『いつか春が』執筆日記

波乱に満ちた人生。夢に向かって挑戦する男のドキュメントストーリー。

知らなかった司法・冤罪の現実

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今は不定期の更新しかしていないのに、いつも訪問して下さる
みなさん・・・本当にありがとうございます。なかなか返事も
書けなくて申し訳ありません。でもちゃんと読んでいますよ。
あたたかい励ましに感謝しています。
頑張っていますが、落ち着いたらまたいろんなことを書きます。
今はペンが湿っています。


さて、私の著書の中で接見(面会)や独房の様子を描いていますが、
年に一度だけ刑務所の中の様子が一般に公開されます。
先日、父が勾留されていた佐賀少年刑務所の見学会に行って
きました。

普段は敷地内での撮影も禁止されていますが、「撮影していい
ですか?」と職員に尋ねると「禁止という規則はないからいい
んじゃないですか」との返事。この日だけは特別なようでした。
塀の中は撮影は禁止です。コンクリートの塀の中へは予め見学
希望の手続きをすませて、カメラなどの私物はロッカーに預けて
40人づつくらいがゾロゾロと一列になって中へ入っていきました。
列の前と後ろには職員がつき、各作業場で説明がなされて次へ
次へと歩いていく約30分の見学ツアーでした。

清潔で広々とした作業場。運動場も少し見えましたが、とにかく
広い、広い。まるで工業団地の中を見学しているような感じでし
た。高い塀の内側の上部には針金みたいな線が張り巡らされており
センサーだそうです。普段は静かな佐賀少年刑務所で、少年という
名称がついていますが、実際は三十代までが3割。あとの七割は
四十代から七十歳くらいまでの受刑者および未決囚(拘置所に勾留
されている容疑者や被告)。未成年者は2〜3名。

七十歳を超えていた父は、ここではやはり最高齢だったようです。
そんな父を敷地内のどこかにある取調室で、あの検事は拷問的な
取調べ行ったのだ・・・ここの静けさから察すると、検事の怒声や
机を叩きつける音は、かなり周囲にも響き渡っていたはずです。
職員や受刑者の耳にも聞こえていたはずだろうなと思いながら
塀の中を歩いていました。

拘置所は同じ敷地内にありますが、さらに別のコンクリートの塀で
仕切られているようで、どこにあるのかさえ分かりませんでした。
受刑者用の作業場を案内してもらいましたが、ここでは木工製品や
墓石などが生産されていました。きれいに整頓された作業場は、
工場そのもの。もちろんこの日は誰も居ないガランとした光景
でしたが、平日は各作業場で七百人以上の人たちが働いているそう
です。刑務所はどこも収容人員をオーバーしており、ここも昨年は
120%だったけれど、今は改善されて110%だそうです。

写真の説明をします。
最初の写真は接見の順番を待つ「待合室」。ここで自分の番号が
呼ばれるのを静かに待ちます。なんともいえない空気が漂っています。
番号が呼ばれたら金属探知機を通って接見場へと向かうのです。
携帯電話や貴金属は待合室にはロッカーに預けてですね。

接見場となる建物に向かう途中に「差入窓口」があります。
ここの小さな窓越しに差入れの衣類や本などを差入れするのです。
窓に張られた規則には、紐のついた衣類やベルトは禁止と書かれて
います。自殺防止のためです。

実際の独房を再現したモデルルーム?が公開されていました。
畳部分は二畳半。あと一畳分くらいのスペースにトイレや洗面台が
設置されており、やはりかなり狭いですね。ここでは二段ベッドが
設置されていましたが、受刑者の場合は今はすし詰め状態で、この
狭い空間で二人で生活するそうです。拘置所の場合は一人です。
受刑者の場合はテレビが見れるのでテレビ台がついています。
テレビは服役態度の評価などによって見る時間や曜日が決められ、
なにか問題をおかしたらテレビは禁止となるそうです。
気が合わない者同士が三畳の独房で一緒に生活すると、ストレスが
たまって大変なようです。

