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Damora sagana
<分布> 北海道・本州・四国・九州(壱岐・対馬を含み)に分布する。南西諸島や伊豆・小笠原諸島には確実な記録がない。国外ではヒマラヤ・西シベリア・中国大陸・旧満州・アムール・朝鮮半島などに分布し、原名亜種は中国大陸産で、タイプ産地は上海付近。日本産は分布の東限にあたり、ssp. ilona Fruhstorfer という亜種名がある。
<生態> 年1回、暖地では6月上旬〜下旬、寒冷地では7月にはいって姿をみせる。暖地では盛夏には休眠し、秋にはいってふたたび現れる。山地・寒冷地では夏眠せず、11月上旬まで活動する。成虫は樹林周辺や山地の路傍などに多く見られ、活発に飛んで、オカトラノオ・アザミ類・ハナウド・クリなどの花で吸蜜し、♂は湿地で吸水することがある。越冬態は初齢幼虫で、孵化した幼虫は春まで摂食せず、そのまま休眠にはいる。
<食草> スミレ科の各種スミレ類。
<雌雄の区別> ♀は翅表が青味がかった黒褐色で、白斑・白帯が目立つ。♂はふつうのヒョウモンチョウ類の色彩・斑紋をしており、区別は容易である。
<変異> 山地・寒冷地のものは暖地のものに比べて一般にやや小型。♀の翅表の白斑・白帯は暖地のものほど発達する傾向が認められる。
<近似種との区別> ♂は前2種(ウラギンスジヒョウモン・オオウラギンスジヒョウモン)に似るが、(1)翅表の黒斑が本種は小さく、後翅基半部には1本の黒条があるだけで赤橙色部が広くみえること、(2)後翅裏面外半の濃色部が前2種とちがって前翅の地色と同じ明るい赤橙色で、基半部の赤褐色の線が前2種のように外縁とほほ並行に走らず、下端で外半の濃色部に接することなどで区別することができる。
保育社「原色日本蝶類図鑑」(全改定新版4刷) 第44図版3 210頁。
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