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酒田のぶらぶら歩きで出会った、正真正銘おいしい物がこれ!
小さな魚屋さんの店先に、なにかがぶら下がっていたのが、遠目にもはっきりと見え、
何かな、何かな、と近寄ると、鮭だった。頭を下に、すっかり乾ききっている。
しかし、梅雨の晴れ間の湿気を吸って、表面は汗をかき、脂の混じった液が下に落ちている。
店のご主人に、「これは、あぶって食べるものなんですか?」
と聞くと、
「あ、それは風干しの鮭ですが、去年の暮れに作り始め、一年後の今年の暮れに出来上がりですから、今はまだちょうど半分が経ったところ。」
「え! 1年干すんですか?」
「そうなんですよ。天日で干したり、陰干しにしたり、様子を見ながら一年吊しておくんです。で、一年経ったら、丁寧に皮をはぎ、骨を取り除いて、身だけにしてお売りします。」
「わあ、それをどうやって、食べるんですか」
「お酒の当てですよ。薄くそぐように切って、ちびちびとね。美味しいですよ。繰り返し買ってくれるお客さんが多くて、毎年100匹作るんですが、今年の100匹は予約済みで、来年の予約をもらっているところです。それだと、来年の12月にお届けするんですから、1年半も先の話ですけどね。」
「わあ、なんだかすごく食べたくなってきた。1年半か」
「じゃ、ちょっとだけ味見してみます?」
日の光が透けるような薄切りの鮭をいただいた。ほんとにほんとにほんとに美味しかった。臭みがまったくない、すっきりとした味わい。脂臭さが微塵もない。ただおいしさだけ。
「1年干すと、5キロの鮭が800グラムになるんですよ。まあ、頭や皮や骨を取り去るから、それもあるけど、それにしてもうんと縮みます。片身400グラム。でも、ほんのちょっと食べるものですから、けっこう楽しめるんですよ。」
「あのう、おいくらなんですか?」
「1匹6300円なんです」
「…そうか、6300円かあ。(ちっと高いな…)」
でも考えれば、もともと1匹の鮭だったし、それに1年間も手を掛けた商品なんだから、高くはないのである。それにものすごく美味しいし。
この熱意が冷めないようなら、来年の分を予約しようと思う。
酒田市日吉町の斎藤鮮魚店であります。
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これはおいしそうですね。
1年も乾燥させるなら脂がすっかり抜けてさっぱりしていると思います。
にわか乾燥のものはこちらにもありますが、脂臭いのであまり美味しくないのです。
それを一切れあげたら、犬も猿も雉も喜んでついてきますよ。
2010/6/30(水) 午後 5:42 [ lucian ]
lucianさん、そうなんです。おいしいの。とってもおいしかった。本の小さな一切れを食べただけですけど、実に味わい深かったです。そうか、これなら子分も出来るってわけですね。…って、鬼退治に出かけるわけじゃないですけどね。
2010/6/30(水) 午後 9:35