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Nymphalis xanthomelas
<分布> 北海道・本州・四国・九州に分布するが、他の島嶼には記録がない。一般に四国・九州の南半部ではまれな種である。
国外ではヨーロッパ西部からヒマラヤ・中国大陸・旧満州・ウスリー・アムール・朝鮮半島・台湾(高地)などに分布し、ヨーロッパ産が原名亜種で、タイプ産地オーストリアのウィーン。日本産は ssp. japonica Stichel とされ、このタイプ産地は横浜付近?
<生態> 年1回、5月下旬より6月上旬に羽化する。約1ヶ月活動して休眠にはいり、夏から冬は姿をみせず、翌春起眠し、♀は産卵する。夏の休眠状態についての詳細は不明。
成虫は低地〜低山地の樹林地帯に多く、社寺の境内・人家の庭・公園などんお食草にもしばしば幼虫の群がみられる。飛翔はやや敏速で、ウツギ・マアザミ・アブラチャン・アブラナなどの花に吸蜜にくることがある。樹液を好み、クヌギ・アベマキ・ニレ類・ヤナギ類・クワなどの幹に飛来する。地面で吸水することもよく観察される。
<食草> エノキを好む傾向が強い。そのほかニレ科のケヤキ・ハルニレ・ヒメニレも食べる。ヤナギ科のシダレヤナギ・ネコヤナギ・ウンリュウヤナギ・エゾヤナギ・ミチノクヤナギ・エゾシロヤナギなども食草として報告されている。
<雌雄の区別> 翅形・斑紋などでは判別は困難。腹端の精査と前脚の構造のちがい(前脚の毛を除いてルーペなどでみると、♂の跗節は癒合して節がなく、♀は5節に分離している。なれれば毛を除かなくても跗節の差は区別できる)、頭部の大きさのちがい(♂の頭部は♀よりかなり大きい。タテハチョウ科の判定困難なものを外観から区別する場合、なれればこれだけで確実な判定ができる)などによる区別が必要となる。
<変異> 寒冷地のものは暖地のものより小型となる傾向がある(斑紋には差がない)。
保育社「原色日本蝶類図鑑」(全改訂新版4刷) 第52図版1 241頁
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