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Lethe sicelis
<分布> 本州・四国・九州に分布する。東北地方や九州中部ではまれな種で、九州南部や淡路島を除く大部分の島嶼には確実な記録がない。現在のところ日本特産種とされる。
<生態> 通常年2回、5月下旬〜6月中旬、8月上旬〜9月中旬に出現する。高地・寒冷地では年1回と思われる。個体数は前種クロヒカゲより少なく、産地も局限される。一般に発生期は前種よりも遅い。
成虫は樹林の周辺や林間の空隙地に棲息し、昼間は薄暗い林内の下草や湿った崖地などに静止し、夕方に活発に活動する。クヌギ・ニレなどの樹液や汚物・腐果にも集まるが、花を訪れることはまれ。越冬態は4齢(ときに3齢)幼虫。
<食草> タケ科のメダケ・ゴキダケなどとイワテザサ・クマザサ・アズマザサなど。イネ科のススキ。
<雌雄の区別> ♀は♂に比べて翅形が幅広く、まる味を帯び、地色は淡く、前翅表の斜黄白色帯は明瞭である。♂の後翅表基部と外縁付近には黒色の長い毛束がある。
<変異> 一般に寒冷地のものは暖地のものに比べて小型。
<近似種との区別> クロヒカゲ・クロヒカゲモドキと混同される(両種の項参照)。
保育社「原色日本蝶類図鑑」(全改定新版4刷) 第44図版3 210頁。
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