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さーてさて、久し振りの落語の徒然となるわけですが・・・。
30回目とキリも良いのでここら辺でまた『艶笑噺』を復活させましょうかね!
18歳未満の方は出来たらご退場願いたく思います。またこういう話が苦手な方もご退場ください。あくまで落語ですからそう気にしなくても良いかなとは思いますが・・・。
一席を全文掲載しますので二つに分けます。ご了承ください。
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〜紀州飛脚〜
●えぇ〜、こんにちわ
■まぁこっち入り、急な用事ができて呼びにやったんやが
●そぉだんねん、わて家でボ〜ッとしてましたらな「急ぎの用事やさかい早よ来い」いぅんで飛んで来ましてん。急ぎの用事っちゅうたら何でおまんねん?
■急に呼び立ててなんやが、和歌山まで行ってもらわんならん用事がでけてな。
●和歌山まで、何しに行きまんねん?
■ちょっと届けてもらわんならん手紙がでけたんで用意したぁる。あんた、この町内で足の早いのが自慢やと聞いてるんでな、急ぎの手紙届けてもらお思てな。
●さよか、ほなこれから家帰りまして支度をして早速に出かけますわ。
■いやいや、それでは具合悪い。急ぎに急いでる仕事や、呼び立てといてえらい悪いが、今からすぐに出かけて欲しいと思うのやが……
●あ、さよか、今からすぐにでおますか。わたしゃかまやしまへんけど……手紙こっちお預かりさしてもろて。ほな、これから早速に出かけさしてもらいまっさかい。
■待ち待ち、紀州和歌山まで歩いていくのやないで、急いでんねんさかい走って行ってもらいたいで。
●へぇ、わかってまんがな。わたい走ることにかけては覚えがおますよって、自信がありますわい。わたい、この町内で走りにかけては「韋駄天」とあだ名をとってまんねんやさかい、絶対大丈夫。
■絶対大丈夫はえぇけど、走るなら走るで走るらしぃ恰好してくれな困るがな。着物がゾロゾロしてたんでは走りにくかろ? 走りやすいよぉに尻からげの一つもして……
●はぁ〜、尻まくりをねぇ……。尻からげしますか?
■しますか? て、尻からげせなんだら、走りにくかろが?
●へぇ、まぁ、してもせんでも一緒ですけど、尻からげせぇと言われりゃからげますが……、からげますと……、覗きよるんですが
■何が?
●いえね、尻からげすると覗くんですが……
■覗くて……、お前、男のくせにフンドシしてへんのか? フンドシ忘れてきたんか? フンドシ無し?
●せんことおまへんねんけど、フンドシしたかて何の役にも立てしまへんねん。横からドッデ〜〜ンとね。
■??……、よっぽど大きいねんな、横からドデンと出るか?
●へぇ、こないだ風呂で体洗ろてたんだ。ほな後ろから「喜ぃさん」ちゅうさかい「へぇ」立とと思たら己のん踏んでボ〜ンとこけてね、踏んだ痛さとこけた痛さと……さっぱわやや。
■……? よっぽど大きい?
●へぇ、せやから皆笑いよりまんねんがな「ドッボ〜〜ン」や言ぅて。
■何やねんその「ドッボ〜〜ン」ちゅうのは?
●普通、男が風呂入るとき……、右足から入るか左足から入るか知りまへんけど、入る音がドボン、ドボン、チョポンですわなぁ。わてらドボン、ドボン、ドッボ〜〜ン
■そんなアホな、そんな大きな音がするかいな。
●わてのは大きまんねんがな・・。
■……、難儀やなぁ。尻からげしたらそれが出るんかいな?
●へぇ、出まんねんがな。
■ほな、上向けて帯でキュッと括っといたらどないや?
●そらあきまへん、上向けて帯で括ったら、わて喉突きまんがな。うつ向かれへん。
■難儀なもんやなぁ……、横向けて括ったらどやろか?
●横向けたら、袖口から顔出しまんねん。
■蛇じゃがな、まるで。何とか方法ないのんかい?