拘置所の独房にはテレビがありません。誰とも
会話をしないまま一日中この狭い空間に勾留されるのです。
正座か胡坐の姿勢で朝から夜の六時ま小さな机の前に座って、
じっとしていなければならないそうです。するとだんだん
精神的にまいってきて精神状態がおかしくなり、ひどくなると
自殺を考えたりするわけです。
家族とも会えない、誰とも会話もできない状態で一日中壁に
向かって座っている・・・気が狂いそうになほど孤独と不安になり、
精神的におかしくなってしまうそうです。取調室でも精神的に
追いつめられ、独房でも精神的に追いつめられる。
だから、苦しさのあまり、やってもいない罪を自白させられて
しまう・・・。父もこんな狭い独房で苦しい拘留生活を強いられて
いたのかと思うと、モデルルームを見て悲しくなりました。

食事は一日2400キロカロリー。意外と見栄えがいい食事で驚きま
した。すべて受刑者の人たちが朝の五時半から800人以上の食事を
作るそうです。麦三割、コメ七割・・・これが俗に言う「くさいメシ」。
起床は朝の六時半。食事は七時から10分くらいで食べなければ
ならなくて朝はバタバタと忙しいそうです。

拘置所での生活は本ではこのように描いています。
  ↓
連載3話★涙の再会…「接見室」
    http://blogs.yahoo.co.jp/rainrain1192/12467918.html
 
連載6話★「15分間の幸福」…父への手紙
    http://blogs.yahoo.co.jp/rainrain1192/12660178.html

連載8話★「さっ、家に帰ろう」…保釈の瞬間
    http://blogs.yahoo.co.jp/rainrain1192/12792958.html



説明をしてくださった職員のかたに「テレビや本で見ましたが、
佐賀市農協背任事件のあの取調べはここで行われたのですよね」と
尋ねてみました。職員は驚いたような困惑したような表情で
「さあ、私は何も知りません・・・」と一言。
「聞いたことないのですか」
「さあ・・・」
父はここの刑務官には良くしてもらったと言っていました。
刑務官たちの礼儀正しい対応が嬉しかったと。

私は父が逮捕されて勾留されて、どのような生活を強いられていたのか
ずっと気になっていました。初めて見た独房の様子・・・なぜこんな独房に
勾留されなければならなかったのか。無実なのにこの敷地内のどこかで
すっ裸にされて写真を撮られて、取調室では検事に殺されると思うくらいの
拷問的な取調べを受けて心身ともにボロボロにされた。
それでも必死に闘って無実を証明したけれど誰からも謝罪もないし、
あとは知らんぷり。

いったい何だったのだろう・・・。

複雑な心境で佐賀少年刑務所を後にしました。

今の私にできること 

◎◎◎◎◎◎◎◎◎◎◎◎◎◎◎◎◎◎◎◎◎◎◎◎◎◎◎◎◎◎◎◎

冤罪はどのようにして作られるのか。司法の正義とは何か。
一人でも多くの方々に本を読んでいただき、何かを感じてもらえれば幸いです。
「いつか春が」ダイジェスト版 総集編↓↓
http://blogs.yahoo.co.jp/rainrain1192/15336915.html

◎◎◎◎◎◎◎◎◎◎◎◎◎◎◎◎◎◎◎◎◎◎◎◎◎◎◎◎◎◎◎◎


昨日はダウンしました。自分では体力には自信があるつもりでした。
どうしても間に合わせなければならない書類があったので、ほとんど
眠らない状態で無理して仕上げたのですが、終わったとたんに緊張の糸が
切れてしまったようです。
だいぶ楽になりましたが、まだ微熱があります。
じっとしているだけで、額、脇の下、背中に汗がにじんできます。

私は布団に横になりながら、昨日の夕方の会話を思い出していました。

テレビ局の報道担当の記者からの電話。
「今回、取調べの可視化についての番組を作りたいと思っています」
「・・・そうですか。それで?」
「それでですね、副島さんが本を出したことを知り、ブログも拝見させて
いただきました」
「それはどうも・・・」
「それでですね、ぜひ副島さんと直接お会いしてお話をお聞きしたいと
思っているのですが・・・いかがでしょうか」
「いいですよ。私にできることがあればご協力します」

ここまでは今までと変わらないいつもの記者との会話でした。

「ところで副島さんは、これからどんな活動をめざしておられるのですか?」

これからどんな活動を・・・この言葉がずっと気になった。
今の私に何が出来るのか?父の裁判が終わり、やっとこれから自分の人生を
歩むための時間ができたと思っていたが、現実という厳しい壁にぶち当たっている。
そんな今の私に何ができるのか?

