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さて、今日も小噺で楽しんでいただきましょうか。
よろしくお付き合い願います。
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〜鏡屋女房〜
大阪道頓堀のコンニャク屋さんが借家を持ってる。それが空いたんで、うちの借家やぞ、ということを示すために看板を書きまして、それが仮名で書いてあったんですなぁ。
「おおさかどうとんぼりこんにやくやのしやくや」
見た人が「おおさかどう」で切ってしもぉたもんで、あとが続きまへん。しゃ〜ないさかい「とんぼりこん にやくやの しやくや」と読んだちゅうんですけど、声に出してみたら笑えますわなぁ。
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田舎から大阪見物にやってまいりますというと、必ず日本橋、道頓堀の芝居をゾロゾロと見て歩いたんやそぉですが、伊勢参りの帰りは京、大阪を見て帰るというのがお定まりのコースでした。
あのへんをウロウロもの珍しぃにキョロキョロしてますというと、鏡屋さんがございまして、看板に「おんかかみところ」と書いてある。それをフッと見て……
●ちょっと見てみぃ
■何じゃい?
●大阪ちゅうとこは、けったいなとこじゃなぁ
■何や?
●あの看板を見ぃちゅうのじゃ、御嬶(かか)見処としてあるぞ
■御嬶見処? 嬶、見せる奴があるんか大阪わ?
●ここのうちじゃ、覗いてみよか……
ヒョッと覗いてみますと、店の間ぁの真ん中に若い綺麗な女房さんがチンと座ってます。これがなかなかの別嬪で、
●ちょっと見てみぃ、こら美しい女房じゃぞ
■ウホッ、わしゃ御嬶て、自分の女房に御の字を付けるアホがおると思たが、これなら御付けるはずじゃ。こんなおなごちょっとおらんぞ…… や〜れ御嬶様、美しいなぁ〜…… 皆見てみぃ、こんな綺麗な御嬶様じゃ。こんなおなごはちょっと見られんわい(ワァ〜〜〜ッ)こら役者より綺麗わい。
ワァワァ言いながら村へ帰って、ほかの話みな忘れてしもて、大阪の日本橋には日本一の美しい嬶様が居る。あれを是非見てこい。ちゅうわけで、次の伊勢参りにはそこが観光コースに入ってしまいまして、大阪へやってくると芝居も何も見ぃひん。
★お前、去年も行たなぁ
●あぁ、わしゃ去年行た
★その美しい嬶様ちゅうのはどこじゃい?
●こっちじゃこっちじゃ、わしゃチャンと覚えたぁる……ここのうちじゃ。見てみぃ、これじゃこれじゃ……
と来たんですが、一年経つあいだに鏡屋宿替えしてしもて、あとへ三味線屋が来てまんねん。また、若い嫁はんが居らんで、お婆んが座ってますねん。
★おっ、あれっ? えらい年寄の嬶さんが居るぞ。何が美しい嬶様じゃ、えらい婆ぁやないか?
●えぇ? 去年は確かにビックリするよぉな美しい嬶様が座ってたんじゃが……
★家、間違ごぉてるのやないか?
●いや、確かにこのうちじゃ。ここに「おんかかみところ」と書いてあるはずじゃ……
ヒョッと見たら看板が替わって「こと しゃみせん」と書いてある。
●あぁ、あかんわ。今年しゃ見せんのじゃ。
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一つじゃナンなんで、も一つ!
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〜朝顔〜
ちょっと時期的に早いですが、そろそろ朝顔の花も咲いてくる季節が近いですね。そこでこんな小噺。
●おい!カカ(御かみさんの事)
△なんですねん?
●朝顔の花て咲くらしいな。
△アンタは相変わらず気楽な人やな。朝顔の花やさかい咲くに決まったるがな。
●そやかて、ワシ見たこと無いがな。
△アンタ昼過ぎまで寝てるがな!
●あ、そか。昼には見れんか?
△朝顔ゆうくらいやからな。朝咲くねん。
●そうか。いや最前な、近所のヤツ集まっててな朝顔の花ってゆうのは可愛らしい花やとかって話があったんや。ワシ見たこと無いさかいに話に入っていけんで往生したんやがな。ほうか。朝や無いと見れんのやな?よっしゃ。ほな今日は早よ寝て、明日早よ起きて見てみよか。
気楽な男がおったもんで、あくる朝、早くに起きて長屋の戸口を開けて外へ出ます。
●ふあ〜ああ・・。眠たいなァ。そやけど、朝顔の花見てみなあかんからな。えっと朝顔の花・朝顔の花・・・咲いてるか〜〜〜?
と、朝顔のある所に行くと花が咲いて無い。
●ありゃ?朝顔の花咲いて無いがな?なんでやねん!?こら!朝顔の花!なんで咲いてないねん!ワシャ眠たいの我慢して朝も早よから起きてきてんのに何で咲いて無いねん!!
と男がいうと、この朝顔が・・・
■いや〜。アンタの顔が見えましたんで、昼かと思いました・・。
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まあまあ、可愛らしい噺ではありますな。
次回も小噺で行きます!もしかしたら艶笑小噺(いわゆる下ネタ)かもね!
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