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今回は本編『第二章』の執筆エピソードについてお話しします。
上の写真が本になる前の原稿です。下の写真が実際に本になった
ページです。
最初は登場人物の会話は「標準語」にしていました(笑)
でも、リアル感がなくて考えた末に全部「佐賀弁」に書き直しました。
佐賀弁で書いて意味が伝わるか心配でしたが、最近は島田洋七氏の
「がばいばあちゃん」で佐賀弁でも伝わるだろうと思い、そのまま
最後まで佐賀弁で通しました。そういえば島田洋七氏の自宅は父の家から
車で五分くらいのところにあります。
【第二章のあらすじ】第二章は二度目の家宅捜索の最中に、父が検察庁に
連れて行かれる場面です。検察庁に連れて行かれた父は突然逮捕され、
私のもとへも第一報が入り家族中がパニック状態になる場面へと続きます。
そしてマスコミ報道が開始されるのです。さらに追い討ちをかけるように
獄中の父に対して農協から辞職を迫られ、父が獄中で辞職願いをしたためる
場面から初めての父への差し入れの様子を描きました。
最初は第二章の見出しを「逮捕」としていました。
第二章は緊迫した場面が続き、書いている私もドキドキしながら
執筆しました。しかし、当日私は熊本県にいて佐賀で起きている場面を
直に目撃してはいなかったので、第二章の途中までは「天の声」目線で
父の様子を描いています。慌てて佐賀に戻ってからは実際に私が
目撃したことを描いていっています。
混乱とショックの連続でした。今回、原稿を執筆するにあたって
父が裸にされて身体検査を受けていたことを知りました。
同じく無罪になった小柳さんの話を聞いてさらに驚いたのが
逮捕されて拘置所に収監される前に行われる裸の身体検査では
裸にして首に番号札を書いた札をぶら下げられて全裸のまま写真も
撮られていたそうです。さすがに父はそのことを家族には話したく
なかったようです。
無実である者が裸にされて全裸写真まで撮られるとは…悔しさと怒りが
こみあげてきたと思います。それをどう表現するか苦労しました。
逮捕の瞬間の精神状態や男泣きしながら獄中で辞職願いを書いていく場面。
父の悔しさが想像を絶するものだったことは分かりますが、感情を
押さえ気味に描こうと苦労しました。実際にペンを握りながら父の気持ちに
なって文字を書いてみたりしました。父が書いた実際の辞職願いのコピーを
目にした時、文字がヒョロヒョロとして流れていたのです。
失意と絶望でまともに文字も書けなかったようです。
さすがにこの場面を書くときは私も涙をこぼしてしまいました。
逮捕当日の眠れない場面は書いているうちに胸が苦しくなりました。
それから電話で父が逮捕されたことを知った瞬間の私の場面…心臓がバクバクして
頭の中が真っ白になったことを今でも憶えています。
この第二章は、とにかく緊張とショックの連続でした。
そして恐怖でした。
第三章へとつづく……
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