●そぉでんなぁ……、せや、四つに折って帯へ挟みまひょか
■手拭じゃがな、それでは……。まぁ、どないしょ〜とお前の勝手や、えぇよぉにしたらえぇがな。とにかく急ぐねんさかい走って行ってくれな困るで。
●よろしま、心得ました。こぉなったらヤケクソだ、尻からげでも何でもして走って行きまっさかい、任しといとくなはれ。
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ポイッと表へ出ます。さぁえらい事引き受けた、フンドシがありゃキュッと締め付けとけるんやけど、ブラブラしてしょ〜がない。と言ぅて、尻からげして走らんわけにいかん。「そや、みぎひだり振りもって走ったろ」大胆なことを思いついたもんで、大きなやつを両手で抱えると右、左振りながら「や、ドッコイさぁのさぁ〜♪」
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●ドッコイさぁのサ♪ ドッコイさのこらさの、ドッコイさぁのサ♪ ドッコイさのえっさサ、えっささのよっとサ♪ ドッコイさのえっさサ……
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一生懸命走って来よったんですが、走ってる途中でションベンがしとなりやがって、
●えらいことしたなぁ、走る前にしときゃよかったなぁ……、急ぐ手紙や言ぅし、ションベンする間立ち止まってたらいかんし「ションベン一町、糞八町」ちゅうことがあるわい、ションベンしてる間に一町走れるちゅうんやさかいなぁ、こぉなったらしょ〜ない、走りながらしてこましたろ……
ズボラな奴があったもんで、振り回しながら、
●じゃじゃジャジャ、じゃっジャ♪ じゃじゃジャジャ、ジャ♪ ドッコイさぁのサ♪ ドッコイさのこらさの、ドッコイさのサ♪ じゃじゃジャジャ、じゃっジャ♪ じゃじゃジャジャ、ジャ♪ ……
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まるで散水車が走って行くよぉなあんばい、やりながら走ってる方はよろしぃんですが、片一方の草むらに劫(こぉ)経た狐が一匹昼寝しとったんですなぁ。こいつの頭の上から「じゃじゃジャジャ、じゃっジャ♪」と掛けといて行ってしまいよった。
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飛脚の走っていく跡をジ〜ッと眺めた件(くだん)の狐、
▼悪いやつなぁ〜。♪かりにも〜稲荷の遣わしめ、狐の〜長(おさ)なるこのわしに、不浄のものを〜掛けるとは、おのれ〜憎っくきあの飛脚、帰り道をば〜覚えておれ。
▼チョマ公、ちょっとこっち来い。
★何やお父っつぁん?
▼狐の長のこの俺に頭からションベン掛けて行きやがった。
★悪いやっちゃなぁ、お父っつぁんの頭にションベンひっ掛けて行きよった? 何とか仕返ししたらんと腹の虫が収まらんなぁ。
▼そや。それで俺が一計を巡らしたんや。えらそぉに「男一人前」てな顔しやがって、大きなもんを振り立て振り立て行きやがった。あの大きいのんを自慢さらしてけつかるに違いないさかいな、あれを喰いちぎったろ思うねん
★お父っつぁん、あんなもん喰いちぎれるか?
▼ただ振り回してるやつに喰いついたかて勝負にならん。そこは我々狐には神通力といぅもんが授かったぁる。お前が俺の股ぐらへ入って、二人で肩車するよぉな恰好で上下対になってお姫様に化けんねん。ほんで、俺が上の顔になるさかい、チョマ公下でお前の口を下の口にするねん。
★ほぉほぉ
▼ほんで、色仕掛けで誘い込むとやなぁ。あのガキが自慢のもんをお前の口の端(はた)へ持って来よるさかい、そこんとこをガブッとかぶりついたらえぇねや。
★な〜るほど、これならうまいこといくに違いないわ。お父っつぁん、それやってこましたろ。
▼そぉなったら、それらしぃよぉにせなどんならん。お姫様一人がこんなとこへ立ってたらおかしい、侍女やとか奴(やっこ)やとかそれらしぃのんこしらえんならんさかい、眷属(けんぞく)のもん一同、俺が呼んでる言ぅて呼び集めてこい。
★心得た、よっしゃガッテン承知のスケ。
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さて、お狐様に狙われたこの男、どうなるのか! ・・・・・後編へ!!
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