父の無実を証明するために、夜の工事現場で働き、その後も裁判を優先しようと
フリーの身となって下請けの報告書や資料作成などのアルバイトで食いつないできた。
やっと裁判が終わって、これからはまっとうな仕事に戻ろうとしたが、既に私も
五十の一歩手前という年齢になっていた。無実を証明するために時間がかかりすぎて
しまい、四十代という貴重な時期を遠回りしすぎてしまった。

表舞台から姿を消していた八年余りのブランクは大きい。
まちづくりという特殊な世界の専門家として頑張ってきた私には、いまさら
戻れる場所などなく、どこかの行政から声がかかるわけもない。
カンも鈍っているだろうし、以前のように人前で講演などもできない。

そんな中途半端な状況の中で空白の時間を埋めようともがいている自分。
人生という名のレールを一度外れた人間が、再び元のレールに戻ろうとしても
厳しい現実。冤罪事件としての法廷での闘いは終わったが、今度は自分の
人生を取り戻すという現実との闘いは今なお続いている。
冤罪事件の悲劇は、最初に犯人視されて仕事や人間関係にも影響が出ることだ。
今まで築きあげてきた信用など、一夜にしてあっという間に壊れてしまう。

無罪になっても事件の真相は公表されないまま謝罪もない。
無実を証明するための裁判費用も自己負担。事件によって失った経済的損失も
何の保障もないし、名誉回復のためのフォローも何もない。

これが冤罪事件のその後の顛末です。
無罪だったからハッピーエンドではないのです。マスコミも無罪という事実のみを
伝えますが、その後について語ることはほとんどありません。
元被告とされた本人や家族の、裁判が終わった後の人生を取り戻そうとする闘い・・・。
たぶん誰も知らない静かな闘いです。

だから私は冤罪事件の実態を世間に伝えようと本を書いたのです。
もう一度元の生活に戻ってみせる・・・私の闘いは今なお続いているのですが、
冤罪という悲劇が繰り返されないために、何の力もない今の私に何ができるか?

「これからどんな活動をされるのですか?」
記者の問いかけに明確に答えきれない自分が悔しくもあり、改めてこれから
どうするのかを自分なりに考えていました。
父の冤罪事件は無実を証明できて裁判は終わったから、ほかの事件など知らない・・・。
それはできません。自分たちの闘いが終わったから、もう忘れようでは
今まで闘ってきたことは無駄になるような気がします。
自分が経験した苦しみと同じように、今も苦しんでいる人たちがいると思うと
胸が熱くなります。
私にできることは、自らが関わった冤罪事件や裁判の苦しみを世間にきちんと
伝えること。そう思います。

今年の11月、福岡市で「冤罪シンポジウム」を開催しようと準備を進めています。
出版社のYさんと私で。もちろんスポンサーもないし、すべて手弁当での開催です。
誰か手伝ってくださる方がいらっしゃれば大歓迎です。
ブログで冤罪の実態を伝えるだけでなく、冤罪を経験した者として生の言葉で冤罪や
取調べの可視化について語ろうと思っています。
今の私にできることです。

裁判だけでなく、人生にもきっと「いつか春が」訪れると信じていますよ。
そのためにも一人でも多くの人たちに冤罪の実態を知っていただきたいです。
真実を知ることからきっと何かが変わっていくと思います。
今の心境は?・・・そうですね、ボブ・ディランの♪「時代は変わる」でも聴きましょうかね(笑)
あきらめたらすべてがおしまいですよね。

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ボランティア・スタッフ募集・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

■「冤罪シンポジウム」(仮称)を支えて下さるスタッフを募集します。

福岡市内で11月15日(土)を予定しています。当日、会場での受付や司会、
告知のお手伝いなどを手伝ってくださる方を募集しています。
年齢や性別は問いませんが、事前に打ち合わせもありますので、できれば
大学生以上を希望します。もちろん当日だけのお手伝いも大歓迎です。
もしご関心がある方は、このブログにまずは鍵つきのコメントでご連絡下さい。

