座乱読無駄話日記

読書や趣味、日常のことなど不定期に語ります

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 やや地味なところですけれど、またこういうのを読んだ。
 キャンピオン氏の事件簿として、三冊出ています。
 「窓辺の老人」「幻の屋敷」「クリスマスの朝に」(マージェリー・アリンガム・創元推理文庫)。
イメージ 1
 これは20世紀前半のイギリスのミステリーシリーズ。
 主人公のアルバート・キャンピオンの外見は、金髪長身で、色白ということですが(まあ、ここまではよいでしょう)、ばかでかい角縁眼鏡(金縁眼鏡ではない)をかけた猛烈な間抜け面・・とされています。
 角縁眼鏡とはなんぞや・・というと水牛の角で、バッファローホーンとして眼鏡屋さんなどでは出てくる。まあ、日本では鼈甲縁みたいなものでしょうか。今だとプラスティックでいくらでも高級感を出すことができるかもしれませんが・・。
 それはともかく、ひょろっとして頼りなげで、まぬけづら・・そういった名探偵?
 たしかにホームズのような偉そうなところはないんです。人がいいというか、まあおっとりしているというか・・。この外見とおっとり関係が、周りの人間に影響を与えているのかも。
 彼のそばにいる従者(執事ではなくジーヴスみたいなバレットです)のラッグは、おおよそ主人に遠慮なんてものはないし、元は少年院出身!という札付きのワルで、仮出所の時にキャンピオンの従者になったというのだから、言葉づかいまでヤクザっぽくて、としくったチンピラ風。とても慇懃無礼なジーヴスのように「さようでございますか?ご主人様」のようなイジワルな否定はしないで、直接、顔と態度と言葉で反抗するので、分かりやすいと言えば分かりやすかも。
 このシリーズの中では、御屋敷ものとでもいうべき物語が面白いですね。
 シリーズⅠ「窓辺の老人」の中に入っている短編「懐かしの我が家」、それにシリーズⅡ「幻の屋敷」のなかのタイトルにもなっている、正に「幻の屋敷」。
 これはどちらも、没落貴族の古色造然とした古い屋敷を舞台にした事件です。
 とくに「幻の屋敷」は面白い。解説本にも載っている古いカントリーハウスが忽然と消えてしまうミステリー。これ、謎解きの部分も含めて、私にはものすごく興味深かったんですが、まあミステリーですから、ネタバレはやめておこう。
 シリーズⅢ「クリスマスの朝に」はタイトルになっているのは短編ですが、この本のほとんどが中編の「今は亡き豚野郎の事件」です。
 これはキャンピオンの一人称で語られる、読み応えのある面白いドラマです。舞台はこれも古いカントリーハウスです。
 ここを買った往年の女優が、古き良き倶楽部のようなホテルを開業しているのですが、ここに彼女のファンの老紳士たちや、いまの環境を保存したい素朴な村の名士たちが出入りしています。
 この人たちと、その一帯をリゾート開発して、ここにカジノや劇場の総合レジャーランドとして(・・まあ、今はやりのIRですよ)観光客を呼びたいうさんくさい実業家との確執があったところ、このうさんくさい実業家が殺される・・・・。
 しかし、その人物は半年前に死亡していた・・・という謎と、消えた死体・・いや色んな要素が入っていますが、キャンピオン氏が心よせる女性と、彼の学友たちともからんでいろんなドラマが用意されていてなかなか楽しい。
 このごたごたの中で、態度の悪いバレットのラッグとキャンピオンは、まるでジーヴスとバーティみたいな喧嘩をする・・いや、これも面白いですね。しかし、殺人事件などおこらないジーヴスの世界と違って、ラッグは(もちろんキャンピオンも)とんでもない危機に見舞われる・・・。 ちょっと面白いこの主従、こちらにも描きました。(ドラマのラッグは小柄なハゲなんですけど、ラッグが髪の色のことを猛烈に気にする場面があるので、少ないながらもけっこう髪があったんではないかと推測しました。

イメージ 2
 このシリーズは、以前、BBCでは映像化されたけれど、日本では放映されていないんじゃないかなあ・・。
 邦題は「紳士探偵キャンピオン」というVHSではあるらしいけれど、いまどきレンタル屋にもないでしょうねえ。いや・・もうウチではVHS、見るの大層なんです。
 しかし、まあ日本語字幕がなくても大丈夫な方ならユーチューブで見ることができます。特にこの「今は亡き豚野郎の事件」はCampion (1989) Season 1 Episode 5から入っています。



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閉じる コメント(9)

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イギリスの探偵物?デカ物は幾つか読みましたがこれは知りませんでした。しばらく前からハマっているのは「警視キンケイド」シリーズで、もう14作目です(舞台はイギリス、作者はアメリカ人ですが)。
すみません、タイトルにノレなくて

2017/5/9(火) 午後 9:33 アンダンテ 返信する

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> アンダンテさま。コメント有難うございます。かなり之地味目だと思います。私もあまりミステリーは読まないのですけれど、これは「お屋敷もの」ということでひっかかりました。軽く読めてなかなか面白かったですよ。短編集なので、気楽かも。

2017/5/10(水) 午後 6:14 [ 乱読おばさん ] 返信する

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ばかでかい角縁眼鏡をかけた猛烈な間抜け面・・・(;´・ω・)
個性的過ぎて、逆に想像が難しいかもです。
BBCでは映像化された写真になるほどね〜と思いました。
小説も面白そうですが、ドラマも気になります。
NHKとかで放送してほしいです(*^▽^*)

2017/5/12(金) 午前 3:10 [ ALICA ] 返信する

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> ALICAさま♪ ユーチューブの動画、英語でしゃべってるのを「英語字幕」にして見て見たんですが、なかなか難しかった・・・。トホホ・・。エhkあたりでやってほしいんですが、ちょっと地味かもしれません。ぼ〜っとしてひょろっとしたやや若禿げ?の(まぬけづら?)の探偵と、チビでデブで禿げの口の悪い執事のコンビって・・・いや・・・地味すぎでしょう?

2017/5/12(金) 午後 1:10 [ 乱読おばさん ] 返信する

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> 乱読さん
英語でしゃべってるのを「英語字幕」(;´・ω・)
私は無理です〜・・・。
でも地味なキャストだから顔に目がいかないから、英語字幕をガンバって読めそうな気もしなくもないかな?

2017/5/13(土) 午前 2:22 [ ALICA ] 返信する

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> ALICAさま。字幕・・・中国語なら、少しは意味が取れるかもしれませんけれど、全然スピードについていけない・・・アルファベット追うこともできないから、いや・・本とあきませんですえねえ。
でも、確かに登場人物・・見とれるほどの美形は男女ともいなかったみたいな・・・いや・・地味ですわ。

2017/5/13(土) 午前 9:49 [ 乱読おばさん ] 返信する

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座乱読後乱駄夢人名事典
座乱読荘ー

これすごいね よくまああれだけの数を

2017/5/14(日) 午後 6:15 [ 浅太郎 ] 返信する

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座乱読後乱駄夢人名事典

古今東西の実在、虚構の人物をイラストで登場させます。旧人名事典から引っ越してきました。


本にすればベストセラ゛間違いなし

2017/5/14(日) 午後 6:18 [ 浅太郎 ] 返信する

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> 浅太郎さま。
ありがとうございます。いろいろネタ探しで、うろうろしてます。最近少々ペースが落ちているので、もう少しちゃんと本を読まなければ・・・。

2017/5/15(月) 午後 3:47 [ 乱読おばさん ] 返信する

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