『いつか春が』執筆日記

波乱に満ちた人生。夢に向かって挑戦する男のドキュメントストーリー。

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父が逮捕された「佐賀市農協背任事件」の裁判についてですが
著書「いつか春が」で一審判決までを描きました。
本書で描いたのは逮捕から約3年間の裁判の流れや水面下での
出来事です。もちろん本に書いたこと以外にも、もっともっと
いろんな出来事がありました。

最終校正段階で編集者と話し合った末に出した結論。
「これをそのまま全部出してしまうと、あまりにも過酷であり、
ここまで書くと読むほうも目をそらしたくなってしまう。十分
に裁判の苦しさは描かれているので、このあたりは減らそう」
そのような理由で私や父が苦しむ様子をだいぶカットしました。

裁判にかける想いは、それほどまでに壮絶で胸が痛むような
出来事が多かったということです。つまり、そこまでしなけれ
ば父の無実を証明できないほど、私たちの置かれた状況は絶望
的であったということです。

では、「いつか春が」のその後の裁判はどうなったかについて。

一審で3年、無罪判決を受けて、これでやっと裁判が終わると
思ったら、まさかの控訴。再び検察との激しい闘いが始まり
ました。今度は福岡高検を相手に闘わなければならなくなりま
したが、一審で敗訴した佐賀地検も当然応援に加わりました。
総力戦で何としてでも有罪に持ち込もうと、どんどん新たなシ
ナリオが書き加えられて、検察のために嘘の証言をする者も
用意されて実際に法廷で証言するのです。
「えっ、嘘だろう?」と驚きの連続でした。

その結果、2年かかって再び「無実を証明」したのです。
そう、「無実の証明」でした。圧巻だったのは弁護士二名と父
の三人が佐賀地検の証拠保管室に乗り込んで行ったことです。
まさに事件の真実が隠された敵陣の心臓部へと三人だけで乗り
こんで行ったのです。これは殴り込みではないので、もちろん
裁判所に正式に許可をもらって堂々と乗り込んだのです。
私も一緒に連れて行ってほしいとお願いしましたが、残念なが
ら無理でした。

保管室に父の無実を証明する決定的なアリバイ証拠が眠ってい
たのです。検察側は何もコメントを発表しませんでしたが、こ
れこそが自分たちに都合が悪い証拠を法廷に出さずに隠蔽して
いたのです。

ついにアリバイ証拠を見つけた三人は「あった!」「おお、
ここにもあった!」と思わず歓喜の声を上げ「こんなにもハッ
キリとした(被告の無実を証明する)証拠があったにもかかわら
ず・・・」と唇をかみしめながら日野弁護士がつぶやいたそうです。

私は佐賀地検に父の無実を証明する証拠が隠されていることは、
事前の独自調査でつかんでいました。
「間違いなく検察が持っている」
私は確信し、弁護士にもその事実を伝えて協議した結果、被告
である父自身が検察に乗り込むことを裁判所に認めてもらい実
現できたのです。通常弁護士は押収された証拠の確認のために
保管室に入れますが、まさか被告が自分の証拠を探しに検察庁
に乗り込むなど考えられません。

これらの多数の証拠を法廷に提出させたところで、控訴審裁判
は公判の途中でしたが劇的な幕切れとなったのです。こうして
二審も無罪となり、無罪が確定しました。
無罪が確定するまでに約5年の歳月が流れていました。

もし、私たちがその決定的な証拠を見つけきれなかったら・・・
裁判の行方はどうなっていたのでしょう。

検察にとって都合が悪い証拠は法廷に出さなくていい。
これは違法ではなく認められているのです。
これも、刑事裁判の現実です。

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