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さて、今宵も一席お付き合い願います。
今日は再び、普通に落語の徒然をします。小噺もいいけどヤッパリちゃんとした噺も皆さんに知っていただきたいですものね!今日は夏の噺『蛇含草(じゃがんそう)』です。
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〜あらすじ〜
真夏のお話。褌の上に麻の甚平一枚という姿で友人の家へ上がり込んだ徳さん、蛇含草という珍しい草を貰います。なんでも山奥に住んでいるウワバミ(大蛇)が、人間を呑んだ時に消化を助ける薬草だとのこと。甚平の紐に草をゆわえつけて、世間話をしていると友人が餅を焼くという。
酒も好き餅も好きといういわゆる『雨風』の徳さんは餅を焼いているのを見ている内に辛抱できなくなりつい一つ食べてしまいます。それを友人が咎めた事から言い争いになってしまう。友人が言葉のはずみで餅はみな食うてもかまわんと言った事から双方意地になり徳さんは様々な曲食いの妙技を披露しながらほとんどの餅を食いつくします。それでもあと僅かに残して平らげる事はできず涙をのんで自宅へ帰ります。
帰ってから思い出したのが蛇含草。ウワバミの胃薬になるくらいだから強烈なのに違いあるまいと、残った餅に再挑戦せんがため草を口に含みます。一方、友人も家に帰したものの心配になって徳さんの家を訪ねると、徳さんは奥で寝てるとのこと。奥がシーンとしているので襖をサーッと開けると、人間が溶けて、餅が甚平着てプーッ(餅が座ってるしぐさで終わります。)
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この噺は始めに書いてある通りに夏によく演じられるネタです。
この噺では餅を曲食いで食べるシグサを僕は重視してました。一応述べておきます。
ついでですんでネタをしている時のセリフを書きますね。
【放(ほ)り受け】
見てなはれや、まずのっけは小手調べ「放(ほ)り受け」から。よろしぃか、ピャァ〜ッと空中へ放り上げといてパクッと口で受けます。手は一切(いっせつ)使いまへん、よろしぃか見てなはれや、イヨッ!
【お染久松夫婦喰い】
これ(放り受け)は小手調べです。ちょっと稽古してもろたら、どなたさんでもでける。どんなアホでもでけま。あんたでもできます。今度はちょっと難しなります。二ついっぺんに放ります「お染久松夫婦(みょ〜と)食い」ちゅうやつお目にかけます。よぉ見てなはれ。イヨッ、イヨッ!
【淀の川瀬は水車】
今度は体の周りグルッといっぺん回します「淀の川瀬は水車」っちゅヤツ。よぉ見てなはれや。イヨッ!
【箕面の滝喰い】
これはなかなか難しぃです。これがでけた時は、嬉しぃです……。どぉです、なかなか面白まっしゃろ。おしまいは千番に一番の兼ね合い、よろしいか、ビャァ〜ッと空中へ放り投げといて、デボチンでいっぺんポ〜ンと腰打たしてパクッと、ポンパクッといきますよってね。ポンパク「箕面(みのお)の滝食い」ちぃまんねんで、見てなはれや。ちょっとこぉいぅことはでけしまへんで、まぁ西日本でも三人です。イョ〜ッと!
どうでしょう??初めの二つは出来そうですけど、後の二つはどう考えても無理ですわね。三つ目の奴なんかは万有引力の法則を無視してるもん・・・(笑)
けど、これも落語のいいところ。
実際には無理でも落語の中の人物達はやってくれるし、想像イメージしても楽しいですよね!
サゲ(オチ)はそのまま、ウワバミが人間を溶かす草ですから、徳さんが溶けて餅が残るっちゅう事ですね。意外なオチです。
では、次回もお楽しみに!!!
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