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Brenthis ino
<分布> 北海道・本州に分布する。北海道では各地に広く分布し、本州では関東地方(群馬県)、中部地方(新潟・富山・長野・岐阜・山梨県)に産地がある。
国外ではヨーロッパ(中・北部)からシベリア・中国大陸北部・アルタイ・アムール・旧満州・朝鮮半島・サハリンに分布し、原名亜種はヨーロッパ産で、タイプ産地は東ドイツ。
<生態> 年1回、7月中旬〜下旬、寒冷地では7月下旬〜8月上旬に出現する。成虫は渓流ぞいの草地や湿原に棲息し、多くは前種(ヒョウモンチョウ)と棲み分けるがときに混棲する。飛翔はゆるやかで、クガイソウ・オニシモツケなどの花で吸蜜する。越冬態は2〜3齢幼虫。
<食草> バラ科のオニシモツケ。ワレモコウ類でも幼虫がみつかるといわれている。
<雌雄の区別> ♀は♂より大型で、翅形はまる味を帯び、翅表地色は赤味がとぼしい。
<変異> 北海道産では翅表の黒斑は小さく、後翅裏面外半部の地色が淡く、基半部は黄色味が強く、ssp. mashuensis Kono とされる。中部地方産は小型で、翅表の黒斑が発達し、ssp. tigroides Fruhstorfer とされ、関東北部産は一般に大型で、翅表は明るく、黒斑が弱く ssp. tanigawaensis Nakahara とされるが、この両者の特徴は各地域のものにみられ、変異は連続する。
<近似種との区別> Fig46 ヒョウモンチョウ(B. daphne)とコヒョウモン(B. ino)の区別点 参照。ヒョウモンチョウと区別の困難な個体がまれにある。
Fig46 ヒョウモンチョウ(B. daphne)とコヒョウモン(B. ino)の区別点
B. daphne は B. ino に比べ、(1)前翅外縁が直線状(ino は円弧条)、(2)翅表の地色は黄色味を帯び、黒斑は小さい( ino は地色が赤味を帯び、黒斑は大きい)(3)前翅表面1b室の黒斑が二分され(ino は融合する)、基部寄りの2黒斑の間隔は広い(ino は狭い)、(4)後翅表第6室の黒斑は二分される(ino は融合する)、(5)後翅裏面の紫白色斑は ino より発達するなどの諸点を総合するとほぼ区別することができる。
保育社「原色日本蝶類図鑑」(全改定新版)(4刷) 第43図版2 208頁
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