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自然農法は無農薬・無肥料栽培を目指す農法です。
農業試験場やJAが取り組んでいる農業、農作物栽培法は作物が必要とする栄養を化学でとらえた、「化学的農法」と言うことが出来ます。作物が必要とするN(窒素)リン(P)、カリ(K)、等の無機物をいかにして供給してやるかを考えた農業です。堆肥や家畜の糞尿等の有機物を発酵させて無機物に分解させて作物に供給させる有機栽培も「化学的に作物を育てようとする考え」に変わりはありません。
それでは自然農法とはどのような農法でしょうか、福岡正信や川口由一氏を元祖とした、自然農法に取り組む人達や指導者の多くは、「土地本来の力に頼る農法」とか宗教じみた考えから抜け出していないのが実情で、論理的に説得力のある技術体系として確立されてはいません。宗教で作物を栽培する考え方に私は反対です。
私が取り組んでいる自然野菜の栽培法、自然農法を科学的に一口で説明すれば「微生物農法」です。
自然界に棲息する様々な微生物は、それぞれに適した環境を与えれば、どんどん増殖します。
微生物は餌として主には有機物を食べて分解しますが、空気中の窒素を蛋白源として利用する微生物も無数に存在していることが明らかになってきました。
微生物に適した環境は微生物によって様々ですが、作物の生育に有効に働いてくれる有用微生物の多くは空気と水が潤沢に供給され、太陽の紫外線を遮る陰の下で、蛋白質や繊維質の含量の少ない有機物を好んで食べます。柔らかい草や野菜クズ、米ぬか等を、有用な微生物は喜んで食べます。こうした微生物がどんどん増殖するためには新鮮な空気と水も不可欠です。適温の下で空気と水が与えられればどんどん増えてくれる微生物も沢山います。微生物の寿命は短いために、どんどん増えた微生物はどんどん死に、微生物死体(菌体)は生きている微生物により分解されて、作物の栄養になります。
無肥料で作物が育つというのは、手品ではなく、微生物の菌体が作物の肥料になるからです。
肉や魚の腐敗したもの、家畜の糞尿などの蛋白質や窒素含量の高い有機物があると有用な微生物は死滅しやすいので、微生物農法にとって有機堆肥は化学肥料と共に有害です。
「微生物農法」による野菜の栽培はいかにして多くの有用な微生物が棲息できる環境を作るかにかかっています。微生物に適した環境作りが微生物農法の全てです。
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