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今日の落語の徒然は、2つ目に覚えた『道具屋』について書いてみます。
その前に一つだけお断りをしておかなくてはなりません。
ココで私が書く落語は基本的に上方落語です。関西の大学で落語研究会に在籍していましたので、
上方落語を演じてきました。
江戸落語が嫌いな訳では無いのでそこんところをご了承ください。
さて、『道具屋』
この噺は上方でも江戸でもあります。
落語の歴史や変遷なんかはまたの機会に書けたらと思います。
落語については色々なHPもありますし、プロの方々や落語協会様などのHPもありますので
そちらをチェックしていただいた方が良いかもしれませんね。
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〜あらすじ〜
甚兵衛はんの世話で夜店の道具屋をやる事になった男、店を出したもののスカタンな対応ばかりして
いるので品物は一つもうれない。
半分イヤになっている所へ来た客が、笛をいじりまわしているうちに笛の穴に指が入り込んでしまい
抜けなくなってしまいます。抜けないとという事は買わねばならない。シメた!とばかりにこの笛で大もうけを企んだこの男。帰りの飲食代から米屋の支払いまで儲けにのせてしまえ!とソロバンを弾きます。
米代やとか細かい事より家を一軒建ててもらおと途方も無い皮算用をしてふと顔を上げると客は逃げていなくなってしまっている。
「うぉ〜い!!盗人や盗人や!」と騒ぎだした男に隣の店の人が「何を盗まれたんや?!」と尋ねられて
返した言葉が「家一軒盗まれたぁ〜!!」
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落語研究会に入って2つ目に覚えたネタです。
『代書』を入学した4月に覚えて6月に初舞台をふみ、次の大きな舞台は大学祭だったのですが、その間にも老人ホーム訪問や阪神大震災の年でしたので避難所や仮設住宅訪問などがあり、その時にもやりました。主人公の男のおかしさを直球で出せるので今でもやります。初めて落語を聴く人にも落語を知ってる人にも素直に通用する噺だと私は思ってます。
サゲ(オチ)は枝雀師匠のものです。
米朝師匠の場合は笛をいじっていた人の指が笛の穴に入り込んでしまうまでは一緒ですが、その後に主人公の男がなんだかんだと皮算用していると・・・・・
客『おいおい!そんな無茶言いないな。こんなおもちゃの笛、こんなんサラで買うたかてわずかなモ
やがな。それをそなな値段で・・・』
男『高いと思うたら、それあんた、抜いておくなはれな。』
客『それが抜かれへん。』
男『抜かれなんだら言い値やな。』
客『もうそんな、お前、人の足元を見るな。』
男『いいえ。手元をみております。』
となります。米朝師匠のやり方で当初は覚えたのですが、枝雀師匠の道具屋を聞いてオチが意外な感じがして面白かったので今は枝雀師匠のやり方ですることが多いですね。
この噺は登場人物は結構いるのですが、基本的に会話の部分は主人公の男と客の2人ですので聴いている方も状況がイメージしやすくわかりやすいと思います。
やってる私も覚えやすかったですね。
主人公の男が道具屋をしに夜店にいき、お客との掛け合いが面白いです。
夜店は今でも子供たちにとっては楽しみでしょうし、私達大人が訪れても童心に返りワクワクしますよね。金魚すくい・ヨーヨー釣り・射的・お面・綿菓子・フランクフルト・たこ焼き・焼きそばetc・・。
この道具屋、今でいうフリーマーケットですね。まあ、おいてある商品の差はありますが・・・。
噺の中の道具屋は『火事場の焼け跡から拾ってきたノコギリ』『贋作の掛け軸』『首の抜けるお雛さん』
『小さい穴の開いた花瓶』『足が3本しかない電気スタンド』『漆塗りの短刀(実は木刀)』そのほかにもパッチや腹巻や靴下や笛太鼓とガラクタばかりですね。これらをどうやって巧く売るか。
男も一生懸命なんですが、スカタンばっかり。この客との掛け合いは聞いていただくと良くわかると思います。
この噺は演者がその時その時で色々と工夫をするとまた違った面白い噺になる可能性を持ってます。
私も今度する時にはまた練り直しして高座に掛けようと思います。
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