裁判官の本音

裁判官は「裁判員制度」を本当はどう考えているのだろうか。
新聞などでは決して語ることがない裁判官の本音とは・・・。

2006年5月、テレビ朝日「ザ・スクープ」が判事(裁判官)に「裁判員制度」に
関するアンケートを行ったのをご存知でしょうか。
http://www.tv-asahi.co.jp/scoop/
2006■5月15日更新 【裁判員制度導入と取り調べの可視化アンケート】

当時はまだ「裁判員制度」に対して国民の理解や関心は低かった頃だと思います。
裁判官の目から見た本音の意見。これは貴重だと思いましたのでご紹介します。

冤罪の苦しみを経験した者として、何ができるか考えています。
これが取り調べの実態です。↓だから取調べの可視化を私は訴えます。
http://blogs.yahoo.co.jp/rainrain1192/13088344.html

↓↓↓↓ここからです。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
【裁判員制度導入と取り調べの可視化アンケート】


裁判員制度導入と取り調べの可視化アンケート

日本裁判官ネットワーク http://www.j-j-n.com/
の協力で10人の現役裁判官から回答をいただきました

Q 裁判員制度が導入されることによって、
誤審やえん罪は減少すると思いますか?


1 減少すると思う         1人
2 運用次第で増加する危惧もある  6人
3 増加すると思う         2人
4 わからない           1人

(広島高裁岡山支部判事)1
現在の裁判で九割以上を占める自白事件で信用できる供述調書を
毎日精読している裁判官は,どうしても自白調書や捜査官の作成
した文書に引きずられがちである。素人裁判官の新鮮な目が必要
である。

(神戸家裁判事)2
密室(捜査段階)での自白が現在と同じように可視化しないで証
拠として採用されるなら,裁判員は職業裁判官以上にこれを信用
しがちである。そうした自白には虚偽自白が混じっている可能性
があるにもかかわらず。

(広島高裁判事)2
精密司法による緻密な事実認定によって事実誤認の防止が担保さ
れていた面もなくなり、短期間に印象的事実認定をすることで、
証言相互・証拠相互の関係が吟味されないまま、真実から離れた
判断がされてしまう懸念が強い。

(佐賀家裁判事)2
可視化されないまま裁判員制度が導入されると、えん罪が増加す
る恐れがある。
裁判員の負担軽減を理由に、検察・裁判所主導で拙速となる恐れ
があり、被告人にとってはけっして利益にならない。

(東北地方の家裁判事)2
裁判官と裁判員の取り組みにかかってくる。
(少年部の判事)3
素人が参加し人民裁判となる。
(匿名の判事)3
誤審等防止のためのものではない。捜査にメスが入っていない。
(大阪高裁判事)4
難しい質問です。今のところ分からないと答えました。誤審・え
ん罪の定義にも関係しますが、「疑わしきは罰せず」の原則が正
しく理解される(あるいはより厳格に適用される)結果、無辜を
罰する意味のえん罪が減少することを期待しています。
一方、本来有罪とすべき者を「無罪」にしてしまうのを「誤審」
というかどうかですが、この場合は、被告人が真犯人かどうかは
神のみしか分からないと考えれば、検察官の有罪立証が成功しな
かったということで割り切らざるをえないと思います。

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

Q 裁判員制度の導入にあたって、
取り調べを可視化すべきだと思いますか?


1 可視化すべき          9人
2 一部、可視化すべき       1人
3 可視化すべきでない       0人

(神戸家裁判事)1
自白は,大変有用な証拠であるとともに(動機解明を含め一気に
事案解決),事案によっては危険な証拠でもある(虚偽自白が紛
れ込む危険がある)。
職業裁判官は,曲がりなりにも,長い経験の下で,虚偽自白を見
つけだす訓練をしてきている(もちろん,それでも見逃すことは
あるが)。
裁判員が,そうした訓練をしないままに,密室の自白と向き合え
ば,どうしても,虚偽自白かもしれないとの警戒を持たぬまま,
これを信用してしまい、結論として、虚偽自白がまかり通る危険
がある。

(広島高裁判事)1
調書の任意性や特信状況がが争点となってしまうと、そのための
証拠調べに膨大な時間を費やさざるを得ず、裁判員の時間的拘束
の限界を超えてしまう。

