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Ochlodes venatus Bremer&Grey
<分布> 北海道・本州。北海道では平地〜山地にふつうで、産地も普遍的であるが、本州では山地性の傾向が強く、産地も局地的となる。現在のところ分布の西南限は山口県東部(玖珂郡錦町)とされる。
国外では、ヨーロッパからシリア・トルキスタンなどの中央アジア諸地域をへて、アルタイ・チベット・中国大陸・シベリア・旧満州・アムール・朝鮮半島からサハリン・南千島に分布する。中国大陸が原名亜種で、タイプの産地は北京付近。
日本産はアムール・旧満州や南千島産と同じく ssp. herculea Butler とされ、タイプ産地は日光。
<生態> 年1回、6月中旬〜7月中旬、高地・寒冷地では7月上旬〜8月上旬に出現する。ヨーロッパの報告をみると北部では年1回、イギリスでは年2回、イタリア南部地域では年2〜3回と地域によって異なる。
前種アカセセリと混棲する地域では本種のほうがやや早く姿をみせる。成虫は陽当たりのよい草原や路傍の草地に棲息するが、中部地方から中国地方へかけての地域では山間部の湿生草原との結びつきが強い。
飛翔は敏速であるが、好んで草上にとまり、ノハナショウブ・ウツボグサ・オカトラノオ・アザミ類などの花に吸蜜にくる。湿地や汚物にも飛来する。
越冬態は北海道での観察では2齢幼虫。
<食草> イネ科のススキがおもで、アブラススキなども食べる。オニナルコスゲ・ヒカゲスギ(カヤツリグサ科)、ミヤコザサ・クマイザサ(タケ科)からも幼虫がみつかる。
<雌雄の区別> ♂の翅表の地色は赤味が強く、前翅中室下方に黒色の明瞭な性標がある。♀の地色は暗茶褐色で、前後翅とも黄斑が強く、中国地方産(4c)は大型で、♂の地色は暗色部が小さく、明るい感じを受ける。
<変異> 一般に北海道産は小型で、♂の地色は黄色味が強く、中国地方産(4c)は大型で、♂の地色は暗色部が小さく、明るい感じを受ける。
<近似種との区別> アカセセリ・ヒメキマダラセセリに似る(p.320の区別点一覧表参照)。
保育社「原色日本蝶類図鑑」(全改定新版)(4刷) 第70図版4 319頁
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