|
Lycaena phlaeas
<分布> 北海道・本州・四国・九州(対馬を含む)。九州以東の地域でも島嶼にも分布するが、南西諸島には確実な記録がない。国外ではヨーロッパのほぼ全域・アフリカ北部より中国大陸・シベリアをへて旧満州・朝鮮半島へかけてのユーラシア大陸の広い地域と北米大陸の東部とに分布し、日本のものは ssp. daimio Seitz とされる。タイプ産地は“日本”とあるのみで詳細不明。
<生態> 暖地では3月上旬より発生し5〜6回、寒冷地では4月にはいって姿をみせ、4〜5回の発生回数と考えられるがよく調べられていない。
成虫は陽当りのよい草原・堤防・田畑の周辺・路傍などに棲息し、飛び方は敏速であるがすぐにとまる。夏期の個体は梢上を占有する習性がある。春はタンポポ・キツネノボタン・カノコソウ・クサイチゴ・ダイコン・シロツメクサなど、夏はヒメジョオン・オカトラノオなど、秋はノコンギク・ヨメナなど多くの花で吸蜜するものがみられる。
幼虫越冬。越冬幼虫の齢数は一定せず、いろいろな段階のものがみられる。幼虫は秋期気温がさがると食草をおり、地上の落葉の間や石の下などで冬を越す。
<食草> おもにスイバ・ギシギシ(タテ科)。ヒメスイバ・ノダイオウ・エゾノギシギシなども食草として報告されている。
<雌雄の区別> ♂の前翅外縁は直線状で翅頂はとがり、♀は大型で翅形はまる味帯びる。春型の♂の翅表外縁の黒帯は♀より幅広く、地色も濃色。夏型の♂の前翅表は黒褐色で、赤橙色斑がほとんどまたはまったく消失し、♀は赤橙色が多く散在する。
<変異> 春型(5a,b)は翅表の赤橙色斑が発達し、夏型(5c,d)は赤橙色斑が退化し。♂の前翅表には現れることが少ない。春型から夏型への移行期や秋期には、両型の中間型がみられる。後翅表外縁の赤橙色斑列の内側に青藍色の斑点の現れる個体もときにみられるが、これは遺伝的な型と考えられれている。
保育社「原色日本蝶類図鑑」(全改訂新版4刷) 第29図版5 119頁。
|