(佐賀家裁判事)1
可視化しえない取り調べは、それ自体、本来刑事訴訟法の予定し
ている取り調べとは言えない。
(関西地方の高裁判事)1
取調べの可視化は裁判員制度の下だけではなく現制度の下でも実
施すべきと考えますが、それは密室での取調べが冤罪の温床と考
えられるからです。
裁判員制度の下で可視化がより要請されるのは、捜査段階の供述
の任意性・特信性が強く争われれば、裁判の長期化・判断の困難
さが避けられなくなると思われるからです。

(広島高裁岡山支部判事)1
供述調書の任意性,信用性の判断は、密室の取調であるだけに、
紛糾、長期化するうえ,灰色の心証しか得られないことも多い。
ある意味で無駄ともいえる、そのような争いを無くするために可
視化が必要である。

(大阪高裁判事)1
可視化されないと、まだまだ問題があるとされる取調が改善され
ないし、また本来実体形成に関係しない取調状況を争点とさせて
はいけないからである。さらに取調状況が可視化されないと、従
前同様、証拠能力を巡る争いが裁判員のいないところでなされる
ことになる。可視化されないことを是認すると、裁判所としては
任意性に多少疑義が残る自白調書であっても従前実務の傾向から
して全面却下しにくいから、公判審理で、自白の信用性、ひいて
は取調状況について証拠調べが必要となってきて、これは裁判員
にとって大きな負担となるであろう。

(中国地方の判事)1
密室での取調べで得られた自白の任意性や信用性、証言の特信性
などの判断は、事件によっては現在の裁判官裁判でも非常に困難
なので、裁判員裁判に関係なく取調べの可視化が望ましい。
可視化は裁判員裁判の前提として必要であろうし、裁判員裁判・
取調べの可視化の前提として訴訟法の改正も必要であろう。

(少年部の判事)1
可視化すべきでない理由が分からない。裁判員制度を導入するに
あたって、なぜ可視化か?両者は関係なし。誤審を避けるために、
裁判員制度と関係なく可視化は進めるべきである。裁判員制度の
ための可視化という命題は、(1)従来の密室捜査が間違っていたこ
とを認め、(2)これからの裁判員制度が誤審を生むことを自ら認め
ていることになる。

(匿名の判事)1
取り調べを巡っての争いが続き、裁判員制度の定着に支障をきた
す。

(東北地方の家裁判事)2
否認があった時点からは可視化すべきである

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
Q 今現在、取り調べが密室化しているため、犯行を否認する被
疑者などに対して、違法な取り調べが行われていると思いますか?


1 日常的に行われていると思う    4人
2 若干、行われていると思う     6人
3 ほとんどないと思う        0人

(神戸家裁判事)1
さすがに殴る蹴るといった拷問的取調はないであろうが、大声で威
嚇する、「家族を逮捕する」「いつまでも釈放されない」「重い刑
罰にしてやる」といった威嚇的取調べ、机を叩く、椅子を蹴る、壁
に向かって立たせる,床に座らせる等の粗暴な取調べなどが,現在
でも続いていることは,法廷での被告人らの供述から窺える。
もっとも、そうした取調べに基づく「自白」がすべて虚偽自白では
ない。
むしろ,虚偽自白はごくわずかで,真実である場合がほとんどであ
る。
ここに自白を巡る証拠採否の難しさがある。

(佐賀家裁判事)1
本当は行われているかどうかは判らないが、それを明らかにする意
味でも可視化が必要である。現状では疑惑のみがふくらむ。

(少年部の判事)1
誘導に乗りやすい少年事件ではえん罪が多い。相当強引な取り調べ
が行われていると推測される。

(広島高裁判事)2
密室のため確認はできないが、調書を読んで「かなり強硬な取り調
べが行われた」と感じることがある。

(広島高裁岡山支部判事)2
とりわけ重大注目事件で捜査が行き詰まったような場合に危険が高
い。

(大阪高裁判事)2
強引な取調べ、無理な取調べ、さらには過酷な取調べにあったと訴
えてくる被告人が少なくないが、これらすべてが虚偽だとはとても
思えないし、現に違法取調ということで、証拠能力が否定されるケ
ースも存在する。

(東北地方の家裁判事)2
違法か微妙な点もあるが、それに近い状態に至りつつ行われている
ように思う。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
Q 取り調べの可視化が実現した場合、
刑事裁判の手続きも変わっていくべきだと思いますか?


