『いつか春が』執筆日記

波乱に満ちた人生。夢に向かって挑戦する男のドキュメントストーリー。

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師走のとあるハローワーク。
入り口前にはいつものように駐車場待ちの車が並んでいる。
玄関をくぐるとフロアは求職者であふれていた。
ここを訪れるたびに求職者の数が増えているのがわかる。

窓口の順番を待つ人、カウンターで手続きの説明を受ける人、
パソコンで黙々と求人情報を検索する人。誰の表情にも笑顔はない。

私も整理券を手にして自分の順番が回ってくるのを待つ。
以前、労働省の雇用問題の委員として求人企業への雇用に関する
アドバイスをしていた自分が、まさか求職者としてここに並ぶなど
思ってもいなかった。

就職を決意した当初はハローワークに頼らなくとも、就職くらい自分で
決めれられると思っていた。甘かった。現実は予想以上に厳しい。
中高年となった今、一人で就職活動を開始したのは十月。
事務所のパソコンで求人サイトを検索し条件を入力する。
「年齢不問」という言葉を信じ、希望給与額を30万から20万、
15万へと条件を下げていく。それでも面接のチャンスさえめぐってこない。

これならばアルバイトのほうが正社員より稼げる。それなのに多くの
求職者が「正社員」にこだわるのは「生活の安定」を求めるからだ。
派遣やアルバイトに安定はない。派遣切りで象徴されるように不況に
なると真っ先に捨てられてしまう。
職を失う怖さを経験した者にとって「安定=正社員」なのだ。

三十分ほど待って、やっと自分の順番が回ってきた。
ハローワークからは「ここに応募したらどうですか」などの助言はない。
自分で検索した企業を窓口の担当者に「ここは(私の経歴や年齢で)
応募できるのでしょうか」と確認するだけだ。「年齢不問」と書かれていても
実際は「35歳まで」とか「未経験者歓迎」と書かれていても建前だったり
することのほうが多い。

「自分で調べてきました。こことここですが応募は可能でしょうか?」
私が12社の求人企業の資料を担当者に渡すと担当者は番号を打ち込み始める。
12社とは自分で求人企業を1000件ほど検索して、可能性があると思われる
12社だった。
「ここはダメですね。いちおう年齢不問となっていますが実際は
40歳までみたいですね」
私は(またか・・・)とため息をつく。

「次のこの会社は募集は女性のようですね」
「それならば最初から『女性募集』とか『40歳まで』とか書いてくれれば
いいのにですね」
「それが昨年の法改正で、年齢や性別で募集を制限するのは差別だという理由で
正確な記載が出来なくなったのですよ」
(いったい誰が差別だと言い出したのだろう。そのために正確な情報が
分からなくなってしまったじゃないか)

結局、1000件の中から12社を見つけ、その中から応募可能なのは1社であることが
分かった。こうしてハローワーク発行の「紹介状(単なる整理券みたいなもので
何の効果もない)」を1枚だけもらって帰ることになるのだ。
あとは自分で履歴書、経歴書に「紹介状」を添えて郵送しなければならない。
そして後日、書類選考の結果が自分のもとへ届く。
書類選考で落ちた場合は面接などない。

「今までネットや求人誌からも含めて三十数社に応募しましたが全部ダメで面接に
さえこぎつけないのですが、どうすればいいでしょうか?」
「いやあ、今は本当に厳しいのですよ。求職者が10月からどんどん増えていますが
あなたの年齢では正直厳しいですね」
「40代後半の私の年齢で正社員になれるのは、実際はどのくらいの確立ですか」
「私のほうからは何とも言えませんが・・・・かなり厳しいですね」
「例えば私と同年代の求職者が100名いたとしたら、正社員になれるのは10人
くらい?」
「いやあ・・・もっと厳しいですね」
「じゃあ片手で足りるくらいですか?」
 担当者は申し訳なさそうにうなずいた。
これが現実か。

「じゃあ、残りの95人ほどの人たちはどうしているのですか?」
「さあ・・・私どもには分かりません」
(まったく行政はこれだからな。統計くらい取れよ)
「あなたは就職活動を開始してどれくらいですか?」」
「そうですね・・・本格的に開始したのは10月からでしょうかね」
「まだ三ヶ月ですね。あなたの年齢の人たちで10ヶ月や一年と職が決まらなくて
ずっと就職活動を続けている人たちはたくさんおられますよ」
「そんなぁ、どうやって生活していけばいいのですか」
「・・・・」
まったく話にならない。あてになど出来ない。結局、自分で探すしかないのだ。

今年の10月から来年の3月までに失職者の数は85000名というショッキングな
数字が発表されたが、本当はこの数字だけではない。この数字は新たに職を
失うという人達の数字であり、以前から職を探している人達の数字が公表されていない。
つまり以前からの求職人数にプラスして85000名なのだ。
今回の派遣打ち切りの人達には支援策が進められていくが、派遣とは無縁だった「従来
からの求職者」には何の支援もない。

そもそも中高年は派遣での採用も困難なのだ。
中高年・・・まだまだ働ける。しかし、現場では不要となってしまった。
同じ中高年でも女性の場合は男性よりも事務や販売、接客業に雇用の道を見出せるが、
男性ははじき出されてしまう。肉体労働の現場でも中高年は敬遠される。

これが表に出ない中高年の雇用の実態だ。
嘆いても仕方ない。ここでどうするか・・・・自分には何が出来るのか、
自分を見つめなおすしかない。

中高年世代よ、がんばろう!

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