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Daimio tethys
<分布> 北海道(渡島半島南部のみ)・本州・四国・九州(対馬を含む)に分布する。
国外ではビルマ北部・中国大陸(南部を除く)・旧満州・アムール・朝鮮半島・台湾に分布し、日本産は原名亜種で、タイプの産地は原記載には日本とのみ記されている。
<生態> 通常年3回(4月中旬〜10月中旬)、高地・寒冷地では2回(5月上旬〜9月中旬)姿をみせる。
成虫は樹林周辺の食草の多く生える地域に棲息し、飛翔は敏速であるが、すぐに葉上に翅をひらいてとまる。イボタ・アザミ類・オカトラノオ・スイカズラなどの花で吸蜜し、汚物にも飛来する。驚くと葉の裏側に翅をひらいてとまる。
越冬態は終齢幼虫で、幼虫は晩秋地上におり、早春摂食せずに蛹化する。
<食草> ヤマノイモ科のヤマイモ・オニドコロ・ナガイモ・ツクネイモなど。
<雌雄の区別> ♀は♂に比べやや大型で、前翅の白斑、後翅の白斑・白帯が大きくなる傾向が強い。♂の後肢けい節には長毛の束がある。翅形・斑紋では判別しにくい。
<変異> 若狭湾東部と伊勢湾西部付近を結ぶ線より東北の地域に産するもの(4b)は後翅表に白帯がなく、小白紋がわずかに現れるか、まったく無紋で関東型(原名亜種、ssp. tethys とされることもある)と呼ばれ、同線より西南の地域に産するもの(4a)には後翅に顕著な白帯があり、関西型(関西亜種、ssp. daiseni Riley)と呼ばれる。線の両側にあたる福井・岐阜・愛知県西部・志賀・三重県東部・京都府東北部では両型の中間型がみられる。また、この線から離れ、北上するほど白斑は消失し、逆に南下するほど白帯が太くなる傾向がみられる。
保育社「原色日本蝶類図鑑」(全改訂新版)4刷 第67図版4 305頁
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