1 従来通り、調書中心の証拠調べを行うべき  1人
2 直接主義、口頭主義に移行していくべき   9人

(佐賀家裁判事)1
ただし、可視化が完全に実施され、弁護人がテープを十分に検討で
きる時間的余裕が与えられた場合に限る。

(神戸家裁判事)2
調書中心の裁判は,裁判員に調書内容の検討という困難は努力を強
いることになる。裁判の長期化がもたらされ,裁判員の負担に耐え
られないであろう。

(中国地方の判事)2
可視化によって自白が得にくくなるであろうから、現在のような調
書中心では行えないと思う。

(東北地方の家裁判事)2
可視化が進めば取り調べの違法、自白の任意性・信用性の争点が少
なくなり、より争点が明確になって、証拠関係も直接・口頭主義を
実践しやすくなると思われる。

(関西地方の高裁判事)2
どの事件でもいつも感じますが、自分で証人尋問をした場合でも、
直接証言を耳で聴いて抱いた心証と調書に記載された証言を読んだ
ときの心証とでは相当に差異があります。やはり裁判は直接・口頭
で述べられたことから心証を採るのが本来だと思います。 調書に記
載された証言を仔細に検討して矛盾点を明らかにしていくことも冤
罪防止に効果的な場合もありますが、それは日本的に変容された刑
事裁判の姿のように思われます。裁判員制度の下では、より一層、
直接耳で聴いた心証で判断すべきだと考えますから、直接主義・口
頭主義に移行すべきです。

(広島高裁岡山支部判事)2
取り調べの実態をめぐる無駄な時間が減り、争点に集中した審理が
できるので証人調べ中心の審理が可能となる。

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
父が逮捕された「佐賀市農協背任事件」の裁判についてですが
著書「いつか春が」で一審判決までを描きました。
本書で描いたのは逮捕から約3年間の裁判の流れや水面下での
出来事です。もちろん本に書いたこと以外にも、もっともっと
いろんな出来事がありました。

最終校正段階で編集者と話し合った末に出した結論。
「これをそのまま全部出してしまうと、あまりにも過酷であり、
ここまで書くと読むほうも目をそらしたくなってしまう。十分
に裁判の苦しさは描かれているので、このあたりは減らそう」
そのような理由で私や父が苦しむ様子をだいぶカットしました。

裁判にかける想いは、それほどまでに壮絶で胸が痛むような
出来事が多かったということです。つまり、そこまでしなけれ
ば父の無実を証明できないほど、私たちの置かれた状況は絶望
的であったということです。

では、「いつか春が」のその後の裁判はどうなったかについて。

一審で3年、無罪判決を受けて、これでやっと裁判が終わると
思ったら、まさかの控訴。再び検察との激しい闘いが始まり
ました。今度は福岡高検を相手に闘わなければならなくなりま
したが、一審で敗訴した佐賀地検も当然応援に加わりました。
総力戦で何としてでも有罪に持ち込もうと、どんどん新たなシ
ナリオが書き加えられて、検察のために嘘の証言をする者も
用意されて実際に法廷で証言するのです。
「えっ、嘘だろう?」と驚きの連続でした。

その結果、2年かかって再び「無実を証明」したのです。
そう、「無実の証明」でした。圧巻だったのは弁護士二名と父
の三人が佐賀地検の証拠保管室に乗り込んで行ったことです。
まさに事件の真実が隠された敵陣の心臓部へと三人だけで乗り
こんで行ったのです。これは殴り込みではないので、もちろん
裁判所に正式に許可をもらって堂々と乗り込んだのです。
私も一緒に連れて行ってほしいとお願いしましたが、残念なが
ら無理でした。

保管室に父の無実を証明する決定的なアリバイ証拠が眠ってい
たのです。検察側は何もコメントを発表しませんでしたが、こ
れこそが自分たちに都合が悪い証拠を法廷に出さずに隠蔽して
いたのです。

ついにアリバイ証拠を見つけた三人は「あった!」「おお、
ここにもあった!」と思わず歓喜の声を上げ「こんなにもハッ
キリとした(被告の無実を証明する)証拠があったにもかかわら
ず・・・」と唇をかみしめながら日野弁護士がつぶやいたそうです。

