|
Melanitis phedima
<分布> 本州(山形県上山市付近にも記録はあるが、静岡県下が現在のところ土着の北限で、以西の各地に分布する)・四国・九州(種子島・屋久島を含む)に分布する。国外ではカシミール・インド・セイロン・ヒマラヤ・ネパール・ブータン・ビルマ・インドシナ・中国大陸南部・台湾・マレー半島・スマトラ・ニアス・フィリピン・セレベスなどに分布し、原名亜種はジャワ産をさす。日本産は ssp. oitensis Matsumura とされ、タイプの産地は九州の大分と記されている。なお、1975年夏、沖縄本島国頭村での採集報告がある。
<生態> 通常年3回、6〜11月に姿をみかける。大阪などでは年2回(7月下旬〜11月上旬)の発生と推定される。成虫はおもに常緑樹林の中や周辺部の薄暗い地域に棲息し、昼間は活動せず、日没前後にゆるやかに飛びまわる。汚物や腐果に飛来するが、花を訪れることは観察されていない。越冬態は成虫で、最後に現れる成虫がそのまま越冬する。
<食草> ススキ・ジュズダマで幼虫がみつかることが多い。そのほか、アブラススキ・チョウセンカリヤス・カリヤスモドキ・チヂミザサ・アシボソ・メヒシバ・ササキビなどのイネ科、ナルコビエ(カヤツリグサ科)などからも卵や幼虫が採集されている。
<雌雄の区別> 夏型:♂(1a,b)は翅表の地色が黒く、外縁の突出が少ない。前翅頂付近の小白斑は消失する傾向が強く、赤橙色斑はない。♀は♂より大型で、外縁が突出し、翅表の地色は淡色で、前翅頂付近の黒斑と、その中にある小白斑は目だつ。前翅の赤橙色斑は薄く現れる。秋型:♂(1b)の翅表の地色は濃く、外縁部に灰白色の鱗粉が散布される。♀(1c,e)は大型で、外縁の突出はもっとも顕著で、翅表の地色は淡く、前翅頂付近の黒斑、その中の小白斑は明瞭で、周辺の赤橙色斑は発達する。裏面地色は赤味が強い。
<変異> 夏型は♂♀ともそれぞれ秋型に比べて外縁の突出が少なく、前翅表翅頂付近の小白斑、橙色斑は発達が弱く、裏面の地色は濃く、全体に灰白色の弱いチリメン状地紋がある。秋型は一般に夏型よりも大型で、外縁の突出はいちじるしく、翅表翅頂付近の小白斑、橙色斑は明瞭で、裏面は赤味を帯びて枯葉状。
<近似種との区別> 次種(ウスイロコノマチョウ)、ことに秋型と混同されることが多い(次頁の一覧表参照)。
保育社「原色日本蝶類図鑑」(全改定新版4刷) 第63図版2 287頁。
|