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ガタンガタン・・・電車の走行音が車体全体に響く。
6両編成の5両目、丁度真ん中辺りに座り、窓の外を見つめる少年がいた。
少年の名前は「マイト」。ホウエン地方での旅を終え、新しい出会いを求めるため、ソーラ地方へ向かっているところだった。
水平線上に広がる2本の線路。その上をマイトの乗る真っ白な電車が走る。
乗車して2時間。ソーラ地方の大地が見えてきた。待ちに待った新しい地方。今最も発展していると言われるソーラ地方。
マイトは心の勢いに任せて電車の窓を開けた。

「すっげぇ!あれがソーラ地方!」

潮風がマイトの緑の髪をなびかせる。マイトの見つめる先はソーラ地方一の都市、トルマリンシティだった。


***


「ポケットモンスター」。縮めて「ポケモン」。
この世界に棲む、不思議な不思議な生き物。
ポケモンは海・山・空・色々な所に住んでいる。その種類は、百、二百、三百・・・いや、それ以上かもしれない。
人間とポケモンは、一緒に闘ったり、友として、仲間として、心を通わせあい一緒に暮らしていた。
ポケモンの数だけ出会いがあり、ポケモンの数だけ夢があり、ポケモンの数だけの冒険が待っている。
そして今日もまた、この世界で新たな出会いが生まれようとしていた―――。


***


『トルマリンシティ、トルマリンシティに到着です。お忘れ物のないようご注意ください』

電車が駅に到着し、マイトはソーラ地方に降り立った。

「どんな出会いが俺を待ってんだろ、ワクワクしてきた!」

マイトは預けていたトランクを受け取り、さっそく駆け出した。駅を出て辺りを見回す。
人通りの多いこの街。ホウエンのどの街よりも活気が溢れていた。
街のいたるところにある露店。ラーメンにクレープに・・・その数は数え切れないほどである。
そして左右に聳(そび)え立つビル達。

「すっげえ!こんな街見たことねぇよ!」

興奮のあまりマイトの口は塞がらない。と、マイトは思い出した。
まず新しい地方に到着したら、ポケモンセンターで「選手登録」をしなければならない。
ポケモンリーグ挑戦には選手登録は欠かせない、それをしておかないとジムリーダーにも挑むことはできない。
そのポケモンセンターの場所は・・・

「どこだ・・・?」

赤い屋根のポケモンセンター。普通なら目立つはずだが・・・
辺りは露店の赤い屋根があるだけ・・・ポケモンセンターらしき場所は見つからない。

「うん、ならこの街を見物しながらポケモンセンター探すか!」

マイトは露店を見回しながら歩き始めた。辺りからは食べ物の匂いがする。
すると、お腹から「グゥ〜」という音が鳴った。

「げ・・・そういえば朝食食べてないんだった・・・」

マイトは興奮のあまり荷物を持つだけ持ってホウエンの家を出てしまったのだ。

「お金は・・・・」

マイトの脳に嫌な予感が過ぎる。
辺りの人の手には見たことのない紙幣、硬貨。
そう、カントー・ジョウト・ホウエン・シンオウは共通のお金だが、それ以外では別の紙幣、硬貨が使用されている。
オーレ地方ではポケドル、というお金が使用されていると聞いたことがあったが・・・
ここでも似たようなものを使用しているのだろう。兎にも角にも換金しなければ何もすることはできない。
確か駅に換金所があったはずだ。マイトは駅に走って戻った。


「な、な、なんじゃこりゃぁあああああ!」

全力で換金所にかけてきたマイトが見たものは、長蛇の列だった。
皆が皆他の地方から来たと思われる人たち。
その列は三十人以上もの人で出来ている。

「マジかよぉ・・・」

マイトは致し方なく列の最後尾に並ぶことにしたのだった。


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