・と、思った次の瞬間、再び全身痙攣が始まり、父の心臓が
動き出した。
「お父さん、もう休んでいいよ。もう頑張らなくていいとよ・・・お母さんのことは
なんも心配せんでよかよ。俺達が全員でお母さんを支えていくから、お父さんは心配せんで
ゆっくり休んでよかよ」
神様は何と残酷なんだろう。神よ!お願いだから父を早く楽にしてくれ。
父を休ませてくれ。
痙攣によって停止した父の心臓が再び動き出す。医師の説明では父は既に痛みも苦しみも
感じなくなっているはず、心臓だけが痙攣によって停止できなくて動いてしまう状態だと聞いた。
その繰り返しが朝まで続いた。
家族全員が見守る中、心臓が弱っていくのが分かった。
次第に痙攣の大きさが小さくなり、呼吸も穏やかになっていった。
父の心臓が再び停止・・・痙攣が始まるか・・・10秒、20秒・・・
(お願いだから父をこのまま逝かせてくれ)
時間を食い入るように見つめる家族。
痙攣は起きなかった。
父、死す・・・
父はやっと穏やかな表情に戻った。
父の通夜や葬儀には、のべ千名以上の方々が参列して下さった。
父と一緒に闘った10年・・・父と息子という関係を超えて、私にとって父は戦友になっていた。
父を失った喪失感に苦しみながら、静かに時が流れていく。
父の一周忌が終わった今年4月、長野智子さんをはじめテレビ朝日の番組スタッフの方々から
連絡が入った。父を逮捕して取調べを行なった当時の検事が謝罪をしたいと・・・。
当時の佐賀地検の捜査がいかにずさんであったか、上からの命令で無実の人間を犯人にしようと
していたことも全部お話しして謝罪したいと。
先月4月、いよいよその日が訪れた。
父を取り調べた検事との11年ぶりの再会。あの検事とは二度と会うことはないと思っていたが、
取調べを行なった元検事が佐賀の実家に謝罪に来るとは・・・・。
何から話そうか、言いたいことがありすぎて複雑な心境だった。
玄関のチャイムが鳴った。
元検事が来た・・・。
「ごめんください」
忘れようとしても忘れることができない顔、あの検事だった。
私は元検事に向かって話し始めた。
「私はあなたを本気で殺そうと思っていました・・・父や私達家族の人生を破壊した
あなたへの憎しみと怒りで、どうやってあなたを殺そうかと考えていました」
次回、完結編へと
|

- >
- Yahoo!サービス
- >
- Yahoo!ブログ
- >
- 練習用






テレ朝ですね。きっと見ます。この記事を転載させていただきました。就職なさったのですね。また頑張ってください。大変な道のりでしたね。このような思いをしている人は他にもたくさんいるのでしょうね。あなたはよく頑張りきりましたが、本当に卑劣極まりないことがこの世にあふれていることに、憤りと悲しみを禁じえません。
2011/5/22(日) 午前 8:12 [ aru*o26 ]
お久しぶりです。
テレビ見ています。
長野さんのツィッターで番組を知りました。
できれば、お父様がご存命中に謝罪してほしかったです。
2011/5/22(日) 午後 2:50
途中からになりましたが、先ほどから見てます。
2011/5/22(日) 午後 3:19 [ いまむ ]
はじめまして。
番組拝見いたしました。その後ネット検索→長野さんブログ経由で
こちらにお邪魔いたしました。
お父様そしてご家族の苦悩、そして本日までの歳月は想像を絶っす
るものがあります。
拝見して、私自身の人生観に変化がありました。
それにしても、当時の検事さん達がいまだ残られているという点
には、今後も冤罪が作られるのではという不安が拭えません。
2011/5/22(日) 午後 3:34
ファイトさん。「ザ・スクープ」見ましたよ。検察の組織がやくざ顔負けの犯罪のメッカであることを、しっかり放映に証拠として残した、という意味で良い番組だったと思います。
これだけのことをさせた、鳥越氏や長田さんの力もありますが、ファイトさん、あなたの固い信念と決意が彼らにこの仕事をさせるちからを与えたと思います。
検察は日本の悪の中枢である、これを変えなければ、日本は浮かばれない、国民みんながこのことをしっかり知り、国を変えてゆく運動にしなければなりません。小沢氏のえん罪事件はその象徴です。
2011/5/22(日) 午後 3:36 [ オホーツクの詩季 ]
放送を見ました。まずお父さんのご冥福をお祈り申し上げます。
刑事裁判で自ら証拠を集めて勝つという本当に大変なことを成し遂げ、加えてマスコミを動かし、ご自身で本も書き、インターネットで情報を発信して失われた名誉と生活を取り戻す戦いを続けてこられたその行動の結果を、心から尊敬申し上げます。
完結編を楽しみにしています。
2011/5/22(日) 午後 3:39 [ 産業 ]
今日テレビを見ました。
お父様のご冥福をお祈りいたします。
自分たちの利益の為に簡単に罪をでっち上げるのが法治国家と言えるのかと思います。
それでも冤罪が晴れて良かったと言うしかないですが、失った物は大きいですね。
晩年に国家の力で人生を踏みにじられたお父様の無念さが車椅子の後
姿から伝わって来ました。
購入した本は市立図書館に寄贈して蔵書となっております。
少しでも多くの人があの本を読んでくれるのが私の願いです。
2011/5/22(日) 午後 10:26
ファイトさんのブログの背景が桜満開に・・・・。
この桜がにじんで見えます。
お父様にも見せてあげたかったでしょう。。
2011/5/23(月) 午後 7:03 [ めぐむ ]
ずいぶん長いことブログがお留守になっていて、どうされているのだろうと心配していました。
やっとファイトさんに合ったお仕事が見つかり新しい人生を歩みだされたこと、ほんとうに良かったです。ほっとしました。
ただ、お父様のことが残念で、お気の毒でなりません。幸せになっていただきたかった。せめて、あの検事の謝罪を受けていただきたかった。
「いつか春が」のしめくくり、きっとお父様へのご供養になるでしょう。そして、今後の冤罪事件を防ぐ大きな一石ともなるでしょう。
私も読みたいです。ぜひ書いてください。
2011/7/6(水) 午後 11:41 [ セイラ ]