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今宵も一席お付き合い願います。
今日は『八五郎坊主』です。
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〜あらすじ〜
「つまらん奴は坊主になれ」という言葉に共鳴した自称「つまらん奴」の八五郎は、甚兵衛はんの世話で、下寺町のズク念寺で出家する。早速和尚さんに「法春」という法名をつけてもらったが「ハシカが軽けりゃホウシュンも軽い」てな洒落ばっかり言っていて、ちょっとも名前を憶えられない。和尚は、憶えられる様にと扇に名前を書いて与えてくれる。
甚兵衛さんの所へ挨拶に行く為、お寺から外出した八五郎は、友達と途中で出会います。坊主になったと言うと「法名は何ちゅうねん」と尋ねられます。扇を見せて読んでもらうと、皆は「ホオバル」とか「ホカス」、はてには「ノリカス」てな事を言って誰もマトモに読めない。
中のひとりが「ホウシュンとちがうか?」と言うたのを聞いた八五郎。「ハシカも軽けりゃホウシュンも軽い」という洒落を思い出して、「わかったわかった!わいの名前は、ハシカっちゅうねん。」
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この噺は確か大学3回生の夏の大きな舞台用に憶えた噺だったと思います。
枝雀師匠が演じてられたものが元です。
この噺の中ではこの八五郎と和尚さんの対話。八五郎と友達達との対話がとても面白いです。
訳のわからん、お調子者の八五郎をこのズク念寺の和尚さんは大きな心で受け止めてあげます。
なんだかんだと八五郎が茶化すのですが、和尚さんは広い心でこの八五郎を諭すのです。まあ、諭したところで八五郎はなんとも思ってないように思われるのですけど・・・・。
枝雀師匠は八五郎がお寺を訪れた所の描写も細かくされて、枝雀師匠の持ち味であるオーバーアクションを取り入れた場面があります。
『お寺の境内から裏手にまわり、庫裏でございます台所。一間半、ガラガラ格子という大きな格子戸を
がらがらがらがらがらがらがらがらがらがらがら。。。。。』
このがらがら・・・の所を舞台中央の高座から舞台袖まで膝立ちで横に歩いていくんです。ここで大きな笑いが取れます。私が演じた時は高座に段差があったので出来ませんでしたが、かなり大きな感じを出す為に腕を右から左へ動かしました。ちょうどビデオ撮影をしていたのですが、後でみたらその時だけ体がフレームから出てしまってました・・・。
友達との会話のところは『法春(ほうしゅん)』の読み方を皆で考えているのですが、法と春を色々と読むのです。
友『法に春でホウバルか?』
八『ホウバル?いや、ワイ坊さんになったんやで。そんな欲深い名前とちゃうと思うで。』
友『じゃあ、ああ、春日神社と書いて【かずがじんじゃ】やからホカスか?』
八『ええ〜っ!いや、ワイ今日、坊さんになったばっかりやで。すぐにホカさんといて・・。』
友『ええ?じゃあ、なんや。。。ああ、御法と書いて【みのり】と読むな。ノリカスか?』
八『ノリカス?いや、そんなケッタイな読み方ちゃうと思うで。読み方変えてみてんか?』
と続くのです。最後にホウシュンとなって正解ででるのですが、お寺で名前を貰っている時に洒落ばっかりいっていてきちんと覚えていなかったので『ハシカも軽けりゃホウシュンも軽い』という事でハシカという名前が出てきてしまうのです。
ちなみに『ハシカも軽けりゃホウシュンも軽い』というのは『麻疹も軽けりゃ疱瘡も軽い』を洒落ているんですね。
落語が聴くだけでなく所作も一緒に楽しまないとダメですね!
枝雀落語は特にそう思います。
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