私は佐賀地検に父の無実を証明する証拠が隠されていることは、
事前の独自調査でつかんでいました。
「間違いなく検察が持っている」
私は確信し、弁護士にもその事実を伝えて協議した結果、被告
である父自身が検察に乗り込むことを裁判所に認めてもらい実
現できたのです。通常弁護士は押収された証拠の確認のために
保管室に入れますが、まさか被告が自分の証拠を探しに検察庁
に乗り込むなど考えられません。

これらの多数の証拠を法廷に提出させたところで、控訴審裁判
は公判の途中でしたが劇的な幕切れとなったのです。こうして
二審も無罪となり、無罪が確定しました。
無罪が確定するまでに約5年の歳月が流れていました。

もし、私たちがその決定的な証拠を見つけきれなかったら・・・
裁判の行方はどうなっていたのでしょう。

検察にとって都合が悪い証拠は法廷に出さなくていい。
これは違法ではなく認められているのです。
これも、刑事裁判の現実です。

私はこの七年間の間に5件の裁判に携わりました。
刑事裁判が3件、民事裁判が2件。
3件の裁判が同時進行で進むこともありました。
父の冤罪事件の裁判だけでなく、知人の事故の刑事裁判にも
自ら協力させてほしいと申し出たのです。どうしても釈然とし
ない部分があり、自分で事故現場を調査してみました。

その結果、私の嫌な予感は的中し、事実と異なる内容が調書に
作られていることを発見したのです。「やっぱり・・・またか」
なぜこれほどまでに、事実と異なる調書が作られてしまうのか。

それは現在の刑事裁判の制度そのものに問題があるからではな
いでしょうか。実際に刑事裁判に関わってみて初めて分かった
ことがたくさんあります。昨日、ご紹介した雑誌「冤罪 File」
に現在の裁判について、わかりやすい説明がありましたので、
ご紹介させていただきます。

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

  「冤罪 File」発刊にあたって−
   『ジャスティス』  長井ひろし

         〜 前 略 〜

日本の裁判には正義(ジャスティス)があるのでしょうか?
我が国は先進国の中でも異常なほど長い拘留期間と代用監獄が
国連の人権委員会でも問題になっていますが、もしまったく無
実の人間が間違って逮捕・拘留されたとしたら、その被疑者は
密室の中で隣に弁護士も呼べずに何日も何日も朝から晩まで数
時間にわたって取調べを受ける。

被疑者はたったひとり、相手の捜査員は何人も入れ替わり立ち
替わりやってきて、脅す、威嚇する。また警察官の作文どおり
に容疑を認めなければ、鹿児島志布志事件の如くいつまでも拘
留されるので、これで10人中9人は、やってもいない容疑事
実をまず認めてしまいます。そして一度間違った供述をしてし
まったら、裁判でそれが覆ることはほとんどありません。

加えて日本の裁判では、検察側は自分たちに都合の良い証拠し
か出さなくてもよいことになっています。
これは多くの人々があまり知らないことですが、極端を言えば、
被疑者に「有罪となり得ない確たる証拠」があったとしても、
それを黙殺し法廷に出さなくて良いことになっているのです。
弁護側は、もちろん検察が何の証拠を隠しているかなど皆目検
討もつかないので、その証拠自体を争うことはできません。

つまり弁護側は検察側の提示したカードでしか勝負できないこ
とになっているのです。そして、万が一にも弁護側が被疑者の
「有罪となり得ない確たる証拠」をみつけ、裁判官を通してそ
の開示を求めても、検察側は「不見当」、つまり見当たらない
のひとことで一蹴し、裁判官はそのまま不利な裁判を続行する
のです。

また、捜査当局や検察側は多くの人員を動員し、科学捜査など
のあらゆる手法を駆使して被疑者の有罪を無理矢理にもつくり
上げようとします。この捜査員の人件費も科学捜査の調査や依
頼も、もちろん国民の税金が使われることになります。

