座乱読無駄話日記

読書や趣味、日常のことなど不定期に語ります

全体表示

[ リスト ]

明治の美人コンテスト

イメージ 1

美人は準備せよ  
公衆は括目せよ
 こんな見出しで宣伝を打ったのが、東京時事新報社明治41年のことです。
 私ごとですが、先日、江戸末頃の貝合わせの資料調査をしていまして、その貝は、明治末年に一つひとつ新聞紙でくるんで丁寧にしまわれたままで保管されていたものですが、その包み紙である新聞紙が、見事に明治41年のものばかりだったんです(もちろん、これらの新聞紙片も資料ですので保管してます)。
 そのなかに次の文章を見つけた。

「 美人は準備せよ 
  公衆は括目せよ
 時事新報社は今度米国シカゴクリビューン新聞社よりの大々的挑戦に応じ同 国の重もなる新聞数十社の苦心尽力に依りて始めて選定せられたる米国第一の美人に対抗し同時に各文明国第一の美人達と競争す可き日本第一の美人を全国美人群中より選抜するの重任を引受け(中略)全国美人の逸す可からざる絶好の幸運を蔵し一般読者の看過す可からざる最大の美観を集む管に其れのみならず美人以外の男女公衆にも亦賞金獲取の機会あり何れも油断する勿れ(後略)」
 これに振り仮名がつくので、別に句読点がなくてもほぼ意味はわかります。
 まあ、これが、日本で最初に行われた一般女性を対象にした「美人コンテスト」のはじまりだったわけですね。
  ↓16歳の末弘ヒロ子
イメージ 2
 この時に「美人以外の男女公衆」に選ばれて、栄えある第一位に輝いたのは、現役女学生で16歳の末弘ヒロ子さん。
 この方については、人名事典のほうに書きましたが、彼女自身にとっては、「日本第一の美人」になって、幸せだったわけではありませんが、新聞社の意気込みはすごいですねえ。
 この間の顛末については、このサイトに詳しく出ています。
 第一位決定通知を、本人に届ける時の文章も面白いのですが、明治時代という時代を反映している、この大げさな文章は、なかなかだと思います。世界のミスコンブームにのりおくれまいとして意気込んでいるんでしょう(世界初の美人コンテストはベルギーで1888年に行われたそうですが、日本でいわゆる美人コンテストは、すでに、明治23年ー1890年!−に浅草の凌雲閣で、壁に美人芸妓の写真を貼り並べ、今でいえば「美しすぎる芸妓」を投票で選ぶ催しだったそうです)。
 しかし、明治40年になっても、まだまだ、一般女性はそこまでついていっていなかった・・? いや・・むしろ、殿方自身が、女性一般を、正面きって美人だと褒めるクセのついていない時代だったかも。
 ミスアメリカとか、今のミスユニバースなどにつらなるのは、リゾート地での水着美人コンテストからの発展なので、どちらかというと第一次世界大戦以降の産物でしょうねえ。もともと、水着の女性を見たい男と、水着姿の自分を見せたい女の利害が一致したのかも・・・。
 しかし、明治時代には、まだ日本人には、特に女性には水着は遠かったでしょうねえ(大坂の天保山あたりで、木戸孝允が健康のために水泳をしていた・・って聞いたことがありますが・・)。
 欧米でもこれ↓だもの。
 19世紀末の男女子供の水着姿(この頃はまだ足を出すだけで思い切ったファッションだったかも)
イメージ 3
イメージ 4

この記事に

閉じる コメント(6)

末広ヒロ子さま、今いらしても美人ですよね… いや、どちらかというと現代的
それでいて正統派の美人さんです。 下位の方は日本髪で古臭いというか
幕末から明治にかけての武士などには、今風のイケメンがいたりして本当に楽しいです。
タイムスリップして過去に行ってた人たちじゃないの? と思うほど。

美人や水着姿を見たいという男の人の願望が、コンテストを生んだのでしょうか?
私は素直に美しいものが好きなので、美しい女性を見るのも喜びです。

一方で、美人と認識されたものは時代を超えるとも言われて
たとえば、平安時代の引き目鉤鼻に描かれた女性も、あれは絵画上のものであり
実際には美形であったに違いない… と言われます。 どうなんでしょう?
美の認識、流行はあっても揺るがないでいてほしいものです。

秀吉あたりが現代に来て、今の水着姿の女性を見たらきっと、びっくりぽんで
大喜びするでしょうね。

2016/2/27(土) 午後 3:51 月の真珠 返信する

顔アイコン

> 月の真珠さま。匹目鉤鼻も浮世絵美人の面長もおっしゃるとおり「絵画上」と思います。今でいう萌えキャラ美人が、かならずしもみんなあんな顔を求めているんじゃないですもんねえ。引き目鉤鼻も、浮世絵美人も「キャラ」としてのものだと綿者思っています。絵巻や、版画を見る人のために、「これは美人ですよ」という記号だと思います。描く方も、「イケメンキャラ」ですよ・・と光源氏の顔を描く・・ということじゃあないでしょうか?
秀吉さん・・・驚くというより、大喜びかも。あ・・でも、黒髪でないとダメでしょうねえ。幕末の遣米使節が、はじめて異国でダンスパーティに出て、金髪美人は恐ろしくて、黒髪黒目の女性が美しいといっているので、やはり「慣れ」も必要だったかも。

2016/2/27(土) 午後 8:33 [ 乱読おばさん ] 返信する

顔アイコン

これらの新聞紙片も資料ですので保管してます)。

そのなかに次の文章を見つけた。

すごい 私の知らない世界

2016/2/28(日) 午後 6:56 [ 浅太郎 ] 返信する

顔アイコン

にとっては、「日本第一の美人」になって、幸せだったわけではありませんが、新聞

幸せとは あらゆるものに束縛されない
何か幸せか

ふと読んだものに 儒教の価値観が
儒教は 人の生き方あるべき姿を教えるが
幸せになる方法は教えない

それが 中國の価値観を変えたと

2016/2/28(日) 午後 6:58 [ 浅太郎 ] 返信する

顔アイコン

現役女学生で16歳の末弘ヒロ子さん。

現代でも通じる美人です

2016/2/28(日) 午後 6:59 [ 浅太郎 ] 返信する

顔アイコン

> 浅太郎さま。こちらにも有難うございます。旧家の資料の中には、包紙などにも面白い資料があります。風呂敷なども、大阪三越開店記念品だったりします。思わぬ発見など楽しいです。
儒教の話、興味深いですね。いつの世も、人の秩序を守り、戦乱を防ごうとする和久を作る人と、それを壊す日Tがいる・・ってことですよね。

2016/2/28(日) 午後 9:55 [ 乱読おばさん ] 返信する

コメント投稿

顔アイコン

顔アイコン・表示画像の選択

名前パスワードブログ
絵文字
×
  • オリジナル
  • SoftBank1
  • SoftBank2
  • SoftBank3
  • SoftBank4
  • docomo1
  • docomo2
  • au1
  • au2
  • au3
  • au4
投稿

開く トラックバック(0)


.


みんなの更新記事