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Limenitis camilla
<分布> 北海道・本州・四国・九州。一般に暖地では山地性の傾向を示し、平地ではまれとなる。国外ではヨーロッパ(中・南部)・ソ連南西部から中央アジアをへて中国大陸・旧満州・ウスリー・アムール・朝鮮半島にかけて分布し、原名亜種はヨーロッパ産をさし、タイプ産地はドイツ。日本産は ssp. japonica Menetries とされるが、このタイプ産地は不明。
<生態> 通常年3回。5〜9月に成虫の姿がみられる。ときに、秋に第4化がみられることがある。関東地方以北では通常年2回、北海道などの寒冷地では1回発生の地域もある。
成虫はおもに渓流ぞいなどの樹林地帯に棲息し、ゆるやかに滑翔し、ウツギ・イボタ・ヒメジョン・ガマズミなどのおもに白色の花で吸蜜し、汚物・腐果にも飛来する。
越冬態は3齢幼虫。越冬幼虫は食草の葉の先を食い切って落とし、残った部分を巻いてそのなかにひそむ。
<食草> スイカズラ科のスイカズラ・キンギンボク・ベニバナヒョウタンボク・クロミノウグイスカズラ・ツキヌキソウ・タニウツギ・ハコネウツギなど。
<雌雄の区別> ♀は♂に比べて一般に大型で、翅形はまる味を帯び、白帯も幅が広い。白斑も♂より大きく、前翅中室内の白斑は明瞭な個体が多い。しかし、特徴の現れていない♀もあるので、前種(アサマイチモンジ)とともに確実な判定には前脚・腹端の精査によるのが安全である。
<変異> 季節的な変異は少ない。前種(アサマイチモンジ)と異なり、白帯・白斑の発達の弱い固体や消失する個体がときどきみられる。
岩手県陸中沿岸の限られた地域には Fig.50 のような小型で、白帯・白斑の発達した、一見、アサマイチモンジと見誤る個体が採集される。
保育社「原色日本蝶類図鑑」(全改定新版4刷) 第48図版2 226頁。
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