          〜 中 略 〜

ここで問題なのは、「人員」と「お金」の問題です。検察側は
多くの「人員」と「税金」を使っていくらでも鑑定を依頼でき
る。弁護側は通常弁護士ひとり、多くて数人、そして検察側が
提出してきた鑑定結果を覆す鑑定を新たに研究機関その他に依
頼するとすれば、それこそ膨大な費用がかかる。
まずもって証拠物の鑑定にしても、捜査当局や検察側がその証
拠を握っていて開示しない場合もあるので弁護側は鑑定のしよ
うがない。たとえ弁護側が鑑定しようとしても、その費用はも
ちろん国は出してくれません。

交通鑑定だって、私有地の道路を借り車数台を用意し、その他
諸々の鑑定を行うとすればそれこそ何百万円もかかる。当然、
その「お金」は被告が自ら捻出しなければなりません。

裁判に実際に携わったことの無い人は、おおかた「裁判とは公正
なもので、真実を明らかにしてくれるところだろう」と何はなし
に考えていることでしょう。
しかし、裁判をサッカー試合にたとえてみて、あなたが試合会場
にたまたま見学に行ってみたとします。
すると、その試合がいかに「いかさま試合」かということがよく
わかるでしょう。

検察側は総勢11名、これは何度もサッカーの試合を経験してきた
いわゆるプロフェッショナル集団。対する弁護側チームは足かせ
をされて動きもままならない、生まれてはじめてサッカーの試合
に引きずり出された被疑者ひとりと弁護士のゴールキーパーのふ
たりだけ。検察側チームはどんどんシュートを撃ってくるので弁
護士キーパーは右に左にひとりでシュートをかわさなければなら
ない。

被疑者は当然足かせをされているし、自分で外に出て無実を証明
することもできないので、パスも出来なければシュートも出来な
い。もう勝敗は決まったも同然です。
が、この試合には尚も一番恐ろしい事実が隠されています。仮に
も被疑者が、本当に、奇跡的に、シュートを決めたとします。
つまり明らかに無実であるという証拠証言が裁判官の前に提出さ
れたとする。見学席にいた聴衆は大喝采! すると・・・審判(裁
判官)がピーッと笛を吹き、オフサイドの旗をあげる。
今のシュートは無効だと言う。

実際、弁護側が多額の費用と手間をかけて提出した、いわゆる「
被告の有罪を覆すに足る決定的な証拠」をいとも簡単に無視され
ることが非常に多いのです。

一度でもこのサッカー試合を見に行った人ならば、その多くの人が
こう叫ぶに違いありません。「まさか!フェアじゃない!」と。

これが日本の裁判の実態です。

私はすべての被疑者が冤罪だとは思わないし、警察官、検察官の
すべてが何の罪も無い人を罪人にしたてあげるとも思いません。
しかし、多くのいかさま審判が幅を利かせるアンフェアなコートで
(法廷)で冤罪を生み出していることだけは確かです。
            

         「冤罪 file」No.03 2008.9月号(季刊)より

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

私が経験した刑事裁判は、まさにそのとおりでした。
こちらの弁護側チームは足かせをされた年老いた父と母。日野弁護士が
ゴールキーパーで、山口弁護士に私が加わった総勢5名のチーム。
ガランとしたスタンドで兄や弟、家族がスタンドで声援をおくり、検察側
のスタンドは野次馬まで加わった大応援団で埋め尽くされ、ブラスバンド
まで揃えている。孤立無援・・・最初はそんな試合が続いていました。
泣きたくなるどころか、次々にシュートが撃たれ怖くて夜も眠れないほど
でした。でも、気持ちだけは「絶対に負けない!あきらめない!」と、
徹底抗戦していました。

私は人前から姿を消して、密かに動き出しましたが、誰も私の行動に
気づかなかったのも助かりました。
証拠や証人探しを妨害されないように、人の目を気にしながら隠れて
こっそりと血眼になって探し回った日々が今でも鮮明に思い出されます。

無実の証拠や証人探しは、被告自らまたは家族で行うしかないのです。
検察が押収した膨大な証拠の中に、どんな真実が隠されているのか・・・
まさに雲をつかむような思いで、本当に必死でした。寝ても覚めても推理
を働かせて事件を分析する。

父の裁判は、いい判官に当たったのか、それとも無視できないだけの決定
的な証拠を法廷に提出できたから無罪を勝ち取ることが出来たのか。
さて、どちらでしょうか。

これが、本当の刑事裁判です。










 

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